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きょうで就任から1年となる台湾の頼清徳総統は記者会見で、軍事的な圧力を強める中国を念頭に、民主主義・自由の重要性を強調した。中国は台湾周辺で大規模な軍事演習を繰り返すなど圧力を強化していて、頼総統は「中国が台湾で影響力を拡大させる“浸透工作”を行っている」などとして非難を強めている。
きょうで就任から1年となる台湾の頼清徳総統。中国に対して台湾の与党である民進党は非難の応酬する中、国民党は対話・交流を主張していて分断が深まっている。先月台北の中心部で、国民党に批判的な市民団体が集会を開き、国民党が中国の「浸透工作」に加担していると主張し、計35人の議員のリコールへの協力・署名を呼び掛けた。議会立法院では、野党である国民党は52席、与党の民進党51席を上回っている。リコール活動のボランティア陳冠之さんは、写真店でリコールの署名を集めていて、民進党が過半数を確保できれば「浸透工作」を食い止められると考えている。こうした動きに国民党は、民進党議員のリコール署名を集めているが、死亡した人の署名がみつかり検察が偽造の疑いで関係者を捜査した。頼総統が中国を敵対視する中、民間の交流への影響が心配されている。古代中国の伝説的な帝王を祭る寺院の会長である李乾龍さんは「言語や人種が同じなのにどうして敵対勢力にする必要があるのでしょうか」と話す。催しに中国から参加者を招待する予定だったが頼総統の方針で審査が厳格化しているという。