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関税政策を次々と打ち出すアメリカ・トランプ政権に政策提言を行う一人でアメリカンコンパスチーフエコノミスト・オレンキャス。ハーバード大学卒で保守派のエコノミストとして知られる。オレンキャスは「アメリカがやりたいことは世界経済を支配することではなくバランスが欲しいだけ」という。トランプ政権が関税にこだわるのは巨額の貿易赤字が理由の一つ。去年1年間のアメリカの貿易赤字は1兆2117億ドル(181兆円)と過去最大だった。トランプ大統領はこれを問題視し関税を引き上げて赤字縮小を目指している。オレンキャスは「アメリカは輸入超過という深刻な不均衡に陥っている。だから関税で価格を調整する。全ての国が自国の産業を発展させられるシステムを望んでおり、他の国がアメリカにモノを売って発展するようなシステムではない」という。さらに関税政策は国内経済を支えるという目的もあるという。輸入車に関税がかかるとアメリカ産の車が買われてアメリカ国内の生産が活性化し雇用も生まれるとしている。製造業の活性化を目指す背景にはアメリカの労働者層の厳しい状況がある。オレンキャスは「典型的なアメリカ人が家族を支え子どもたちにいい生活を提供できる経済になってほしい。アメリカにとっての利益は日本を含むほかの国が望むモノとは異なると認識することが大事」と話す。