- 出演者
- 桑子真帆
オープニング映像。今回は家で介護が受けられなくなるかもしれないという実態を伝えるなど放送内容を伝えた。
去年全国最多となる倒産・休廃業が73となった大阪。大阪市に住む生藤キヨミさんは訪問介護を受けて生活をしている。訪問介護は2000年に介護保険制度が開始され介護を施設から在宅へ政策を推進してきて100万人を超える人が利用している。しかし、訪問介護を行う事業所が危機を迎えている。生藤さんが利用している訪問介護の事務所の社長・出口一也さんは去年行われた介護報酬の改定が主な要因となっている。介護保険の財源が限られている中国は基本報酬を約2%下げた。結果、収入が減って経営の悪化に介護業界で長年問題となっている人手不足に拍車をかけている。出口さんはスカウトをしても給与が低いなどから1人も確保ができないという。出口さんの事業所のヘルパーの半数近くが65歳以上。その一人である金田ふみえさんは一度体調を理由にヘルパーを辞めたが事業所に頼まれ戻ってきた。しかし、出来るのは買い物補助など軽作業のみだという。
東京でも経営悪化が深刻な問題となっている。閉鎖を決めた辻本きく夫さんは自らの定期預金を切り崩して経営していたあg介護報酬の引き下げを受けて限界を迎えたという。懸念は一人暮らしの利用者で80代の男性は歩ける内は施設には行きたくないと話すが、男性の介護を引き継ぐ事業所は見つかっていない。辻本さんはこのままだと訪問介護自体が崩壊すると懸念を示した。
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- 世田谷区(東京)
スタジオでは介護制度に詳しい高野龍昭さんを紹介した。介護報酬を下げた理由として国は利益率の高さとしているがVTRからは余裕は感じられない。高野さんは訪問介護には2つのスタイルがあり1つはサービス月高齢者向け住宅などに住んでもらっている場合でこちらは効率よく見て回るなどができて利益率が高くなる。もう一つが自宅を訪問するタイプでこちらは移動時間などjから1~3軒ほどしか回れないため利益率が下がってしまう。また、政府は基本報酬は下げたが賃上げへの加算は実施したと説明している。しかし、小規模の自治体では取得が難しい状態だったりするため、取得できない場合もある。HNKでは指定訪問介護事業所を調査したところ全国300以上、全体で5分の1しかないことが判明した。こうした場所では十分な介護を受けることができない事態が発生している。
広島・安芸太田町では4年前唯一あった訪問介護の事業所が閉鎖した。利用していた99歳の寄田尊さんは目が見えず、週3の訪問介護が必要であるがサービスを受けられるのは隣町のヘルパーが来る、週1のみ。寄田さんのようなケースは増えており町では高齢者の介護計画としてヘルパー派遣の依頼を行っているが断られていたりしている。一方、週1で訪れるヘルパーも厳しい状況に直面している。2つの街をカバーするため長距離を移動をするため訪問件数がどうしても減ってしまう。この日は100キロ超の移動を行った。移動時間は報酬には反映されず、燃料費もかさむため事業所も赤字が続いている。寄田さんの娘さんは毎週1時間以上をかけて身の回りの世話を行っているが娘さんも病気を患っておりいつまで介護を続けられるか不安を感じている。
高野さんは指定訪問介護事務所がない地域は地図に表示されている以上にあると思われると話す。こうした問題はいずれ都市部にも迫り受けられない懸念がある。国の政策理念は医療など住み慣れた街で受けられるなどとしていて一定程度進めたが、後戻りするなど懸念がある。訪問介護を受けれない場合は離れた施設を利用する方法もあるが入れない場合は家族が介護するため介護離職となり経済的にもダメージを与えてしまうと話した。
高知県ではコーディネーターを配置しヘルパーが不足している地域に派遣しており、課題となっている移動時間は補助金を上乗せして対応しようとしている。高野さんは高知県の例は好事例だと思うと話し、特に過疎地域を抱えた自治体は行った方が良い。また、移動時間に報酬がない制度に問題があると指摘した。
ベトナム人のヘルパーであるグエン・ティ・ホン・トゥオイさんは3年前に来日した介護福祉士で様々な介助をしている。これまでの外国人介護福祉士はグエンさんのように資格を持つごく一部の人のみが担当した。そうした中、国は訪問介護を担う人材を段階的に拡大させ資格がなくても働けるようにした。一方で1対1での介護のためには日本語の習得など人材育成が課題となっている。日本の若い人材獲得に力をいれる事業所も存在する。世田谷区にある事業所では平均年齢33歳で殆どが正社員として採用されている。正社員として雇用する費用を確保するため行っているのが徹底した効率化で介護記録をデジタル化、ヘルパーが営業を行い訪問介護数を増やし収入を増やそうとしている。
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厚生労働省は外国人を受け入れる事業者の支援などを行っているが一方で外国人技能実習生の受け入れについてコミュニケーションの不安などから受け入れは難しいと6割が回答している。高野さんは人口低下などから受け入れざる得ない状況になっているなど話した。
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