ニュースウオッチ9 (ニュース)
農林水産省はきょう、8品目の野菜の平均価格を発表。スーパーなどで販売される価格は、平年と比べてキャベツは約3.2倍。1キロ当たり534円の高値。鍋などに欠かせないはくさいも高く、平年の約2.1倍。レタスが平年の約1.8倍などと、すべての品目で平年を上回っている。特に値上がり幅が大きいキャベツの価格の推移。去年11月以降、平年の2倍以上の高値が続いている。神奈川・平塚市にある青果店。キャベツ1玉400円という価格は、去年の同じ時期に比べると約2倍。青果店・高橋陽介さんは「今までやっていて初めて。レタスが高くなるとサニーレタス、きゅうりの方がかいやすいからきゅうりへ。変化はものすごくある」と語った。
キャベツが欠かせない料理が売りの飲食店では、価格の高騰に苦悩が続いている。9割以上の客が頼むという看板料理が、4つの店舗で計1日1200個ほど注文があるというロールキャベツ。キャベツの高値が直撃。飲食店・鈴木祥祐社長は「正直、売れば売るほど大変になっていく状況」と語った。この店では、キャベツなどの原材料の高騰で、去年10月、ロールキャベツが2個入った人気メニューを100円値上げ。ただそれでも追いついていない。鈴木社長は「値段見ると高級食材に入っているような。肉と一緒の値段になっている」と語った。さらに生育が悪いキャベツが多く、ふだんは1玉でロールキャベツ10個ほどが作れるが、最近は6個しか作れず、今後さらなる値上げもせざるをえないと考えている。鈴木社長は「いろいろ模索しながらいまはがんばっていきたい」と語った。
生産現場では何が起きているのか。全国3位のキャベツ出荷量を誇る千葉県。千葉・銚子市のこちらの農家では、生産量は例年より少なくなっているという。原因の1つと考えられるのが雨の量。去年の秋ごろ、銚子市では平年と比べ雨が多くなった。植え込みの時期と重なり、根づきにくかったという。12月は一転、降水量は僅か3ミリ。統計を開始した1887年以降、12月としては過去最少となった。農家・山口高由さんは「露地物なので気象条件には左右される」と語った。
専門家は「1~2か月すれば供給が増えてくるので安定すると思う」とした。ただ、生鮮野菜は去年1年間を通して見ても前年より値上がりしている。去年1年間の消費者物価指数(速報値)では東京23区で前年より9.8%値上がりした。専門家は「長期的には高温化に対応した種を作る、生産地を増やしてリスク分散するなどの対応が求められる」とした。