- 出演者
- 桑子真帆 赤木野々花
元日の能登半島を襲った大地震。その8か月後には記録的な豪雨。地震で避難した人が再び被災する深刻な事態が起きていた。経済では日経平均株価がバブル期超えの史上最高値を更新。最低賃金は過去最大の引き上げが行われた。衆議院選挙では与党が15年ぶりの過半数割れ。羽田空港での航空機同士の衝突事故。身近なサプリメントによる健康被害にも不安が広がった。スポーツ界からは明るい話題も(大谷翔平、パリオリンピック・北口榛花)。一段と混乱を深める国際情勢(ウクライナ、ガザ)。再びトランプ氏を選んだ米国の行方を世界が固唾を飲んで見守っている。
2024年の1年間で放送したのは112回。来年の世界や日本はどこに向かっていくのか、その行方を探る上で最初にアメリカに注目。今年史上最高値を記録した日本の株価円安の進行、物価高、イスラエル・パレスチナ情勢やウクライナ情勢。これらの動向を左右するのが先月の大統領選挙で当選を果たしたトランプ氏。
クリスマスシーズンを迎えた首都ワシントンでは来月行われるトランプ氏の就任式の準備が進められていた。ホワイトハウスの近くにある店では1番目立つところに就任を祝う記念グッズが並べられていた。当選直後から次々と政策転換を打ち出しているトランプ氏。中国、カナダなどからの輸入品にも追加の関税をかける意向を示し、早速、交渉のカードにしている。政府の主要ポストにはイーロンマスク氏の起用を発表。政治経験にこだわらない思い切った人選が注目されている。かつて番組で取材した人たちの受け止め。トランプ氏に投票したジャレッド・ペレーズ氏に話を聞く。トランプ氏の掲げる不法移民対策。大規模な送還作戦を行うための非常事態宣言の発令も示唆している。ペレーズ氏の住む街では人口のおよそ7割が中南米にルーツを持つヒスパニック。トランプ次期政権下で不寛容な価値観が広まるのではないかと危機感を抱く人もいた。ソーエン・マコーミック氏は「怖い。これまでの政策と真逆のことが行われると思うから」などコメント。トランプ氏は事実上の公約の中で性的マイノリティの権利の擁護に否定的な姿勢を示している。また、マコーミック氏は「次の政権下ではさらに分断が進むだろう、政治的に対立する相手とは仕事を一緒にできなくなったり、ランチに行けなくなったりするかもしれない」などコメント。銃撃事件まで起きた異例の選挙戦。バイデン氏が撤退したあとハリス氏の追い上げもあったが、トランプ氏が激戦州のすべてを制し勝利。
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アメリカ国民の期待を背負うトランプ氏、世界や日本への影響はどのようなものになるのか。ケネス・ワインスタイン氏に話を聞く。4年前までと比較してなにか違いは政策にあらわれているかとの質問にワインスタイン氏は「今回は達成したいことがより明確。トランプ氏の政策のアイデアを発展させ熟考する幹部たちもこれまでに加わっている、次期政権はより政策を推し進めるだろう」などコメント。トランプ氏はイスラエルのガザ侵攻、ロシアによるウクライナ侵攻をどう終結させるのか注目されている。ワインスタイン氏は「最初の数ヶ月で重点を置くのはロシアが真剣にウクライナと交渉するよう圧力をかけていくこと」などコメント。日米関係に精通しているワインスタイン氏、トランプ政権が日本に関税を課す可能性などについては「中国と日本は全く異なる扱いになる。中国はアメリカにとっての脅威。どの同盟国よりもはるかに厳しい60%や100%の関税を課すという話もある。一方、日本に求めるのは関税の平等。日米が相互に課す関税を同等にしようと圧力をかける」などコメント。また、石破首相との関係についてワインスタイン氏は「石破氏との関係は安倍氏とは同じにならないことを理解すべき。あの2人の関係性は並外れたもので100年に1度のものだった。それでも石破氏とトランプ氏が協力できることは多くある2人とも地方の有権者を好み、非主流派だと考えている。(これからのアメリカ、世界についての展望は)次期政権には大胆なアイデアがある。アメリカの歴史における新時代、そして日米協力の重要な局面を迎える」などコメント。
