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日本が度重なる災害を経て培ってきた教訓や経験。これは今世界各地に広がっている。その役割の一旦を担ってきたのが神戸市にある人と防災未来センターだ。震災を追体験できる場所や復興に関する膨大な記録があり、災害や防災について考え学ぶことができるようになっている。こうした日本の防災の知見が生かされているのがトルコだ。トルコでは1999年、トルコ西部で地震が発生し1万7000人以上が死亡した。2011年にはトルコ東部で地震が発生し600人以上が死亡した。トルコ西部の都市・ブルサ。12年前にトルコ政府が設置した防災教育の拠点・ブルサ防災館がある。神戸の「人と防災未来センター」を参考に設置された。この日は地元の子ども達が授業の一環として訪れていた。館内ではトルコで過去に起きた地震で被災した街が再現されている。地震を追体験することで防災意識を高めてもらう狙いがある。さらに大地震の揺れを体験できるほか身近な物を使った救護なども学べる。アブドゥッラーイイト館長は各地の災害現場で救助活動などにあたってきた。11年前神戸で研修を受けて日本の防災を学んだ。神戸の語り部の力に圧倒されたイイトは災害対応の経験をトルコの将来に生かすためイイトは語り続ける。おととしの地震で甚大な被害を受けたカフラマンマラシュでは被災した街を復興させてきた日本の経験が役立てられようとしている。被災地の復興を任されている県知事のムケルレムウンルエルは20年前に神戸で研修を受けた。地震前よりも災害に強い街に生まれ変わらせることを目指している。JICAの支援で作られた復興計画には「ビルドバックベター」という基本方針が書かれている。これは地震前よりも強い街に作り替え新たな災害に備えるという考え方で神戸や東北の復興の考え方にも取り入れられてきた。JICAによると去年までの10年間で126の国と地域から約4500人の行政関係者が日本で研修を受けた。日本には様々な災害の知見があるので必要なものを選び学ぶことができる。