2025年10月25日放送 21:00 - 22:00 NHK総合

サタデーウオッチ9
高市政権始動 直面する経済対策は▽クマ「共存」探る道は

出演者
山下毅 林田理沙 久保井朝美 竹野大輝 荒木さくら 浅田春奈 伊原弘将 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

(ニュース)
就任後初の外国訪問 高市首相の外交は 物価高対策など内政は

先ほど、高市総理大臣は就任後初の外国訪問としてマレーシアに到着した。高市首相はマレーシアでASEANとの首脳会議などに出席し、首脳どうしの関係構築も図る。アメリカ・トランプ大統領はマレーシアの後、あさって日本訪問。来週火曜に高市首相と首脳会談に臨む。日米首脳会談のテーマの一つになるとみられるのは防衛力の強化。きょう、海上自衛隊横須賀基地を視察した小泉防衛大臣は「スピード感をもって検討を進める」などと述べた。高市首相は「国家安全保障戦略」など安保関連3文書を来年中の改定を目指し検討を始めると明らかにしている。日本からの80兆円規模の投資について合意内容の確認が行われる見通し。赤沢経済産業大臣は就任にあたりラトニック商務長官からお祝いの電話があったと投稿。きのうも電話会談を行ったことを明らかにした。

高市内閣の発足から4日、早くも高市カラーが鮮明になっている。注目されたのは2人の女性閣僚。「責任ある積極財政」を掲げる高市首相のもと、財務相には片山氏、もう一人は最年少42歳の小野田経済安保相。小野田氏は外国人政策も担当する。「国家情報局」の創設についてきのう木原官房長官は与党と緊密に連携を図りながら検討を進める考えを示した。憲法改正について高市首相は憲法審査会での議論加速に期待を示した。内閣の発足前に行ったNHK世論調査では43%が物価高対策に最優先で取り組んでほしいとしていた。きのう発表された9月の消費者物価指数は去年同月比2.9%上昇。高市首相は所信表明演説で物価高対策を強調した。都内の飲食店では期待する声があった。店では食材などの高騰で2倍近く値上げしたものもあるという。都内で金属加工を手掛ける会社では原材料となる銀・銅などの価格高騰に悩まされてきた。さらに光熱費・輸送費の上昇が収益を圧迫、値上げせざるを得ない状況だという。

ガソリン税暫定税率廃止 課題“スピード感”“財源”/米トランプ大統領との信頼関係 中国との首脳対話

高市総理大臣を待ち受けている物価高対策と外交。物価高対策で山下が注目するのはガソリン税の暫定税率廃止。臨時国会で法案成立を目指しているが、課題はスピード感と財源の2つ。財源の候補は租税特別措置の見直しと金融所得課税の強化。高市総理はあす、ASEAN関連首脳会議で外交デビューする。ポイントはグローバルサウスとの連携、トランプ大統領との信頼関係、中国との首脳対話。中国・習近平国家主席は石破前首相・岸田元首相らが就任直後に祝電を送ったが、これまでのところ送られていない。

秋田ではクマ被害続く 2日連続で4人が…

秋田県では、きょう合わせて4人がクマに襲われけがをした。各地ではさまざまな対策が進められているが中長期的な視点で共存を図ろうとする動きも出ている。秋田で午前6時過ぎには秋田市内でランニングをしていた51歳の会社員の男性が体長50センチほどのクマに襲われてけが、さらに同じ秋田市内。10キロほど離れた場所では午前7時ごろ散歩をしていた66歳の男性が体長1メートルほどのクマに襲われた。2人は、いずれも病院に運ばたが意識はあるという。午後にも秋田市と大仙市でそれぞれ1人が襲われけがをしている。秋田県湯沢市の中心部では今月20日,男性4人が相次いで襲われクマは最後に襲った男性の自宅にとどまり続けていた。きょう、設置していたわなで、ようやく捕獲。その後駆除された。県内ではきのう東成瀬村で男女4人が倒れているのが見つかった。クマに襲われたと見られ現場近くでは体長およそ1m20cmの1頭を駆除。4人のうち男性1人が死亡した。4人が見つかるおよそ1時間前現場近くでは別の男性が襲われていた。男性は軽トラックに逃げ込みクマは車に体当たりしてきた。このクマ、駆除されたクマと同じ個体かどうかは分かっていない。

