日経平均一時4万8000円超 “高市トレード” 円安・株高進む

2025年10月6日放送 22:00 - 22:10 テレビ東京
ワールドビジネスサテライト (ニュース)

小泉農水相の勝利を織り込んでいた市場関係者にとって、総裁選の結果はサプライズとなった。日経平均株価はみるみる上昇し、午後には初めて4万8000円を突破。株高をけん引したのは、三菱重工業や川崎重工業など防衛関連の銘柄。高市氏はこれまで何度も防衛力の強化を訴えてきており、防衛費の増額を見越した関連銘柄への買い注文が広がった。ほかにも半導体や核融合開発など、高市氏が成長分野と位置付ける銘柄に買いが殺到した。日経平均株価は先週末より2100円ほど高い4万7944円で取引を終えた。去年石破氏が総裁に選出されたときは、1900円を超える大幅安になった。単純比較はできないが、投資家の期待度には大きな差がありそう。為替市場では高市氏が積極的な財政政策を取ることや日銀の追加利上げが難しくなるとの観測が広がり、円相場は急落。一時1ドル=150円台につけ、約2カ月ぶりの円安水準になった。自民党の結党から70年、初めて女性の総裁が誕生した。高市氏はアメリカ下院議員事務所で勤務を経験したコメンテーターとして、1990年にワールドビジネスサテライトに出演していた。1992年に参議院選挙に立候補したが落選し、翌年の衆議院選挙で初当選した。第1次安倍政権で初入閣し、政治信条の近い安倍氏とその後も行動を共にしてきた。総裁選で訴えた政策も、安倍氏の政策と近いものが並んだ。高市氏が訴えたのは、戦略的な財政出動により需要を喚起し景気をさらに上向かせるという高圧経済。ガゾリンと軽油の暫定税率廃止や年収の壁の引き上げなど、負担軽減策も並べた。さらに財源としての赤字国債の新規発行を、5人の候補者のうちただ1人容認した。去年の総裁選の際には「金利をいま上げるのはアホ」と日銀を牽制する発言もしていた。利上げの時期を模索する日銀に対し高市氏が今後どのようなスタンスで向き合うのか、注目が集まっている。マーケットからは期待の反面、日本版“トラス・ショック”を懸念する声も上がっている。2022年に物価高やエネルギー価格の高騰に苦しむイギリスで首相を務めたリズ・トラス氏は、就任後すぐに財源の多くを国債に頼る大規模な減税を打ち出した。この“財源なき減税”により、イギリスの金融市場では株安・通貨安・債権安のトリプル安が進行。“トラス・ショック”と呼ばれ、就任からわずか7週間で辞任に追い込まれた。大和証券チーフストラテジストの坪井裕豪さんは「高市さんの発言を見ている限りは、『一定の規律を保った財政拡張』という言い方をしている。野放図な財政拡張とは一線を画すと考えられる」などとコメントした。衆参両院で与党が少数の現状を踏まえ、今後与野党の協議が進めば株価の上昇が期待できるという。一方急激な円安が進んだ為替相場の今後の見通しについて、BNPパリバ証券チーフエコノミストの河野龍太郎さんは「年内も利上げは難しいと、実質金利が下がって円安を招く状況になっている。春になっても難しいとなると、さらに円安が進むことはありうる」などとコメントした。為替の方向感を占う上で重要なのは、野党との連立協議と財務大臣の閣僚人事だという。


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