2025年1月8日放送 19:30 - 19:57 NHK総合

クローズアップ現代
アマゾンで10年ぶり出現 未知の人々“イゾラド”

出演者
桑子真帆 
(オープニング)
アマゾンで10年ぶり出現 未知の人々“イゾラド”

森から現れた裸の人々、その名はイゾラド。去年6月、10年ぶりに南米アマゾンの奥地で確認された。なぜ今、姿を現したのか世界中に驚きが広がっている。彼らは何者なのか?アマゾンの森の奥へ向かった。

キーワード
イゾラド
オープニング

オープニング映像。

アマゾンで10年ぶり出現 未知の人々“イゾラド”
アマゾン奥地で出現 未知の人々“イゾラド”

アマゾンの森の中にいるのがイゾラド。隔絶された人々という意味をもち、様々な部族が暮らしてきた。四半世紀に渡り現地で取材し、映像を記録してきた。しかし、多くの部族が絶滅した可能性が高く、2014年のペルーでの撮影を最後に姿を確認することができなかった。そのイゾラドが去年現れたのが、10年前とおなじペルーの源流域の森だった。去年11月、特別な許可を得てイゾラドが現れたという集落を訪れた。30年ほど前まで集落は一つもなかった源流域。この深い森でイゾラドは自給自足の生活を続けてきた。現地ではマシュコピーロ、凶暴で野蛮な人間と呼ばれている。一方で病原菌に対して免疫がなく、外部との不用意な接触で多くの部族が絶滅したとみられる。今どのぐらいの部族が存在するのかは不明。ペルー政府はイゾラドが暮らす森を保護区域にし、外部の人間が立ち入ることを厳しく制限している。川を遡って2日、目的地が見えてきた。イゾラドの保護地域に最も近い集落。ここに暮らすウィルソン・セバスチャンは保護区域への侵入者を監視する政府の保護官。集落の対岸にイゾラドが現れた。去年6月、集団で姿を表したのを集落の人が撮影した。話す言葉の一部も通じたという。10年前にもイゾラドが突如現れたこの集落。人々は敵ではないことを知らすためにバナナを贈っていた。この時、集落で使われる言葉の一部が共通していることも分かった。あれから10年、今回も再びバナナを贈り、会話を試みた。やり取りを続けこと5時間、イゾラドは森へと戻っていった。その4か月後、女性や子どもは集落から避難せざるを得なくなった。

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イゾラドペルー

2024年、10月21日。イゾラドは狩猟用という弓矢を持っていた。バナナを渡すと、おどけた様子をみせる。ところが、イゾラドが立ち去ったあと、集落で飼われていた犬の死体が見つかった。釣りに出かけて不在だった男性は森に戻るイゾラドに遭遇し、矢を撃ってきたという。10月24日、今度は80人で現れたイゾラド。10年前より攻撃的になっていたという。10年前の映像では、イゾラドはこちらを警戒せずに丸腰で近づいてきた。今回、その様子は一変。3回目の接触のあと、保護官に矢を放ち重傷を負わせた。この出来事を境に女性や子どもたちは緊急避難を余儀なくされた。イゾラドは姿を見せなくなった。なぜ矢を放ったのか?映像を確認してみる。イゾラドは「森の中の服を着た人が悪い」と何度も言っていた。保護官が撃たれた場所に向かった。森にはいたるところにイゾラドが切ったとみられる無数の枝があった。イゾラドの住まいとみられる50近く見つかった。住まいには必ずあるはずの食べた動物の骨が見当たらない。残っていたのは亀の甲羅だけ。十分な獲物が得られなくなっているのかもしれない。原因と考えられるのは去年アマゾンを襲った干ばつ。さらに、イゾラドが口にした悪い人につながるものも見つかった。鍋の持ち主は森を伐採する業者だという。揃いの作業着で保護区域の中で違法な伐採を繰り返したとみられる業者。木材の出どころを隠し、海外に輸出したという。去年、保護区域の外にイゾラドの痕跡が相次いで見つかり、それは国境を越えたブラジルにも。アクレ州では民間にイゾラドが侵入し食糧を持ち去ったとみられる。 伐採業者の野営地で2人の作業員が遺体で発見された。それ以前にイゾラドが業者に銃殺されたことへの報復だったとみられる。10年ぶりに姿を現したイゾラドは警戒心をあらわにするようになっていた。

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アクレ州(ブラジル)イゾラドペルー

集落の周りに広がる森にカメラを設置した。イゾラドが確認されれば、森に入ることを一時的に禁止するため。さらに、イゾラドが切ったと思われる枝の周りを切りはらう。イゾラが不意に集落に迷い込むことを防ごうとしている。

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イゾラドペルー

取材をした菅井カメラマンは、攻撃的になったしまったイゾラドのついて境界線を引かなければならない状況、10年前は感情を読み取ってくれていたという。漫画家のヤマザキマリさんは価値観や社会構成は私たちがわからないことは山程あるので理解しようとしても無理、互いの違い・境界線があっても認識しあわなければならないとした。

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イゾラド
未知の人々“イゾラド” “共存”への道は?

緊急避難から1か月、女性や子どもたちが集落に帰ってきた。違いを尊重しながら、共存していくために、保護官のウィルソン・セバスチャンは少しずつ対話する根気が必要、いつか理解してくれると信じていると話した。

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イゾラド

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