- 出演者
- 鈴木奈穂子 博多大吉(博多華丸・大吉) 博多華丸(博多華丸・大吉) マキタスポーツ 福田麻貴(3時のヒロイン)
岡山の住宅街のお宅台所。コンロ下は扉が外され、すぐに鍋が取り出せる。鎌谷実玲さん25歳は子どもの頃から長い時間を過ごしたおばあちゃんの台所。半年前に1人暮らしのおばあちゃんが入院し、持ち主が不在。祖母はこの台所で近くに住む4世帯分のご飯を作ってきた。実玲さんは3年前から奈良県で暮らしていて、祖母は実玲さんの台所でも料理をしたことがある。慣れない仕事で体調を崩したとき、祖母は1人電車を乗り継いで幾度となく奈良に来てくれた。岡山に帰る日には、必ず好物の長芋のすまし汁と一緒に手紙が添えられていた。祖母が倒れてから、自分でも作れるように練習しているが思った味にならない。祖母の台所には毎日誰かが訪れて整えている。2月末、半年の入院を経て退院した。実玲さんは祖母の近くで暮らしたいと夫婦で故郷の岡山へ。入院前と同じようにこの家でみんなで食べる。変わった点は、祖母の指示で作るようになったこと。きょうも10人分以上を作る。実玲さんも岡山に戻ってから、長芋をふわふわにする方法がわかった。
マキタスポーツさんはVTRの家族について、愛情の連鎖が素晴らしいと話した。きょうは大リーグ中継のため8時50分までの放送。
千葉県の海沿いのマンション11階の台所を紹介。ガス代もシンクもピカピカに磨かれている。佐野文子さん67歳は、亡くなった両親のマンションに2年前から引っ越し一人暮らしをしている。退職前は動物の病気を研究する大学教授だった。10年間で自分のための休みは3日間だけ。アイデア、ひらめきが突然降りてくるのが楽しかったそう。21歳の青年が一瞬にして自分のもつ三十数年の知識などをAIを使って半年で追い越していき、役目が終わったと思い、定年まで4か月残した64歳で退職した。現在、千葉で自身の経歴を語ることはない。父とよくいった潮干狩りに行き、貝を使て父のよく作ってくれたアサリの刺し連をつくる。獣医師の仲間が遊びに来ることもある。佐野さんは「戻ってきて幸せ。ストレスないもんね」と話す。
福田さんはVTRの佐野さんについて、「めちゃめちゃいい人生。かっこいいですよね。地元に戻ってからも活力がずっとあってそれが今料理に注がれている感じがして、こういう女性になりたい」などと話した。
50代女性の2人暮らしの台所を紹介。シンクは2つ。須田きくみは去年都会から実家の近くに引っ越し、家の前には小さな畑があり、朝起きたら畑仕事をするのが日課。パートナーの田畑葉子さんは建築士。台所の設計にも関わった。きくみさんは大家族で育ち、賑やかな時間が好きで自分もそんな家庭を持ちたかった。ところが、中学1年性のときに女性に初恋し、誰にも言えない中で摂食障害を発症した。試しに男性と付き合うも摂食障害が悪化した。社会人になったあと、周囲に打ち明けると「気持ち悪い」などと言われ口を利いてくれない人もいた。その後、38歳で葉子さんと出会い、一緒に暮らすようになって17年。きくみさんは、葉子さんと住み始めたら毎日がバケーションのように楽しくなったと語る。ご近所さんが畑でとれた作物をもらったりもして、ここに迎え入れられていると感じている。かつては否定していた両親も最終的に認めてくれて、2人の結婚式に出てくれた。いつも台所には2人で一緒に立つ。この日は豚の生姜焼きなど7品を作った。
マキタスポーツさんはきくみさんのVTRについて、「腹くくったっておっしゃってましたよね。ああいう瞬間から人生が変わったっていうことを清々しく話されているのがすごく印象的」と話し、そういう瞬間しか幸せは訪れないのかなと思うとした。エッセイスト・大平一枝さんは、きくみさんの台所について、「きくみさんはきょう1日ここに立てることとか大好きな人と作れることを感謝してるんだろうなっていうふうにあの7品から思いました」と話し、台所はこころを養う場所でもあると思ったとまとめた。
