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医療機関で診察を受ける際に欠かせない健康保険証。来週月曜日からマイナ保険証に本格的に移行する。番組は、マイナ保険証導入が原因で廃業を決めた歯科医院を取材。12月2日で現行の健康保険証の新規発行が終了。マイナンバーカードが健康保険証としても利用できるマイナ保険証に本格的に移行する。しかし、懸念点が。厚生労働省によるとマイナ保険証を登録した人のうち先月の利用率は約16%。今も多くの人が健康保険証を提示していることがわかる。そうした中、マイナ保険証の登録率を増やすため東京・港区が区民に送った書面が物議に。マイナ保険証を利用しなければ保険料が上がるとも取られかねない書面。書面を作った意図について港区国保年金課・平野順一課長は「マイナ保険証の交付をあげて入ってくる交付金が少しでも上がればいいなという趣旨」などと語った。厚生労働省によるとマイナ保険証の登録率、利用率だけで自治体への交付金の金額が決まることはなく、いくつかある指標の1つとして考慮されているという。
マイナ保険証への本格移行の影響は医療機関にも。昨年度、休業や廃業した医療機関は過去最多となる709件(帝国データバンク)。今年度は更なる増加が見込まれる。中にはマイナ保険証の導入が廃業の原因の1つになったところも。埼玉・さいたま市・たつとみ歯科は、現在170人ほどの患者を抱えているにもかかわらず、来年1月めどで廃業を決めた。廃業を決断した一番の原因はマイナ保険証への移行。たつとみ歯科医院・渡邊竜登美院長は「オンラインの資格確認システムにうちの環境がセキュリティーが担保できない」と語った。患者の情報管理に独自のシステムを用いている歯科医院は、マイナ保険証導入のために設備を整え直すには多額の費用がかかるという。国からの補助金はあるが、それでも設備の維持には年間50万円以上の金額がかかってしまうという。渡邊院長は「残念の一言」と述べた。
政府が急ピッチで進めるマイナ保険証導入のメリットについて国立情報学研究所・佐藤一郎教授は「顔写真がついている。電子的に読み取って証明することができる。不正利用を防ぐことが一番大きい」と述べた。問題点も。佐藤教授は「ネットワークを使うことは、電力、通信ネットワークが絶たれた時にマイナンバーカードは保険証として使えなくなる。被保険者資格申立書を書いてもらい、保険に入っていることを信じて医療支払いなどをしてもらうことを通達している」と語った。現行の健康保険証については有効期限が書かれていない場合、来年12月1日まで使用が可能。また健康保険証の有効期限が切れてしまった場合などについては、勤務先や自治体などの医療保険者から交付される資格確認書を提示する必要がある。