TBS NEWS (ニュース)
日本で有機農業の取り組み面積は、今1%もないが、国は2050年までに全体の4分の1に拡大する目標を掲げている。カギを握るのはオーガニック給食。東京・港区の公立学校「港区立小中一貫校」で開催されたのは「赤坂学園オーガニックデイ」。農薬や化学肥料を使わない有機米や有機野菜を使った給食が提供された。有機農業はできるだけ環境に配慮した栽培方法で土壌環境や生物の多様性など生態系を守ることにもつながる。有機農産物は一般の作物より少し値段が高くなるため、生産者は切り替えにちゅうちょしがちだが、このように給食という確実に売り先ができれば安心して生産できるという。有機米を作る農家は「薬(農薬)を使わないコメ作りをしたとたんに蛍が出るようになった」と語った。港区はイベントをきっかけに給食での有機農産物の活用を更に進め、環境に配慮した持続可能な農業への理解を深める食育を行っていく方針。
学校給食で有機食品を利用する市町村は増え続けていて、先月8日には「第2回全国オーガニック給食フォーラム」が開かれた。会場となった茨城・常陸大宮市では、市長が選挙で有機農業の推進をうたって当選。地元のJAも覚悟を決めて取り組み、再来年には給食のごはんが全て有機米に切り替えられる予定。JA常陸・秋山豊組合長は「JAは長い間、化学(肥料などを使う)農法に浸っていたが、農法を転換して、決して時代の抵抗勢力にならないよう頑張っていきたい」と語った。国の目標では有機農業を2050年までに今の33倍に。有機農業拡大のカギを握るのは、オーガニック給食だという認識は確実に広まっている。