NHKニュース おはよう日本 (特集)
震災前の大槌町赤浜地区に建つ、東京大学大槌沿岸センター。52年前から海洋生態系や海水温などの調査や研究を行っている。福田准教授は2007年からここで研究を続けてきた。2011年3月11日、センターを津波が襲った。福田さんを始めセンターにいた全員が、高台に避難し無事だった。しかし、これまで調査してきた貴重なデータを失った。センターがあった町は一変し、失望の中で福田さんは震災前のことを思い出した。横浜から引っ越してきた頃、幼い長男に地元消防団が活動服を着せてくれたこと。慣れない土地の暮らしの中で、みんなが声をかけてくれたこと。福田さんはこの町で研究を続けることを決めた。地区のかつての中心部に2018年、新しいセンターが開設。三陸の海の素晴らしさを多くの人に知ってもらいたいと、震災後に始めた地元の高校生との研究。取り組みは今年で5年目となる。福田さんは地域とのつながりを今も大切にしている。豊かな海の魅力を伝えたい、福田さんの大槌町での研究はこれからも続く。