現地での取材では、トランプ氏への期待と不安の両方の声があった。中林美恵子は1期目と比べて違いが出てくるかを聞かれると、かなり出てくるのではないかなどと答えた。人事については、スコット・ベッセント氏のようにバランスのとれる人を財務長官に選び、きちんとしている部分は抑えているなどと話した。ウクライナ情勢についてトランプ氏は選挙期間中、24時間以内に終わらせると発言したが、今月にはウクライナへの軍事支援を継続する意向だとも伝えられている。中林美恵子はトランプ外交のキーワードとして、状況対応型外交だと挙げた。中林美恵子は、日米両国の利害が結びつくところを掲げて打ち出していくところにチャンスもあるのではないかなどとコメントした。
このクリスマスケーキは、去年より10%値上げをしての販売となった。ケーキの値上げに踏み切ったのは、原材料価格の高騰が要因。チョコレートは約3倍に値上がりした。箱代も10%値上がりしたという。給料も少しずつ上げているため、人件費も年々増加している。こちらの店では価格転嫁できていない部分は、売り上げる数を増やすことによって利益を確保しようとしている。SNSの投稿に力を入れて商品の魅力を発信しているという。
みずほ証券チーフエコノミスト小林俊介さんと伝える。物価高について小林さんは「非常に残念なことだがまだ今後も続いていく可能性が高い。現状振り返るとトリプルパンチが続いている状況。1に世界的な値上げが続き、加えて円安が拍車をかけて国内では人手不足で賃金も上がるが需要に供給が追いつかず品薄で値上がりしやすい。品薄で輸入円するとを売るため円安が進む」などと解説した。今年番組では物価高などに加え物流2024年問題やマンション高騰、女性の年金問題など暮らしや経済に関わる課題を取り上げてきた。一方好調だったのは今年史上最高値を更新した株価。
日経平均株価がバブル期を超え最高値を更新した2月、証券会社には注文が相次いで寄せられていた。当時株投資を始めた女性たちを取材、今年税制を優遇するNISAが拡大、株式など有価証券を浮遊する個人の割合は24.1%と過去最高になった。今月女性らの元を訪れると今年を振り返る勉強会が開かれていた。日経平均は2月にバブル期につけた最高値を更新、7月に史上最高値を更新した。8月3日間で7000円を超える記録的な下落に見舞われた背景の1つとして指摘されているのが今年17年ぶりに利上げに踏み切った日銀の金融政策。その後株価は持ち直し現在はおよそ4万円に近い水準まで回復している。今年好調だった日本の株式市場の背景にあるのが海外の投資家の存在。2月には投資の神様とも呼ばれるウォーレン・バフェット氏が日本の大手商社5社の株を買い増したことがニュースになった。日本企業に占める外国人投資家の割合は3割を超え、過去最高を更新した。外資系資産運用会社を取材、日本企業のさらなる株価上昇を目指し投資先の企業との対話を積極的に試みていて「必ず双方向の対話を心がけてる」とした。大手リース会社の社長との面会では海外投資家が重視する気候変動対策や多様な人材登用を進めながらどう収益を上げていくか話し合い、航空機リースの会社の脱炭素を見据えた今後の戦略を説明した。運用会社側は多様な人材登用についての取り組みとして女性比率を増やすことが重要とし投資家からの指摘や提案に向き合っていくことが投資を呼び込むカギになっているという。
一方今年は日本企業に対する海外からの買収提案が相次いだ。企業が経営の合理化を迫られるケースも出ている。市民生活に思わぬ影響も及び始めている。千葉県佐倉市にあるDIC川村記念美術館はモネやルノワールの名画など750点あまりの作品を所蔵、設立から34年、国内のみならず海外の美術ファンからも人気を集めているが、今年8月突如休館を発表した。休館の発表の背後にあったのが投資家の存在、美術館を運営する大手化学メーカーが発表した報告書で毎年数億円規模の赤字が出る中で運営について投資家から意見が出ていたことが明らかになった。地元の佐倉市は存続を求める署名活動を実施、6万近い署名が集まった。運営する企業は年内にも今後の方針を公表するとしている。
