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新たなエネルギー基本計画の策定に向けて、政府がまとめた2040年度時点での電源別の総合的な発電コストの試算が明らかになった。LNG(液化天然ガス)の価格高騰などを見込んで、原子力のコストが現在主力のLNG火力のコストを下回るとしている。それによると、1キロワットアワーあたりのコストは現在発電量が最も多いLNG火力が20.2円〜22.2円、原子力が16.4円〜18.9円、事業用の太陽光が15.2円〜36.8円となっている。3年前に示した前回の試算では、2030年度の時点でLNG火力は最も安い電源としていたが、今回はLNGの価格高騰や環境対応の費用などを見込み、前回より大幅に引き上げている。一方、原子力はテロ対策の費用などが増える一方で、安全対策の進展で、事故対応の費用は従来の想定より引き下げられるとして、LNG火力よりは安くなるとしている。ただ、原発を巡っては事故発生時の賠償費用などは事前に予測しづらいといった指摘もあるだけに、試算の根拠やリスクをどう見込んだかなど丁寧な説明が求められる。