午後LIVE ニュースーン おとりよせ@宮城
9月に入っても暑い日が続いているが、先週、農林水産省が今年の新米について先月中旬時点での収穫量の見込みを示した。静岡県が去年を上回り、山形県や兵庫県など12府県が去年をやや上回る。一方、去年を下回るのは4県となっていて、農林水産省は生育は“おおむね順調に推移している”と評価した。今年の新米は作付けの段階で去年より56万トン多い生産量が見込まれているため、小泉農水相は「今の状況が続けばコメの価格安定につながる」という見方を示している。7月以降、猛暑で雨が少なかったことから一部の地域で稲が枯れる被害がみられたが、生育時期を通して見ると全国的に日照時間が長かったためだという。調査は先月時点のもので、本格的な収穫は今月~来月にかけてピークを迎える。高温によってコメが濁ったりヒビ割れたりする品質への影響も一部で確認されているが、今回の調査では影響は考慮できていない。今回の収穫量の見込みは本格的な収穫時期を向かるまでの気象が平年並みに推移することが前提になっているため、秋にかけての暑さがカギを握る。農林水産省は猛暑により影響を注意深く見ていく必要があるとしている。今月末には農林水産省が今年の全国の一等米の比率について調査結果の速報値を公表する見込み。
暑さが続く中でもコメづくりをどう持続的に行っていくか、生産者の中で模索が始まっている。高い気温の中でも育ってもコメの品質が落ちにくく収穫量が減りにくい高温耐性品種の開発が盛んになっている。去年産の全国主食用米の作付面積のうち16%余が高温耐性品種だった。代表的な品種は「きぬむすめ」や「こしいぶき」など。品種によっては前年に比べて3倍近く作付面積が増えたものもある。国の研究機関・農研機構が開発した「にじのきらめき」は「コシヒカリ」と比べて、葉で稲が覆われている面積が大きく、穂への直接の日射量が少なくなって暑さに強くなると考えられている。福島大学・新田洋司教授は「8月・9月にかけて穂の中身ができる大事な時期。高温傾向が続くことで減収や食味の低下を懸念している。出荷量や流通量が減った場合、価格が高くなる可能性もある」と指摘した。
