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大阪・関西万博では日本文化の魅力も発信されており、先日島根県浜田市に伝わる石見神楽の公演が行われた。石見神楽とは島根県西部で古くから伝わる伝統芸能で、秋祭りなどで地域に親しまれている。江戸時代には既に舞われていて日本遺産の構成文化財にも認定されている。神楽の団体を神楽社中と呼ぶが、島根県西部で約130あり浜田市だけで50余りある。今回の万博では2時間で4つの演目が披露され、プロジェクションマッピングやレーザー等の最新技術を取り入れた演出に挑戦した。さらに今回力を入れたのが、須佐之男命が八岐大蛇を退治する「大蛇(おろち)」という演目で、通常4~8頭登場する大蛇が55頭登場した。総勢150人で4ヶ月に渡る練習を行ったとのこと。万博に向けた練習は今年3月から始まった。今回特に難しいのが大蛇の一番の見せ場である大輪。大蛇が重なり合って息を合わせて一つの輪になって回転する大技で、通常4~8頭で輪を作るが今回は15頭の大蛇で複数の輪を作る。55年前1970年の大阪万博でも石見神楽が披露され、この万博で登場した大蛇をきっかけによりダイナミックな演出も定着して国内外からの注目も高まった。半世紀が経ち島根県では人口減少や少子高齢化で社中によっては今後の活動が難しくなるなど伝統芸能を後世につないでいくことが厳しくなっている。この万博で地域を盛り上げたいと多くの社中が賛同して今回の取り組みが実現した。