50年間ありがとう!くいしん坊!万才 くいしん坊!万才 50周年&最終回SP
今年7月、ATP賞テレビグランプリでグルメ番組の礎となった功績が称えられ特別賞を受賞した「くいしん坊!万才」。番組が始まったのは、大阪万博で幕を開けた1970年代。街角にはファストフードやファミリーレストランが登場。日本の食生活が大きく変わり始めた。そんな時代に、故郷や家庭の味を見直そうと始まったのが「くいしん坊!万才」。初代は、食通として知られた俳優・渡辺文雄。今では秋田県の郷土料理として知られるきりたんぽ鍋だが、50年前は食通の渡辺さんでも知らなかった。グルメ番組といえば、料理を美味しそうに撮る通称「シズルカット」に工夫を凝らすが、放送開始当初はなかなか料理の映像が出てこず1カットだけ。2代目の竜崎勝の時代に、料理撮影の演出に革命が。その画期的な手法が「箸入れ」と呼ばれるカット。食べる人の目線で撮影するこの手法は、のちのグルメ番組の定番となった。50年前の料理撮影が1カットだけだったのは、番組の放送時間がCMを除くと2分半で、当時はビデオカメラではなくフィルムで撮影していたため。フィルム1本で撮影できるのが3分だったということで、本編2分30秒で撮影し、残り30秒で料理撮影していた。フィルムのカメラはかなり大きかったので、当時家庭の狭い台所にカメラが入って撮る映像は画期的だったという。
