飼育員一筋62年 伝説の飼育員の思い

2024年6月14日放送 6:45 - 6:51 NHK総合
NHKニュース おはよう日本 (特集)

山口県宇部市のときわ動物園には、60年以上にわたって動物の飼育一筋に携わってきた“伝説の飼育員”と呼ばれる男性がいる。80歳が迫る今も現場で汗を流す、ベテラン飼育員の思いを取材した。ときわ動物園には、東京ドーム半分ほどの敷地に40種類およそ220匹の動物たちが暮らしている。飼育員の白須道徳さんは来園者に気さくに声をかけ、動物たちの生態や観察のポイントなどを伝えている。白須さんが動物園に勤めたのは昭和37年、中学校を卒業してすぐのことだった。それ以来、62年にわたり一心に動物たちに愛情を注いできた。白須さんがこの世界で注目されるようになったのは、フラミンゴやペリカンの人工ふ化に日本で初めて成功したこと。この功績で、動物園の専門誌から表彰を受けた。定年で退職したあと、77歳になっても動植物管理監として現場で働き続けている。白須さんは動物たちの飼育を通じて、地元にも大きな貢献をしてきた。人工ふ化させたペリカンのカッタ君。人懐っこい性格で、幼稚園に通うとたちまち人気者に。アニメ映画の主人公にもなった。順風満帆な飼育員生活を送っていた白須さんに突然の不幸が襲った。平成23年、園内で飼育されていた鳥から鳥インフルエンザウイルスが検出された。動物園はおよそ1か月間の休園に追い込まれた。この間、感染の拡大を防ぐために、300羽余りの白鳥たちを処分しなければならなくなった。このショックをきっかけに白須さんは、動物の健康や福祉について強く意識するようになる。8年前の動物園のリニューアルでは構想作りに携わり、自然に近い環境を再現した「生息環境展示」という飼育方法を取り入れた。檻の中で動物を展示する方法をやめて、来園者に動物たちが暮らす環境について考えてもらおうというもの。動物たちの餌にもこだわっている。自然の栄養を与えようと、草木の栽培に力を入れてきた。白須さんは動物の世話を若手に任せながら、飼育環境を保つ作業を進めている。動物と向き合って62年。動物たちにとっての幸せを求めて、白須さんはきょうも現場に立つ。白須さんによると動物たちの中には、木々の中に隠れてしまうものや毛の色が緑がかって見つけにくい種類もいる。このため、姿が見えなくてもしばらく待ったり、いろいろと探してみたりすることが動物園を楽しむポイントだという。


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