- 出演者
- 若林正恭(オードリー) 溝渕利明 中妻啓 小林牧子
大阪市で24年に老朽化した水道管が破裂。そして去年には埼玉県八潮市で道路が陥没した事故も発生した。その現場は舗装されているが、4月になって一部道路は通れるようにはなったが、完全復旧の見通しは先だという。こうした下水道管の老朽化による道路の陥没は1年間で2600件に及ぶ。多くの社会インフラが50年以上前の高度経済成長期に作られたことが背景にある。また石油プラントや金属加工工場でも急増しているのは事故。石油コンビナートなどでの事故は397件で、原因の4割が老朽化。
オープニング映像。
熊本県熊本市にある住宅街の一角にあるオフィスは2019年に創業したCASTは社員15人の熊本大学発のベンチャー起業。社長は中妻啓。開発したのは1.5センチの小さなモノ。これが業界に革命を起こすと言われる超音波センサー。うすさは1ミリと老朽化問題に直面する工場での活用が期待される。配管にセンサーを取り付けるという。配管内部の減肉は長年にわたりガスや液体が通ることで配管の内側が腐食し、放置すれば穴が開き、大事故に。減肉の検査が必要だが工場の配管は温度が400度を超えることもあり、検査のたびに点検時はシステムを停止させる必要がある。そんな中誕生したのはCASTは超音波センサー。この超音波センサーの開発に欠かせない人物が熊本大学に。長妻と一緒に会社を立ち上げ、技術顧問をする小林牧子教授。彼女が目をつけたのはセンサーに使用される材料の性質。減肉の課題を突破する技術で、スタジオではその減肉について話題が出た。その影響で死亡事故もおきているが、法政大学の溝渕は、その対策にはまずは人とお金が必要だと答えた。また、技術の継承についても若い人がやりたがらないと答えたが、その点検現場は過酷を極めるという。
センサーの秘密に中妻は耐熱性と、曲がった場所に取り付けられる柔らかさがあるという。また配管が熱くなる問題については石油プラントや科学工場では300℃から400℃にもなるという。また熱さに耐えられる理由には、圧電セラミックという機能性があり、通常は温度差に弱く、急激に温度が変化しても割れない特別な作り方をしていると答えた。そのポイントは液体状の材料から個体を作り出す液相法を使用しているが、ゾルゲル液の調合を工夫しているという。ゾルゲル液はセラミックの薄膜を作るための有機金属化合物などを混ぜた溶液のことで、一般的なゾルゲル液でできるのは固いセラミックの膜。一方でCASTのソルゲル液は柔らかいセラミックの膜を作るのに成功した。その配合を長年研究してきたのが小林。しかし薄い膜しかできなかったために、独自のゾルゲル液に、セラミックの粉を混ぜて焼くことで、膜を厚くできた。それにより製造コストが抑えられ、量産が可能に。中妻は粉と液をよくかき混ぜたあとにスプレーを使って自動車の塗装をするように膜を作っていくと答えたが、スプレーのように霧のように細かくつけると、温度や急激に変わっても壊れにくい、曲げても壊れにくい性能を実現できるという。オーブンで焼き上げると隙間ができ、スポンジ構造が収縮や温度変化を吸収するので壊れずに使えるという。
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焼き上げたセラミックの膜に電気を加えると、超音波を発するセンサーが完成。小林はカナダの大学で博士号を取得しそのまま現地に残り、国立研究機構で8年間セラミックの膜を作ることに没頭していたという。小林はその当時はエアブラシで作っていたが、予算がなかったためだという。その後帰国し他の人にやらせてみると性能が違い、そのスプレーの仕方によって性能が変わってくることがわかったという。そこで皆が80点のものを作れるようにしようと目標をたてたという。更にスタジオでは超音波センサーの取り付け方を紹介。一回配管につけてしまえばその厚みがわかるようになるという。また耐久年数については最長で4年以上。現在CASTのセンサーは、石油・化学メーカーなど5箇所で導入されている。導入している会社では遠隔で検査ができるため点検作業の効率化、コストの削減が可能になるという。
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中妻は配管にはガスなどが通るが、超音波センサーはその配管の外側に貼り付けるという。センサーから電気信号で超音波を出せという指令を与えるが、超音波が流れると配管と配管の内側のガスや液体の境目に到達すると超音波が跳ね返って戻ってくる。減肉が進んでいるとなると、厚みが減るために超音波が戻ってくる時間が短くなった分、減肉が進んだと判断ができるという。
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高さ30mの場所で行われる送電線の点検現場。危険が伴う現場で進んでいるのはドローン。送電線の位置をあらかじめプログラミングしておけば自動飛行している。遠隔で点検がか可能だという。気になるポイントで停止ができ、細かい異常も発見できる。さらに住宅の床下などの狭い空間を点検できるドローンは縦横18.5センチ。操縦はAIによるアシストで専門の技術も必要ない。トンネルや建物の隙間などの狭い場所で運用されている。また中央大学発のベンチャーSoLARISが開発したのはsooha。ミミズ型の管内走行ロボットで、人の手が入らない管の中を独特の動きで進んでいく。90度に曲がった配管も難なく通過できる。ゴムでできた人口筋肉という部分に空気を入れて膨らんだり縮んだりを交互に繰り返し、細い配管の中を進むことができる。本体に取り付けてあるブラシが、配管の中の溜まった汚れなどを吐き出す。半導体工場などでも使用され、廃棄物を流す点検や清掃に活用される。
CASTの中妻と小林の変遷を紹介。小林は元々文系だったが理系に進み千葉大学に進んだ。中妻と出会ったのは熊本大学で、中妻は小林についてはすごい先生で技術をもっていると紹介され話したのは始まりだという。中妻は民間企業に就職を考えていたが失敗してしまったと答えた。
CASTの今後の動きを紹介。26年には下水処理施設、食品施設にセンサーを導入するという。広めていく上での課題に中妻は予算や規模によって違うと答え、どんなお客にも届けていけるような価格帯の製品を投入するための開発も大事だと答えた。またAIが持っていないデータは製造現場にあり、そこは宝の山だと答えた。2050年には森羅万象をデータ化するという。中妻は森羅万象をコンピューターが扱えるデータにしたいと答えセンサーが前提の社会にしたいと語った。
若林は今回の総括をし、印象に残っているのは失敗の過程が新しい開発につながっていったという部分と伝えた。
アンパラレルド〜ニッポン発、世界へ〜の次回予告。
