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小泉農水相は備蓄米の受け付けを一時休止すると発表。横浜市のスーパーでは月に1度の特売日だったが、それでもコメは5キロ4202円だった。買い物客が期待していたのは備蓄米の随意契約によるコメの値下がり。随意契約申請企業は増え続けている。1万トン申し込んだアイリスオーヤマはスピード第一と話し、社長もすぐにGOサインを出し、その後小泉農水相と面会し「6月2日に5キロ2000円で販売する計画」などと話した。随意契約の申請を行ったのは午後2時時点でイオンやサンドラッグなど33社で、計15万7073トン。政府は随意契約で備蓄米30万トンを売り渡す予定のため、既に約半分の申請があったこととなる。さらにLINEヤフーやファミリーマートも随意契約申請をしたことを明らかに。ファミリーマートは来月上旬から1キロ400円で販売予定。
スピード重視で小泉農水相が進める備蓄米戦略。しかし課題の1つがコメの精米。政府からは玄米の状態で提供されるので、精米や袋詰めは業者で行う必要がある。都内コメ卸売業者は「現在複数企業から精米依頼は来ているが、受けるとすると今ある仕事を止めることになり調整が難しい」などと話していた。また備蓄米精米依頼がきているという岐阜県の卸売業者は、スピード販売のためには時間ぎりぎりだと話した。こうした課題について小泉農水相は「日本酒の業界から精米所あいてるよという声が挙がっている。そこのマッチングを農水省も努力することでクリアしたい」などとコメント。
2000円台の備蓄米で他のコメの価格は下がるのか。小泉農水相は「消費者の選択は間違いなく広がる。銘柄米に対しても一定の影響を与えうる」と話す。今後コメ価格は、随意契約の2160円程度の備蓄米、3924円程度の備蓄米を含むブレンド米、4469円のコシヒカリなどの銘柄米と、三極化する見込み。街の人100人にどの価格帯のコメを買うか取材すると、「1歳の娘にあげるので新しい銘柄米がいい」「4000円切っているのがでかいのでブレンド米。古いのはちょっと」「古いお米は美味しくないから銘柄米」「みんなよく食べるから安い備蓄米」「備蓄米ブレンドを食べたが、味の違いは分からなかったので備蓄米を買いたい」などの声が挙がり、備蓄米希望は34人、ブレンド米希望は22人、銘柄米希望は44人という結果だった。またいくらなら銘柄米買いたいと思うかと聞くと「4000円きってくれたら」「3500円以下なら」などと回答があった。
農家はどう受け止めているのか。柏市で50年コメ生産している染谷さんに話をきくと「コメの値段が高くて消費者がコメ離れを起こしてしまう。それが1番困る。しかし5キロ2000円は安すぎるかなと」などと話し、農機具などが高騰する中でのコメ適正価格としては5キロ3000円ほどと回答した。備蓄米の影響で「コメは安いのが当たり前」という感覚が広がり、他のコメ価格への影響を懸念しているという。政府に望むこととしては「農家にも誇りが必要。適切な評価をされることも重要」などと話していた。