有吉のお金発見 突撃!カネオくん (歴史に残る黒部ダムの建設工事)
黒部ダムと黒部川第四発電所の完成までには延べ1000万人が従事し、7年の歳月をかけた日本土木史上に残る壮絶な工事と数々のドラマがあった。工事を総力的に特集した2000年6月放送「プロジェクトX」の映像を借りて工事の様子を紹介した。建設の機運が高まったのは1950年代。戦後の急速な経済復興を遂げる一方、国内のインフラ整備が遅れ、関西地域は深刻な電力不足となっていた。工場は週2日操業停止となり、一般家庭は週3日電力がストップした。電力を確保するため関西電力が計画したのが黒部ダムだった。問題となったのは莫大な建設費とわずかな工期。建設費用は当時の価格で513億円。当時の関西電力資本金の5倍にのぼり、海外からの融資などで調達したが、工期のリミットは7年だった。当時の社員は「行くこともできないような場所、10点満点で1か1.5くらいの調査しかできない状態で決断がされた」と振り返った。現場は北アルプスの3000m級の高い山々に挟まれ、ベテラン登山家以外、足を踏み入れることのない秘境だった。工事の着工は1956年8月。高さ186mと前代未聞の巨大ダムで必要なセメントは約40万トンにも及んだ。工事に必要な資材を届けるため、長野県大町市からダム建設地を結ぶ5.4kmのトンネルが計画された。7年の工期に間に合わせるにはトンネルを1年で完成させる必要があったが、工事は困難を極めた。