さわやか自然百景 (さわやか自然百景)
四国本土の最も東に位置する徳島・蒲生田岬。岬の南側には高さ50m程の断崖が続く。白亜紀に堆積した地層が隆起し、強風と荒波に削られてできたと考えられている。11月、蒲生田岬には北西からの強い風が吹き付ける。荒波の上ではウミネコが魚を狙っている。瀬戸内海と太平洋の潮がぶつかる蒲生田岬沖には豊かな海の恵みを求めてたくさんの鳥たちが集まる。岬の上にはウバメガシやツバキなどの森が広がる。強風の影響で背は低く、風にあおられて幹や枝が斜めに伸びている。上空には越冬地に向かうハイタカやヒヨドリが飛んでいる。
徳島県の南部を流れ、太平洋に注ぐ海部川。全長36km、四国を代表する清流の一つ。豊かな森に覆われた標高1000m超の山々に源流がある。秋、海部川上流の滝壺に魚が群れている。アマゴは水温の低い上流域を好み、流れてくる虫などを捕らえる。海部川上流部は年間降水量が3000mm超の雨が多い地域で、豊かな水が川を流れ下る。流れに向かって泳ぐのはアユ。意思の影にはアユカケが潜んでいる。河口近くの川の中には産卵の季節を迎えたアユの大群が。浅瀬にはダイサギが産卵中のアユに近づき、次々にとらえる。多くの生き物に狙われる中、アユたちは懸命に次の世代に命をつないでいる。