- 出演者
- 小山径 園田寿 田中紀子
スマホやパソコンから利用できる「オンラインカジノ」は日本において賭博罪に抵触するが、利用者は推計で100~200万人にのぼる。泥沼にハマり、多額の借金を背負う人もいる。
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- オンラインカジノ
「オンラインカジノ」の利用者はチャット機能でディーラーとやり取りし、支払い方法は指定された銀行口座への送金、電子マネーなどがある。なお、オンラインカジノの利用は警報の賭博罪に該当する犯罪行為である。
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8月、ギャンブル依存症家族の相談会が行われ、参加者たちはそれぞれが抱えるトラブルを共有していた。オンラインカジノに関する相談件数はこの5年で15倍に急増していた。30代男性は8週間で300万円以上をつぎ込み、最長で20時間プレイし続けた。オンラインカジノの多くは海外の事業者によって運営され、日本の捜査権が及ばない。著名人が出演する広告もあるが、無料版から有料版へ誘い込む呼び水になっているという。
10月、イギリスでは未成年、若者への影響を考慮し、著名人の広告出演を原則禁止にした。オンラインカジノの被害者支援に取り組む中島俊明弁護士らは日本と海外を繋ぐ”決済代行業者”をリストアップしていて、日本の法律でも規制できる可能性があった。当番組では賭け金が振り込まれた銀行口座の情報をもとに決済代行業者を突き止め、インタビューを行った。だが、「決済代行とか知らないですね」と取り付く島もなかった。取材を進めると決済代行業者の実態を知る男性がインタビューに応じ、「借金を抱えた人たちの名義を借りたり、銀行口座を不正に利用し、海外送金を行っている」などと話してくれた。
賭博罪に詳しい園田寿名誉教授によると、オンラインカジノの運営会社が海外にあることで日本の捜査権が及ばないという。ある調査では決済代行業者を通じ、年間に数千億~数兆円が不正に海外へ流出しているという。田中紀子氏は従来のギャンブルとオンラインカジノの違いに「1つの勝負が速い」、「24時間賭け続けてしまう」、「のめり込むことで多額の借金を背負ってしまう」を挙げた。そして、無料版のオンラインカジノは合法だが、違法行為の入り口になりかねないことを理解する必要があるという。
田中紀子氏のもとに相談に訪れていたのがあきさん(仮名・50代)で、オンラインカジノにハマった息子、こうきさんが多額の借金を背負っている上、音沙汰がないという。6月には世界保健機関が認める精神疾患の1つ、ギャンブル依存症と診断を受けている。元々、こうきさんは家族思いで、記念日には欠かさずにプレゼントを贈っていた。だが、複数の消費者金融で金を借りていて、「(息子の)顔と名前をネットに晒す」と脅迫を受けてきたあきさんは貯蓄を切り崩し、約500万円を肩代わりした。
田中氏はあきさんと共にこうきさんのアパートを訪ねると、こうきさんの姿があった。日給1万円のアルバイトを昼夜掛け持ちして食いつないでいたといい、田中氏は施設への入所を提案した。こうきさんは同じような悩みを持つ人と会ってみたいといい、リハビリ施設に入ることになった。
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田中紀子氏はギャンブル依存症の若年化が進んでいることを憂慮し、「家族が巻き込まれると経済的ダメージを受け、周囲には開かせないと家族も孤立化する」と語った。園田名誉教授曰く、オンラインカジノの利用は犯罪行為の一方、決済代行業者の法的責任は曖昧で、法改正も含めた議論が求められるという。田中氏は「オンラインカジノを野放しにし、被害者がどんどん増えてしまう状況をなんとか食い止めていただきたい」と語った。
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