クローズアップ現代 感染症に異変!?インフルエンザ“過去最多”の裏で何が
ニューヨークのスーパーマーケットで異変が起きている。卵売り場のカゴが空になっている。原因は全米で流行している鳥インフルエンザ。この3か月で3000万羽を超える鳥が処分され、卵不足が起きている。鳥インフルエンザの感染は鳥以外にも。去年34月以降、16州で乳牛が感染、その数は900件以上。酪農家などヒトへの感染も67件確認。乳牛への感染拡大でヒトへの感染リスクが増加している。今月、アメリカではじめて鳥インフルエンザによる死者出た。基礎疾患のある高齢者だった。本来、鳥インフルエンザは鳥の間でしか感染しないとされてきた。しかし、感染した鳥との接触でヒトなどのほ乳類にも感染するケースが増えている。重症化すると肺炎で呼吸困難となり、多臓器不全に陥ることもある。今後、警戒されているのがヒトからヒトに感染する変異。それが起きれば感染拡大につながる恐れがある。
去年11月、鳥インフルエンザに感染した13歳の少女が病院に運ばれてきた。懸命の治療により一命をとりとめたが、そのウイルスを検査すると新たな変異が起きていた。ウイルスが肺などの細胞に侵入し増殖しやすくなっている可能性があった。これまでのところ、この少女から他のヒトへの感染は確認されたおらず、WHOは一般の人の感染リスクは低いとしている。一方でパンデミックの兆しを把握できないかという取り組みが進んでいる。今月、アメリカで鳥インフルエンザによる死者がはじめて出たルイジアナ州にある大学。野生の動物のウイルス検査を強化することで、自然界での感染状況を把握しようとしている。