礼文島からの贈り物〜杣田美野里のメッセージ

2024年10月13日放送 1:25 - 2:09 NHK総合
北海道スペシャル (北海道スペシャル)

写真家・杣田美野里さんが出版した「キャンサーギフト 礼文の花降る丘へ」。杣田さんは2016年に肺がんと診断され、余命宣告を受けながらこれを出版。冒頭に「現とは死を意識して輝く」という短歌を載せるなど、生命の尊さを捉えた写真を多く掲載。NHKラジオでインタビューに応じた直後、杣田さんは死去。そのラジオを聞いていたという高谷さん。夫が亡くなり、その立ち直りのきっかけになったのがこの本だったという。
北海道の北端にあり、花の浮島とも呼ばれる礼文島。厳しい寒さと風の強さゆえ高い木々が育たず、代わりに広がったのが200種を超える高山植物の花畑。ここに移住して花々を撮影する杣田美野里さん。ガイドブックや写真集などを12冊出版。著書で大事にされていたのは、自身が感じた驚き・喜びを伝えること。計20万部以上を販売。
東京生まれの写真家・杣田美野里さん。1992年、37歳で北海道礼文島に移住。きっかけは、かつて訪れた際に後の夫・宮本誠一郎さんに一目惚れしたこと。以後30年間、共同で礼文島の本を作って暮らした。杣田さんが心の病にかかり、自然が薬になるのではと考えて夫婦で移住を決断したという。
写真家・杣田美野里さん夫婦が礼文島に移住して数年後。山歩きが全国的なブームとなり、島にも観光客が多く来るように。固有種が盗掘されることもあり、杣田さんは衝撃を受けたんだそう。「自分たちが散策コースを紹介したのが原因なのでは」とも思い、礼文島の自然を守ろうと責任を感じるようになったそう。そこで始めたのが、島の若者たちに花の魅力や守り方を教える取り組み。
写真家・杣田美野里さん夫婦が北海道礼文島に移住して24年。妻は61歳の定期検診で肺がんが見つかり、以降は「死を意識したときに輝くもの」というメッセージを込めた写真を撮るようになったそう。その写真集を読んできたという福島在住の高木さん。夫を病気で亡くした経験から、その作品を好むように。高木さん夫妻は夫の余命宣告後に北海道を2週間旅行しており、この経験もあって作品に運命を感じたんだそう。
写真家・杣田美野里さんが移住してきた北海道礼文島。そばの利尻島に住む友人・小杉和樹さんは、渡り鳥のための足場をつけるボランティアを30年続けている。杣田さんと同じ頃にがんの診断を受け、現在も闘病中。同じくがんだった杣田さんとは、共通する悩みを語り合う仲だった。杣田さんが緩和ケア病棟に入った頃、小杉さんへ「投げたバトンは誰か拾う」といった短歌を遺した。
がんで亡くなった写真家・杣田美野里さん。その最後のラジオ番組出演のあと、同じくがんで妻を亡くしたばかりという進藤隆之さんが番組に手紙を寄せた。杣田さんの作品を読み、「妻が思っていたことと同じ」と感じたんだそう。妻の死後、妻も生前に杣田さんの作品を読んでいたと判明したんだそう。


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