- 出演者
- 桑子真帆
再び始まったトランプ新政権。トランプ大統領は就任式で「アメリカを再び偉大に」と強調した。偉大なアメリカの実現にむけ物議をかもす発言で世界に揺さぶりをかけている。一方で、ガザの停戦合意成立に影響を与えたともされている。
オープニング映像。
きょう未明、アメリカの第47代大統領に就任したトランプ氏。初日には40を越える大統領令などの文書に署名した。パリ協定からの離脱、WHOからの脱退、前政権の78の大統領令の撤回など政策転換が打ち出された。トランプ氏は「アメリカを再び偉大に」と強調している。
トランプ氏が偉大なアメリカを実現するためのカギの一つとしているのがエネルギー政策。ユタ州に住むフィリップ・ライマンさん。トランプ政権の発足をうけ、生まれ育った州の南東部で石油資源の開発をすすめようとしている。エネルギー価格を引き下げ、企業や市民の負担を軽減させるとしているトランプ氏。気候変動対策を重視してきてバイデン政権の政策を大きく転換し、規制緩和によって化石燃料のい増産を支援するとしている。ライマンさんは自由に資源開発を進められるようになれば、雇用促進や地域振興につながると期待している。さらに、この地域には希少資源のレアアースも豊富に眠っているとされる。中国が生産量の7割を占めるとされるレアアース、トランプ氏の政策転換で国内の生産量が拡大し、アメリカ経済にプ ラスになると期待が高まっている。地元の環境保護団体の幹部ニール・クラークさん。豊かな自然が広がり、希少生物が多いこの地域はバイデン政権下では大部分が国定公園に指定され、開発が禁じられてきた。政策が転換され開発が進むことは将来の世代のためにならないと考え、訴訟の準備をしている。
トランプ氏がかかげる「偉大なアメリカ」は世界の何をもたらすのか?大統領就任式の5日前に発表されたガザ地区の停戦合意。トランプ氏はハマスに対して自らの就任までに人質を解放しなければ、大きな報いを受けると圧力をかけていた。トランプ政権に外交政策の助言をしている元高官のスティーブ・イェイツ 氏は、トランプ氏は平和のために力を利用するという。ウクライナ情勢についてもトランプ氏は早期の停戦を目指すとしている。イェイツ氏は、トランプ氏がプーチン氏と直接やりとりした上でウクライナ側にも譲歩を迫る可能性があるという。中国とはどう向き合うのか?トランプ氏は同盟国と共に強くなることで中国に対抗していくという。トランプ氏は同盟国であるデンマークの自治領グリーンランドをアメリカが所有すべきだと主張。中国に対し、自ら行動するようにという同盟国へのメッセージが込められているという。
トランプ氏が目指す偉大なアメリカについて、横江公美さんは一度大統領をやっているので偉大さが明確になっていると思うという。キーワードの一つは中国、強い国がないとされている、経済的・軍事力・技術者力で世界1位になりレーガン時代をこえるとしている。横江さんはトランプ氏はすべての力を強くして、この国に反対しても意味がないとしてそれを平和につなげたいとしていると話す。トランプ氏は同盟国カナダの輸入品に25%の関税を課すことを検討している、一律関税は準備ができていないとした。横江さんは同盟国だからといってこれは許されるものではないとした。
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トランプ氏が力を入れている不法移民対策。大規模な送還作戦を行うとしている。トランプ氏が当選した去年11月、テキサス州政府は州が購入した土地をトランプ政権に提供することを提案し、不法移民を強制送還するための収容施設に利用してほしいと申し出た。メキシコとの国境の町ではバイデン政権下で不法移民が急増したとして、不満が強まっていた。世論調査ではテキサス州の有権者の7割以上がトランプ政権は不法に滞在している移民の強制送還を優先すべきとしている。一方、法的な手続きをせずに入国した人たちの間では不安が広がっている。こうした政策がすすめばアメリカの国力が損なわれるという声もある。労働者の4分の1以上が外国生まれだとされる建設業界。労働者団体の代表は移民の力はアメリカにとって欠かせないという。
偉大なアメリカをかかげ、強い姿勢を打ち出すトランプ氏。今アメリカではそれを批判することが難しくなるのではないかという懸念が強まっている。トランプ政権ではイーロン・マスク氏が要職に、これまでトランプ氏と距離を置いてきた巨大IT企業のトップも続々と接近。メタは今月、第三者によるファクトチェック廃止を発表した。SNSでの投稿の管理に批判的なトランプ氏の就任を踏まえた動きだとされている。外交問題評議会のチャールズ・カプチャン氏はアメリカの民主主義を危機に陥れる動きだと指摘する。
トランプ氏の就任式前後で各地でトランプ大統領に抗議するデモが行われたが、ワシントンで50万人が集まったとされる1期目の就任時と比べるとその規模は小さかった。背景には今回の選挙で示された民意があある。アメリカの力が相対的に低下し、内向き化が加速する中でトランプ大統領は有権者を抱えこみながら激戦州で勝利し、当選した。これまでトランプ氏とは距離を置いてきたトップたちを含めトランプシフトとも受け止められる動きにリベラル層の危機感は高まっている。
横江公美さんはトランプ氏に反対する人は多く分断化を心配する人もいるが、今回の就任式でたくさんでた大統領令をみるとしっかりと準備していたことが分かる、IT企業のトップが並んでいることはトランプ氏は任期を終える4年後も続いていくとみているからだとも言えると話した。
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トランプ新政権、人々はどんな思いで見つめるのか…街の人たちの声を紹介した。