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古代のお酒がどのように作られたのか紹介するイベントが大阪・関西万博の会場で行われた。奈良時代の有力貴族長屋王の邸宅跡から出土した木簡には酒のレシピが書かれていた。このレシピを基に酒を再現する取り組みはこれまでもあったが今回特に着目したのが酒を仕込む瓶。奈良時代は土を高温で焼きしめた須恵器が使われていた。仕込む瓶も当時の須恵器の作り方で再現した。再現した瓶での酒造りを任されたのが御所市の酒造会社。奈良時代当時の作り方で忠実に再現された瓶には内部に凹凸があった。現代の酒作りと違うのは瓶だけでなくレシピも現代のものとは異なっていた。麹の量が普通より1.5倍から2倍くらい入っていた。瓶で酒を仕込むこと5回、4年にわたって試行錯誤を続けた。万博会場で再現した古代の酒が来場者に振る舞われた。酒が入っている器はこの日のために特別に作られた須恵器。奈良文化財研究所の床田慎矢さんは、それぞれの得意な分野を生かしてすごくいい形でプロジェクトが形になってきたと思うと話した。酒造会社の山本長兵衛さんは、いにしえの技法を現代の酒つくりに重ね合わせて酒の発展に寄与できればと話した。