天安門事件 取材した記者の思い

2026年6月6日放送 6:41 - 6:49 NHK総合
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1989年中国で起きた天安門事件。中国政府は民主化を求めた学生らの運動を「動乱」と結論付け、軍が鎮圧した当時の対応は正しかったとしている。この事件を巡り中国本土では厳しい情報統制が敷かれる一方で、香港では例年事件の犠牲者を追悼する集会が開かれてきた。しかし今、集会は事実上禁じられ、記憶の風化が懸念されている。香港のジャーナリストの麦さんは、香港中心部にあるビクトリア公園に深い思い入れがある。公園では7年前まで毎年天安門事件の追悼集会が開かれていた。1989年、麦さんは香港の新聞記者として北京で取材。この年の4月下旬から天安門広場などで民主化を求める学生や市民のデモを現場から伝えてきた。自由を求める人々の熱量に圧倒されたという。しかし6月4日未明、軍は学生らの鎮圧に乗り出す。麦さんは、広場を見下ろすホテルからその一部始終を目撃。あの日の事実を書き残さねばならないと、香港に戻った麦さんは仲間の記者と共に1冊の本を出版。香港では発売後すぐに売り切れ、5万部以上が売れたという。1997年、香港は中国に変換された。これ以降、メディアへの統制が強まる中、麦さんは記者協会の代表を務めるなど、報道の自由を守るため力を注いできた。追悼集会では、自ら目撃した天安門事件の惨状を訴えることもあった。しかし2019年を最後に追悼集会は許されていない。2020年、中国は香港国家安全維持法を導入。麦さんたちの本は図書館などから撤去された。麦さんは今、香港の人々から事件の記憶が薄れていくことに危機感を強めている。今や香港ですら天安門事件の歴史を継承していこうとするだけで罪に問われかねない。6月4日、以前まで追悼集会の会場だった公園周辺では、追悼に訪れた人達が警察官によって連行される姿も見られた。これまで中国側に中国本土や香港の人権問題での対応を要求してきたアメリカは、トランプ政権になりどこまで関心を寄せているかは計りかねる状況。ルビオ国務長官は天安門事件に関連して3日、検閲で過去を消し去ることはできないという声明を出し、中国側の言論統制に釘を刺した。トランプ大統領は以前、習近平国家首席について“14億人を鉄の拳で支配している。好きか嫌いかはともかく素晴らしい人物”だとも発言。前バイデン政権が民主主義を前面に出して外交を進めたのと比べると大きなギャップがあると言わざるを得ない。


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