2025年1月28日放送 19:30 - 19:57 NHK総合

クローズアップ現代
感染症に異変?! インフルエンザ“過去最多”の裏で何が

出演者
桑子真帆 
(オープニング)
感染症に異変!? インフル 医療現場で何が

全国でインフルエンザが猛威をふるっている。発熱した患者が押し寄せ、救急車や病床のひっ迫が相次いでいる。人工心肺装置ECMOをインフルエンザの子どもに使ったという病院もある。複数の感染症が同時に流行しているクリニックもある。ウイルスの新たなリスクもみえてきた。

キーワード
インフルエンザ
オープニング

オープニング映像。

感染症に異変!?インフルエンザ“過去最多”の裏で何が
感染症に異変!? インフル 医療現場で何が

毎年冬に感染が広がるインフルエンザだが、この年末は1医療機関あたりの感染者数が過去最多を記録した。医療現場を取材するとこの先も油断できない状況がみえてきた。

キーワード
インフルエンザ

川崎市にある聖マリアンナ医科大学病院。1月中旬、インフルエンザのピークを超えたとみられる中でも救急病棟では緊迫感が高まっていた。インフルエンザが重症化した患者がかつてないほど増えていた。60代の女性は年末に感染し、別の病院に入院、肺炎が重症化しこの病院に転院してきた。50代の男性は年始に感染し自宅で療養、容態が悪化し緊急搬送されていた。治療を難しくしてるのが合併症。長期入院が必要な患者が相次ぎ、病床がひっ迫していた。この日、病院は重症患者以外の受け入れを停止した。

キーワード
インフルエンザ川崎(神奈川)聖マリアンナ医科大学病院

インフルエンザの重症化は子どもたちの間でも。兵庫県立こども病院では今月、重症化した子どもの感染患者に人工心肺装置ECMOを使用する異例の事態になった。この冬診察した子どもたちは気管支にたんが詰まりやすく、呼吸がしにくくなるという特徴があるという。インフルエンザ脳症になる患者も多く警戒を続けている。

キーワード
インフルエンザインフルエンザ脳症兵庫県立こども病院

都内のクリニックでは別の異変が起きていた。年末年始に発熱した患者の多くはインフルエンザだった。ところが今、別の感染症の患者が増えている。マイコプラズマ肺炎は1医療機関あたり1.11人で過去最多。ほかにも、リンゴ病や感染性胃腸炎などの流行が重なっているとみられる。感染症の治療につかわれ薬が品薄となっている。

キーワード
いとう王子神谷内科外科クリニックインフルエンザマイコプラズマ肺炎リンゴ病北区(東京)感染性胃腸炎

インフルエンザやマイコプラズマ肺炎など複数の感染症が同時に流行している。石田直さんはコロナ以降、いろんな感染症の流行時期が変わってきている、これまでの常識が通用しなくなってきているという。コロナの間に感染対策が行われたことで、コロナ以外の感染症が減り感染症にかかっていない人の割合が増えて、集団免疫が低下していることが要因だという。インフルエンザもコロナの間は感染者が激減していた。感染者数が増えて集団免疫ができてくれば元にもどる可能性はあるという。子どもたちの脳症も増えていて、早く見つけることが肝心、異常行動があればすぐに医療機関を受診した方がいい。

キーワード
SARSコロナウイルス2インフルエンザマイコプラズマ肺炎倉敷中央病院
鳥インフルエンザ ヒトヒト感染 リスクは

ニューヨークのスーパーマーケットで異変が起きている。卵売り場のカゴが空になっている。原因は全米で流行している鳥インフルエンザ。この3か月で3000万羽を超える鳥が処分され、卵不足が起きている。鳥インフルエンザの感染は鳥以外にも。去年34月以降、16州で乳牛が感染、その数は900件以上。酪農家などヒトへの感染も67件確認。乳牛への感染拡大でヒトへの感染リスクが増加している。今月、アメリカではじめて鳥インフルエンザによる死者出た。基礎疾患のある高齢者だった。本来、鳥インフルエンザは鳥の間でしか感染しないとされてきた。しかし、感染した鳥との接触でヒトなどのほ乳類にも感染するケースが増えている。重症化すると肺炎で呼吸困難となり、多臓器不全に陥ることもある。今後、警戒されているのがヒトからヒトに感染する変異。それが起きれば感染拡大につながる恐れがある。

キーワード
ニューヨーク(アメリカ)鳥インフルエンザウイルス

去年11月、鳥インフルエンザに感染した13歳の少女が病院に運ばれてきた。懸命の治療により一命をとりとめたが、そのウイルスを検査すると新たな変異が起きていた。ウイルスが肺などの細胞に侵入し増殖しやすくなっている可能性があった。これまでのところ、この少女から他のヒトへの感染は確認されたおらず、WHOは一般の人の感染リスクは低いとしている。一方でパンデミックの兆しを把握できないかという取り組みが進んでいる。今月、アメリカで鳥インフルエンザによる死者がはじめて出たルイジアナ州にある大学。野生の動物のウイルス検査を強化することで、自然界での感染状況を把握しようとしている。

キーワード
バンクーバー(カナダ)ブリティッシュコロンビア小児病院ミネソタ大学ルイジアナ州立大学ルイジアナ州(アメリカ)世界保健機関鳥インフルエンザウイルス
鳥インフルエンザ ヒトヒト感染 リスクは/感染症シーズンつづく 今後の流行 備えは

国内の鳥インフルエンザ発生状況は1道13県で確認されている。ヒトへの感染について石田直さんはヒトからヒトへの感染は報告されていないので、今季すぐに流行すること心配しなくてよい、将来新型ウイルスが出たときはパンデミックのような状況になる恐れがあるという。インフルエンザは1月を過ぎるとB型が主流になってくる。日本で現在流行しているのはA型、アメリカでは別のタイプのA型が流行しているという。中国では大型連休が始まった。中国ではヒトメタニューモウイルスが流行している。ヒトメタニューモウイルスは検査法が普及しておらず診断が難しい、ほとんどの人は軽症ですむが基礎疾患のある人などは注意が必要。感染対策のポイントは予防が大事。せきエチケット、マスク着用、手洗い、換気、温度・湿度の管理、ワクチン接種を紹介した。

キーワード
インフルエンザヒトメタニューモウイルス鳥インフルエンザウイルス
感染症シーズンつづく 今後の流行 備えは

今月、重症患者以外の受け入れを一時停止した川崎の病院。救急病棟では通常の受け入れ体制に戻っているがこの冬は警戒を緩めるわけにはいかないという。インフルエンザのB型が今後集団発生してくる可能性があるという。

キーワード
インフルエンザ川崎(神奈川)聖マリアンナ医科大学病院

© 2009-2025 WireAction, Inc. All Rights Reserved.