モーサテ プロの眼
大槻さんは「CREはCommercial Real Estateの頭文字で商業用不動産。ショックとはこれらの不動産に端を発する地域金融機関を中心とした貸し倒れのリスク。最近耳にするようになったきかっけがNYCBニューヨーク・コミュニティ・バンコープが10-12月期の決算で赤字になっていた。主な要因がCREに対しての貸し倒れ引当金だった。結果としてこれがほかの地域金融機関などへの株価などへも影響が広がった。年初来の株価下落率を見ると、地域金融機関の場合は11%ほど下落。S&P500が好調なのに比べて低迷。日本の銀行株に対しても低迷している。商業用不動産の影響が大きい。商業用不動産の価格をみると、前年同期で横ばいぐらいになってきているかという気もするが、前年同期比での下落率が10%ほどの下落になっている。全体の貸出を見るとアメリカの銀行の総資産は23兆ドル。これに対し商業用不動産が24%ほど占めている。中小金融機関に偏りが高い。CREローンの比率をみると、上位の銀行は貸出に対する比率は10%ほど、それに対し中小の銀行は51%ほどと半分ほどがCREになっている。当局は数少ない不安材料がこの分野ということもあり、去年CREに対しより慎重に管理すべきと表明している。特定の資産に集中している、資本に対しCREが300%超え、過去3年でCREローンが50%以上増加している場合は銀行が管理するべきと釘をさしている。CREローンを縮小した場合、13%ほど圧縮しないといけない。そうすると市場を相当縮小する方向になる。今後の不安は今はまだ不安が表面化していない。CREローンのデフォルト率は2%にも達していない。ただオフィスについて見ると担保カバー率で担保割れしているのが44.6%。今年と来年に満期がくるCREローンが1.2兆ドル。こういったところでデフォルトが大きく起こると債務超過になる銀行が増えると言われている。資産するとCREデフォルト率が2%になると50行ぐらいがデフォルトしてしまう。さらにリーマン・ショックの半分4%ほどデフォルトが増えると100行くらいとなる。ただ大きなショックにはならないとみている。リーマン・ショックの時は銀行破綻が400行近かった。預金の補償を安くしている。シリコンバレーバンクの時にも100%預金を補填した。アメリカの金融機関については安心感が増している。アメリカについてはそこまでないとみていて、ヨーロッパの場合は預金保険の仕組みができていない。規制がしっかり作り上げていないのがNBFI(ノンバンク金融仲介業)ここについては注意が必要」などと述べた。