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地球温暖化の影響で世界各地で洪水や干ばつなど異常気象による被害が相次いでいる。フランス中西部アンドル=エ=ロワール県にあるアンボワーズ城では、ここ数か月の激しい雨の影響で城壁が今にも崩れ落ちそうな状態で、4か月前から作業員らが城塞の強化工事を進めている。壁に入った亀裂や石材の隙間は地球温暖化の影響によるもの。去年秋の記録的豪雨で水を含んだ城壁のそばの盛土に地滑りの危険があるとの警告が1月末に出され、2000tの土が緊急に除去されることになった。ドリルを使い鉄の釘を深さ40mまで打ち込んでいくが、大きな危険を伴う作業のため常時センサーで監視している。非常に大規模な工事であるため、工費も250万ユーロ(4億円余り)と莫大。緊急工事が必要なのは城壁の下にある住宅を守るためで、住民80人は別の場所に避難している。一方、アンボワーズ城自体は一般公開され、毎年40万人以上が訪れている。アンボワーズ城のみならず、ロワール渓谷に点在する古城群の多くが地球温暖化の影響にさらされている。シャンボール城には浸水の危険があり、シュノンソー城は日照りに脅かされている。 アゼルリドー城では週に1度、城の庭師が藻の除去作業も行っている。藻は太陽が照りつけ気温が上がるほど繁殖する。ここ数週間は池の水位もかなり下がっている。城の外壁は水に浸かった基礎の杭で支えられている。城の管理者は「水位が下がり支柱が日にさらされると木が歪み強度が落ちる可能性があり、城の構造そのものにとっても危険」と話した。気温上昇に伴い、城に沿って流れるアンドル川が干上がることになれば、城を囲む池にも水がなくなる事態を危惧している。他にもパリ近郊のシャンティイ城やマルセイユのイフ城などの歴史遺産が2050年までに気候変動の影響を受ける可能性があると言われている。