Nスタ 特集
師走を迎え、東京・築地はいつにも増して大にぎわい。創業74年の町中華・幸軒。店の自慢は牛骨でダシをとったラーメン。さらにパラパラのチャーハンなど、どれを食べても絶品。70年以上変わらない味を生み出すのは幸軒の3代目・佐藤あや子さん(76歳)。看板商品・しゅうまいは皮で包みきれないほどのたっぷりの餡。佐藤さんの仕込みが始まるのは街が寝静まった午前2時。スープやチャーシューを作った後は自慢のシュウマイ作り。真夜中に働いて50年、全てはお客さんの笑顔のため。午前5時半、オープン30分前にやって来たのは築地で働く常連客。いつもメニューはお任せで常連さんだけの特別メニューが出される。佐藤さんが作る食事は築地で働く男たちの活力となっている。午前9時、常連客に交じって一般のお客さんが増え始めた。全国各地から老若男女がその味を堪能しにやって来る。この日は午後1時の閉店まで佐藤さんはたったの一度も休むことなく働き続けた。そこへ1人の男性が手伝いにやって来た。佐藤さんは去年、夫・幸男さんを亡くしたばかり。店をたった一人で切り盛りしていたところ、それを見かねた常連客が手伝うようになったという。