モーサテ プロの眼
渡辺さんは「昨日、日銀は政策金利の据え置きを決め、併せて多角的レビューを公表しました。一番、日銀が語ろうとしたことは反実仮想です。もし金融緩和を実施しなかったら場合を想定し、経済学の手法を使って類推したところ、GPDは約1.5%ぐらい減、インフレ率は約0.6%減でした。超金融緩和というのはGDPと物価を押し上げる効果があったということです。日銀の非伝統的手法に対する評価は、経済・物価を押し上げる効果を発揮してきた、定量的な効果は短期金利の操作による伝統的な金融政策手段に比べて不確実で、大規模かつ長期間にわたって継続する場合、金融市場の機能度や金融機関の収益に副作用をもたらします。来年は、非常に大きな不確実性がある中で、日銀も覚悟しており、それに何とかして備えておこうという気持ちが強いのではないでしょうか。日銀の今後の政策運営は、可能な限りゼロ金利制約に直面しないように金融政策を運営し、景気悪化時に実質金利を引き下げることができるよう、小幅のプラスの物価上昇率を安定して実現していくことが重要です。予防的に少し高めの金利を準備しておきたいとこういう気持ちがあるのではないかと見ています」などと話した。