モーサテ プロの眼
日銀のバランスシートの先行きについて。今週、日銀は長期国債買い入れの減額方針を決定した。日銀が持っている国債残高が減れば、その分市場が消化しなければならないことになるので、市場にとってはどの程度日銀が減らすのかが重要だという。日銀が今回出した国債保有の先行きを示す資料によると、27年3月には減額前と比べて約16~17%減少することが予想できる。今後10年間で日銀の国債保有は着実に減少していく、現在580兆円だが2035年までに260兆円半減していことになる。日銀が巨大なバランスシートを抱えたままだとインフレ抑制のために利上げをすることがきでなくなる懸念がある。中央銀行のバランスシート(GDP比)をFRB、ECBと比べると、日銀は3分の1ぐらいににはバランスシートを縮小する必要があると考えられる。日銀の巨額の流動性供給からの転換点は、大量の国債保有による長期利上げ押し下げ効果の解消、政府の債務リスクの再評価にある。