NHKニュース7 (ニュース)
天皇皇后両陛下が即位後初めて、被爆地の広島県を訪問して、被爆者などと懇談した。天皇皇后両陛下は広島県・三原市では、車の中から多くの人々に笑顔で手を振って応えた。広島市の平和公園では、慰霊碑に花を供えた。人々が、「平和を願って貰えるといい」「被爆者の気持ちに立って(話を)聞いてあげて欲しい」などと話した。天皇陛下は、昭和52年には長崎市、昭和56年には広島市を訪問した。令和3年の記者会見では、「先の大戦で世界で唯一の被爆地となった広島、長崎には、永く心を寄せていきたいと思います」と述べた。両陛下は今日、新たに設けられた被爆遺構の展示施設を視察したり、原爆資料館を訪ねて、日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)が去年、ノーベル平和賞を受賞した時の賞状のレプリカなどを視察した。そのレプリカの前で、ある男性が両陛下に「核兵器も戦争も無い世界の人間社会を求め、共に頑張りましょうと、そういうメッセージを発信された」などと説明した。さらに両陛下は、被爆者・伝承者と懇談した。14歳の時に被爆した梶本淑子さん(94)は、「真剣に聞いて下さるお姿で、本当に嬉しく思った」などと話した。13歳の時に被爆した才木幹夫さん(93)は、「時間をオーバーして資料館を御覧になり、私達にも本当に親しく話を聞いて貰い、十分に被爆状況を感じていると思う」などと話した。両陛下は9月には、長崎を訪問する予定。