- 出演者
- 桑子真帆
Z世代が支持するアーティスト・ちゃんみな。自身が否定された実体験をときに怒りを込めて歌う。若者たちはその歌に自分たちを重ね合わせている。その影響力は大人たちにも。
- キーワード
- ちゃんみな
オープニング映像。
ちゃんみなは今の社会について、無責任だと感じる、楽しくて平和だが、悪い部分をクローズアップすると無責任だと思う、大人たちが私たちの世代の方が辛かったという表現をされると食い違いが出てくると話した。
- キーワード
- ちゃんみな
ちゃんみなの代表曲「美人」。何度も経験した社会から否定される苦しみを歌っている。ちゃんみなは幼い頃から音楽が好きで自ら作詞作曲に打ち込み17歳でデビュー。夢のステージで待ち受けていたのは見た目へのひぼう中傷。深く傷つき、摂食障害になるまで追い詰められた。そうした中で救いになったのは痛みそのものを歌うことだった。「有名にはなれない」「醜いブス」という暴言に対して怒りをあらわにした。精神科医の泉谷閑示さんは、怒りは抑えがちな場所にあるが、一番大事なエネルギーと物事を革新していく力だと話す。ちゃんみなは平和主義だが許せない部分とは闘っていきたいとした。曲の最後は「何が美しいかは自分で決める」と締めくくっている。社会の理不尽にNOを突きつけたこの曲は多くの共感を集めて大ヒットを記録した。その後、ちゃんみなは「世界を変える30歳未満の日本人」に選出された。
ちゃんみなは「美人」について、私は美しいと思えるまでにかかった精神は美しいものではなくグロテスクで痛々しいものだったので、綺麗な言葉では片付けられない時間だったという。否定的な言葉をかけられたときに、私は本当に醜いのか?と思ったこともあり、怒りもあった、死んじゃおうという諦めの時間もあった、諦めないという時間もあった。音楽は命綱、辛かったときもしがみつけるのは音楽しかなかったという。「美人」について反響があるのは嬉しいが悩む子が多いという現状も噛み締めていると話した。
ちゃんみなの音楽に共感する人たちはどんな悩みを抱えているのか?ファンの声を募集したところ、自分に自信が持てないという声が多かった。高橋凛花さんは中学生のときからSNSが当たり前にあり、コメントを気にして自信が持てなくなった。否定されるのを恐れるあまり投稿すらできなくなったという。多様性がうたわれる時代、それでも若者が自信を持てないのはなぜなのか?社会学者の石田光規さんは、多様性の嘘くささをリアルに生きてるZ世代は感じているのではないか、その中で自分を肯定するのは難しいのかと思うという。凛花さんが印象的だったのはライブで「美人」を歌唱中にちゃんみなが自身のメイクを落としたパフォーマンス。
ちゃんみなは、好きにしていいよと尊重してくれるのはありがたいけどそれは難しいこと、自分の個性を出すのが怖いという八方塞がりな人たちが多いと感じるという。自分を敬愛・尊敬することは今の時代こそ大切だと思うと話した。自分を可愛がる時間を持ってほしいと話した。
- キーワード
- ちゃんみな
ちゃんみなの新たな挑戦は自らがプロデュースする女性グループのオーディション。参加者は7000人以上、応募条件は一切ない。この企画の趣旨に共感する一人・犬山紙子さん。心を掴まれたきっかけの一つは、サバイバル番組での痩せなければならないがなく、好きなものをたべていいということだった。ちゃんみなが心がけているのは、一人ひとりの個性と可能性に時間をかけて向き合うこと。犬山さんはちゃんみなの取り組みはメディアをはじめ社会が実践できていなかったことだという。
- キーワード
- ちゃんみな
ちゃんみなはメディアが植え付けてきた美について、美しさを他人が決める時代は終わったと思うという。見た目が好みじゃないからといって判断するのは違う話した。闘おうとしている部分はいろんな人が当てはまるはずなのに、必死になっている人はあまりいないと話した。
- キーワード
- ちゃんみな
社会の理不尽と戦ってきたちゃんみな。今なお抱えている深い傷がある。おととし発表した「RED」は自身のルーツにまつわる曲。日本人の父と韓国人の母の間に生まれたちゃんみなは日本で暮らす中で自分や母親のルーツに対して冷たい目が向けられることがあったという。忘れらないのは小学生のときに、母の営む飲食店で心無い言葉を投げかけられたこと。
ちゃんみなが忘れられないのは、子どものときに母の営む飲食店で心無い言葉を投げかけられたことが。この出来事を共有するのが怖く、他人に話すことができなかったという。単純にすごく傷ついた、暴言をはくには理由がなさすぎた話す。「RED」の最後は「愛してる」という言葉で締めくくられている。ちゃんみなは目指しているゴールは愛と平和、「RED」で伝えたかったのは自分が辛かったことではなく、これを乗り越えて人のことを愛したいというメッセージなのだと話した。あの時傷つけた人が目の前に現れても中指は立てないと思う、誰かにとっては大事な存在であると考えると愛してないわけではなく許したいという気持ちが強いという。これからは、人間っていいなと思える未来にしたい、AIっていいな便利だなじゃなくやっぱり人間がいいと思える時代にしていきたいと話した。ちゃんみなは本気で私じゃないと変えられないと思っている、一生懸命必死に動くことで社会もついてきてくれると信じていると話した。