- 出演者
- 星麻琴
景気の拡大傾向が6年2か月続き戦後最長を更新した可能性がある。一方で、物価高が続く中、企業の倒産件数は増加傾向となっている。戦後最長の景気拡大なのになぜ実感が分かれるのか。その内実に迫る。
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- 銀座(東京)
いま景気の拡大をけん引しているのはAI、半導体業界。福島市に生産拠点を置く半導体の素材メーカーが活況ぶりを明かした。林寿信社長は「おそらく創業以来の大チャンスが今起こっている。強い景況感を感じている」などとなどと話した。主力製品はガラス繊維を布上にした素材。世界シェアの9割を占めている。半導体に基盤に使われている。営業利益は3.5倍に。株価は5倍になった。この会社は150億円架けて生産能力を3倍に引き上げる計画を立てている。金沢にあるAI関連企業はAIを搭載した切削加工機が、注目され売り上げは3年間で10倍以上になった。それに伴い社員の年収は2倍に急上昇した。景気動向指数はコロナ禍の2020年5月に一度底をつき翌6月に上昇。その後、AI、半導体業界の好調もあり2026年7月分まで上昇傾向に。景気拡大が取り沙汰される一方で苦境に立たされる企業も増えている。倒産件数は2021年から増加傾向にある。苦境に喘ぐ現場を取材すると日本経済が二極化の様相を呈していることが見えてきた。大阪・中央区にある居酒屋はこの夏、閉店を決めた。食材の仕入れ価格はコロナ前に比べ3割値上がり。地下が高騰し家賃も25%上昇した。2度商品の値上げをしたがこの2年間は価格を上げられなかった。値上げをするたびに客足が遠のき、消費者の多くが物価高に不安を抱えていることを強く感じたからだという。実感が分かれる景気拡大、今後を読み解くためのカギの1つが為替の動向。2020年6月、1ドル107円台だったのが今年7月には164円に迫り39年8ヶ月ぶりの円安水準となった。海外に移転していた製造業が国内に回帰し、景気にプラスになるという期待があった。しかし製造業の国内回帰が難しい現実が見えてきた。ネジの金型などを製造している輸出している企業は2010年代、製造拠点をタイに構えた。しかし円安でもタイへの投資強化を変えていない。円安の中では原材料をタイで仕入れるほうがコストを抑えることができる。また日本では労働力確保が難しくなるとみている。
今回の景気の拡大について小林真一郎は「あえて名前をつけるとするとアンバランス景気。好材料と悪材料が混在している。若干好材料が強いので景気が回復している。バランスを取りながらなので力強さに欠けてしまっている」などと話した。いざなぎ景気では実質GDP成長率は11.5%。バブル景気では5.3%。いざなみ景気は1.6%となっている。今回は1.3%となっている。消費者の不安の1つは物価の上昇。2つ目は賃上げ。大企業は賃金を増やす余力があるが、中小企業はいっぱいいっぱいのところまで来ている。国は17分野に官民合わせて370兆円超の投資を行うとしている。
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- 三菱UFJリサーチ&コンサルティング
成長戦略に期待する産業用ロボットのメーカー。今力を入れているのがロボットにAIを搭載させるフィジカルAI。生着分野の製品・技術の1つとして選定されている。これまで、いちごのパック詰めは1粒1粒の形や固さが異なるためロボットによる自動化は難しいとされてきたがAIによって可能になった。成長戦略が追い風となる中、進めているのが他社との連携だった。中小企業も含めたサプライチェーン全体で成長を実現したいと考えている。成長戦略の鍵は政府が手動して民間の投資を呼び込むことにある。7月には経済産業省がイベントを開催。AI界のキーパーソンであるNVIDIAの創業者を招き支援を取り付けた。一方で過去政府が手動した産業政策は十分な成果を上げてこなかったという指摘もある。政府が手動する形で国内企業の半導体部門が統合してできたエルピーダメモリは2012年に経営破綻した。クールジャパン機構は540億円の赤字を抱え廃止を含めた検討が進められている。
政府の成長戦略。政府の試算と実績は乖離している。小林真一郎の考える2つのシナリオはプラスとマイナスがある。成長戦略はうまくいけば景気は良くなるがリスクも大きい。規模が大きくなるので財政悪化、信認低下、物価高になるというリスクもある。今後、成長戦略の見直しが迫られる可能性もあるという。今後経済が拡張していくためには安心・安全のほかに安定も必要になってくる。不安定な材料が多いと消費者は賃金が増えても消費に回らないという。安定こそが好景気の処方箋になる。
