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アジア太平洋地域の外交官や政府関係者が先月、広島を訪れた。国連が行った核軍縮の研修に参加するため14の国から集まった。ランドン・ジョンさんは、マーシャル諸島で核を巡る政策に携わっている。広島を襲った原爆による被害や、核軍縮を巡る議論などについて学ぼうと、各国の代表が集まるこの研修に参加した。太平洋の島国・マーシャル諸島。長年、核に苦しめられてきた。戦後、ビキニ環礁などでアメリカによる核実験が67回も繰り返され、放射性物質による健康被害が続いてきた。研修では、核交渉のシミュレーションを行った。核保有国である中国、ロシア、そしてアメリカの代表になりきり、この3か国の軍事衝突や核兵器の拡散を避けるための合意文書の作成を目指す。合意で重要になるのは、一つ一つの文言。折り合える妥協点を探るのが交渉。核兵器の拡散をどう防ぐか議論が白熱した。参加者たちは妥協案を探る難しさも体験した。将来の核交渉を担う若い世代のジョンさんたち。研修で学んだことを生かし、核軍縮に貢献することが期待されている。3日からニューヨークで核兵器禁止条約の締約国会議が始まる。核兵器の開発、保有、使用などを禁止する条約で核保有国は批准していない。会議は批准していない国でもオブザーバー参加できるが、日本政府は見送る方針を示している。一方で、日本被団協は被爆者を派遣するとしている。ことしは広島、長崎に原爆が投下されてから80年。核軍縮への関心が高まっている中で、会議での議論の行方が注目される。