ひるおび JNN NEWS
大阪の落語家・三代目桂花團治さん。落語で戦争体験を伝える伝戦落語の新作を先月披露した。伝戦落語はこれで4作目。始めたきっかけは、空襲で亡くなった先代への思い。コロナ禍で講演が次々と中止になり、高座に上がれない日が続いた。稽古中に目に入る先代の写真から、落語を通じて、先代の無念を伝えていくべきではないかと考えたという。今回の落語の題材は、太平洋戦争中に、名古屋市の東山動物園で起きた実話。空襲で壊れたおりから逃げるかもしれないなどの理由から、猛獣が次々と殺処分されていったことが語られる。この動物園では、ゾウは助かった。戦後、全国の子供たちが名古屋でゾウを見ることができるよう、国鉄が走らせたゾウ列車は歌になった。落語の発表に先立ち、桂花團治さんは、題材になった歌の作曲家を訪ねた。作曲家の藤村さんは、つらいことだけを合唱にするのではなく、ゾウに会いたいという子どもの夢を実現させる物語だとし、桂花團治さんは、伝戦落語も、しっかりと戦争のことを描きながら、最後は希望が見えるなどと話した。伝戦落語の創作はこれからも続く。