アメリカを取材したVTR内で「指名」が「指命」になっていたと謝罪した。
日本企業に対する買収、買収提案をめぐる動きが相次いだ。セブン&アイHDに対する買収提案、富士ソフトに対する買収提案など。フェニックスリゾートの買収、常磐興産の買収の見通し、インフォコムの買収も。みずほ証券チーフエコノミストの小林俊介さんは、。日本企業が投資先として魅力的であるということが大前提ではあるが、そこに加えて漁夫の利のような追い風も加わったとみられる。アジアの中で、中国が不調なので日本に白羽の矢が立った。恩恵を感じられない人は多い。株価と我々の生活がトレードオフになっているところすらある。粗利益をどこに使うかは企業が決める。賃上げには使っていない。過去3年間、賃上げ率は物価の上昇率に勝てていない。企業の中に残る利益あるいは株主への還元の分配のほうが増えてしまっている。ことしの春闘では33年ぶりに賃上げ率が5%を超える高い水準となったが、実質賃金はマイナスが続いている。どうすればいいのか?賃上げの機運を強め続けることが必要となる。去年、一昨年のマイナスを取り戻せていない。未曾有の人手不足。交渉する、高い賃金への転職などが方法だ。企業にとっては他人事ではない。選ばれる企業でなくてはいけない。来年の日本経済の展望のキーワード「病み上がりから回復 へ」。去年はコロナ禍からの病み上がりだった。過渡期こそが2025年となる。
街ゆく人に聞いた2024年の印象。暑すぎたなどの声。夏の平均気温過去最高。熱中症で搬送9万7000人と過去最多。大谷翔平が前人未踏の50−50達成。パリオリンピックの新競技ブレイキン。核廃絶を訴えてきた日本被団協がノーベル平和賞受賞。2024WEB記事ランキングを紹介する。1位は劇症型溶連菌。2位は強硬イスラエル世論ガザ住民が語る絶望。3位は化学物質“PFAS、4位は蚊の新たな脅威、この夏どう身を守るか。画面左上のQRコードから見ることができる。記事にはコメントが寄せられた。女性の年金は男性より低い。老後の不安などの声も。ミッドライフクライシスなども。人生の曲がり角をどう生きるのか。官僚が長時間労働を強いられている問題。日本の中枢で何が起きているのか。
今年も多くの災害や事件、事故が起こった。元日の能登半島地震に始まり、キャッシュレスや投資詐欺、初めて発出された南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)。日本文学研究者・ロバート・キャンベルさんは、元日から大変なことが次々に起きたという。地震や戦争を経験した人の声を拾うことを今大切にしているという。能登半島地震から見えてきた課題とは。
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輪島塗箸職人の鮓井辰也さんは「自身から1年経ったなどの感覚はない。地震直後の感情がそのまま残っている」などと話した。キャンベルさんは能登の伝統産業の現状について被災した人から聞き取り調査を行っているとのこと。キャンベルさんは「構築された支援制度の時間の流れが能登の人々が感じる時間に追いついていないように思える。もっと個々の現状に寄り添った細やかな体制を構築すべき」などと話した。集落の存続については「街が復旧して経済が回って初めて集落の活路が開ける。来年の動きに注目したい」などと話した。そして今後必要なことについて「戦争や災害で苦労している人の声を聞き取り、アーカイブとして残して活用していくことが大事」などと話した。
今日の放送を最初から見るためのQRコードを紹介した。新年最初の「クローズアップ現代」は1月6日放送とのこと。
街の人々の「2025年への願い」を紹介。「世界、日本全てがいい年になればいいなと思います」、「戦争が始まらなければいいなと思う」、「どの年齢層にも過ごしやすい1年になったらいいなと思う」などの声が寄せられた。