運動や食事制限も必要なしなどのうたい文句で急速に利用が広がっているメディカルダイエット。使われているのは糖尿病治療薬。病気の治療ではなくダイエット目的での使用で健康被害を訴える人が増えている。糖尿病患者に薬が届かないという問題も起きている。

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日本医師会

オープニング映像。

メディカルダイエットとして利用が広がっているGLP-1受容体作動薬。日本では2型糖尿病の治療薬として承認されていて、飲み薬や注射タイプが処方されている。病気でない人がダイエット目的で使うことは承認されていない。実際には自由診療で全額自己負担で処方されているのが実態。不適切な診察・処方で患者の健康が脅かされるおそれがあるという。

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GLP-1受容体作動薬

ダイエット目的で薬を購入した30代女性。週に1回、自分で注射をするタイプで2か月で体重は4キロ減少したという。10代の頃から体型にコンプレックスがあったという女性は常に痩せたいという気持ちを抱いていた。食事内容を記録したりジムに通ったりしたが、思うように体重が減らなかった。そのときに目にしたのが簡単に痩せられるという広告。それが、GLP-1ダイエットだった。クリニックに予約して問診が済むとすぐに処方された。薬を使いはじめると、強い吐き気や倦怠感があったが、食欲が抑えられ食事量が減る効果を感じたという。糖尿病用として承認を受けたGLP-1受容体作動薬はインスリンの分泌を促して血糖値を下げる効果がある。食欲を抑制して胃の動きを抑える効果もある。これが体重減少につながるとしてダイエット目的の使用が拡大している。糖尿病ではない人が使うことは承認されておらず、健康へのリスクが相次いでいる。

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GLP-1受容体作動薬糖尿病

薬の使用を続け命の危険に直面した50代女性。自分の経験を伝えたいと取材に応じた。服用して半年で10キロ減量したが、体調に異変が起きた。突然、腹部と背中に痛みを感じ救急車で搬送された女性は医師から服用している薬の事を聞かれたが、後ろめたい気持ちがあり話すことができなかった。その後女性は急性膵炎と診断され入院。胆石も見つかり手術を受けることになった。女性が服用していた薬には、副作用として低血糖や急性膵炎のリスクが挙げられている。そのため、医療機関は経過観察を行うことが求められているが、処方されたクリニックからの確認は半年間1度もなかったという。搬送先の病院は女性の症状が薬によって引き起こされたものかは断定できないとしている。その上で処方したクリニックの対応には大きな問題があるとしている。

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GLP-1受容体作動薬JA岐阜厚生連 中濃厚生病院急性膵炎糖尿病

ダイエット目的で薬を使った利用者から相次ぐ健康被害の訴え。その背景に一部でオンライン診療が不適切に行われていることが見えてきた。診療の実態を調べるために、大手検索サイトに表示された医療機関を対象に取材とは明かさずにコンタクトした。体調不良があったときの対応について、20医療機関のうち半数は専門医がいないため対応することは難しいと回答した。医師かどうか確認できないケースもあった。国のガイドラインではオンライン診療は顔写真付きの身分証などを用いて医師本人の氏名を示すことなどと定められている。今回の調査では医師と確認できないのは4か所あった。医師が診察せずに薬を処方するのは医師法違反の可能性がある。オンライン診療のガイドライン作成に関わった専門家は医療の信頼を揺るがす行為だと批判している。

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GLP-1受容体作動薬日本遠隔医療学会

服用して8か月になるという30代の女性。胃腸の調子が悪くなり、手の震えが止まらなくなることもあったが、体重は3キロ減少し42キロになったという。BMIは17.4、貧血や月経不順などのリスクが高まる低体重に該当する。最初の診察以降、クリニックからの経過観察はない。低体重になった今も定期便で薬が届けられる。

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GLP-1受容体作動薬

GLP-1受容体作動薬の副作用はおう吐・吐き気・下痢、低血糖、急性膵炎などがある。肥満度を表すBMIは18.5未満は低体重とされている。低体重の人がそれ以上痩せることは健康障害のリスクがある。女性の痩せリスクは月経異常や不妊、骨粗しょう症などのリスクがある。今回調査した20の医療機関で3つの医療機関で処方されなかった。血液検査が必要としたのが1つ、BMIが基準外としたがの2つあった。処方の判断をした17の医療機関。重大な副作用を説明しない、チャットだけで完結するなどが確認された。オンライン診療のガイドラインでは医師法違反の可能性もある。

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GLP-1受容体作動薬糖尿病

20年前から糖尿病の治療を続けている中山和子さん。GLP-1受容体作動薬を手放すことはできない。2年前に薬を使いはじめてから血糖値が大幅に減少し、健康状態が改善され効果を実感している。しかし、今年の夏以降、薬が手に入りづらくなっている。薬を使えなくなること不安を感じている。新規の患者に処方できない状態が続いている。国は糖尿病の患者が優先的に使用できるよう、ダイエット目的で処方する医療機関に納入しないことを卸売業者などの呼びかけている。

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GLP-1受容体作動薬尼崎（兵庫）糖尿病関西労災病院

糖尿病の患者に薬が行き渡っていない現状がある。世界的に多くの患者が使っていることもあり、メーカー側の需要と供給の読み違いというのが大きな原因だという。小川渉氏は受給が逼迫している状況では自由診療よりも保険診療で薬を求めている人に行き渡るようにしなければならなくなという。GLP-1受容体作動薬 は肥満症の新薬として約30年ぶりに承認されて来年発売されるものがある。対象は肥満症と診断された人、MBI27以上で健康障害が1つ以上、BMIが35以上の人など。処方可能な施設・医師の要件も限定されている。小川渉氏はどのような医療でも利益とリスクのバランスの上に医療を行うか判断するのが医療を与える立場には重要だとした。

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GLP-1受容体作動薬糖尿病肥満症