クマによる被害をどう防ぐのか各地で対策が模索されている。長野県軽井沢町で導入されているのはベアドッグという訓練を受けた犬。人里に近づいてきたクマを見つけると訓練された犬がほえて追いかけ森の奥に追い払う。石川県小松市では5年前にはクマが大量出没してこの市役所のあたりでも出没したということでいち早く対策に取り組んでいる。進めている取り組みの1つがクマのエサ場づくり。保護地域や保護地域に近い緩衝地域に餌となるどんぐりを増やそうと苗を植樹し共存を目指そうという考えだ。もう一つが緩衝地域の中でも山沿いにある集落周辺への緩衝帯の設置。この緩衝帯には20か所に監視カメラを設置している。取り組みを始めておよそ5年。捕獲や駆除も念頭に共存への模索が続く。ただ、一方でクマの被害が深刻化しているだけに緊急銃猟による駆除などが必要となるケースはこれからもあると思う。もしクマに襲われそうになったら命を守るため、地面にうつ伏せになるか丸まるように伏せ、頭とうなじを覆うように守ることが最善策だという。

インフルエンザ 流行 ひと足早く

ことし、インフルエンザの流行が早くなっている。体調を崩した子どもを一時的に預かる病児保育所に30代の父親が子ども2人を連れてきた。医師は「先週や先々週は5~8人だったのが今週は20人を超えた」と話していた。厚生労働省が出した最新の発表では今月19日までの1週間に全国およそ3000か所余りの医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は1万2576人で前の週のおよそ1.4倍に増えた。ことし主流になるとみられるウイルスはA型。急激な高熱や強いけん怠感などが特徴。流行が早まった要因として、暑かったのがいきなり寒くなったことや、インバウンドの増加も一因ではないかと指摘されている。受け付けから診察まで英語で対応できる東京駅に併設されたクリニックにはフィリピンからの観光客が診察を受けていた。日本を訪れる外国人の数は年々増加し今年度は過去最高を記録するペース。訪日者数の多い香港や台湾では8月から9月にA型が流行していた。海外からの流入者が増えればその分、インフルエンザの流行も早くなる傾向にある。

インフルエンザの対策の1つ、予防接種は今月から始まっている。去年から接種が始まったワクチン「フルミスト」は注射ではなく鼻に吹きつける予防接種。毒性の弱いウイルスを使った生ワクチンで2歳から18歳が対象。このワクチンは血液中だけでなく感染経路となる鼻や、のどの粘膜にも抗体を作ることができるという。従来の注射タイプのワクチンは13歳以下は2回の接種が推奨されているがこのワクチンはシーズンごとに1回。また、妊娠中や免疫不全の人などは注射するタイプの不活化ワクチンのみを使うよう推奨している。スプレー型のワクチン、フルミストだが、医療機関によっては取り扱っていない所もあるので事前に医療機関へ確認してほしいという。手洗いや適切なマスクの着用など基本的な感染対策を徹底していくことも大事だ。

異色の元判事 宇賀克也さん “人権保障の最後の砦”最高裁の責務とは

最高裁判所の判決や決定の中で独自の意見を出し続けた異色の判事がいた。ことし7月に退官した宇賀克也元最高裁判事が退官後初めてテレビのインタビューに応じ、厚いベールに包まれた最高裁の責務について語ってくれた。判事時代は直接考えを聞くことができなかった宇賀さん。今回、インタビューに応じた理由を「積極的に説明していくことが今後必要じゃないかと思った」と答えた。行政法の研究者だった宇賀さんは2019年、東京大学大学院の教授を辞して最高裁判事に就任した。6年余りの間に審理に関わった判決や決定は114件に上る。その1つが袴田巌さんが40年余りにわたって再審を求めた事件だ。おととし再審が認められ去年10月、無罪が確定した。再審が認められる3年前、最高裁は再審をその場では認めず審理が尽くされていないと判断し高裁に差し戻していた。その際、宇賀さんはすぐに再審を開始すべきだと反対意見を書いた。

通常、5人の判事で合議し多数決で判断が決まる最高裁判所の審理。その際に多数意見とは異なる自身の考えを示すのが反対意見だ。任期中、ほとんど反対意見を書くことがない判事もいる中、宇賀さんは任期中に20件提出と突出している。いわゆる1票の格差訴訟や契約社員に退職金を支払うべきかが争われた裁判など多岐にわたる。その1つ夫婦別姓を認めない民法の規定について憲法に違反するかどうかが争われた2021年のケースで最高裁は、大法廷での審理の結果社会の変化や国民の意識の変化といった事情を踏まえても憲法違反とは言えないと判断した。判事15人中11人の多数意見だった。しかし、宇賀さんはほかの判事と連名で憲法違反だとする反対意見を書いた。宇賀さんが心を砕いてきたのが無実を訴える人たちの再審請求の事件。46年前の殺人事件で服役した98歳の女性が再審を求めている大崎事件。病死した元死刑囚の妹が再審を求めている64年前の名張毒ぶどう酒事件。これらの事件では5人の判事のうちただ1人、再審を開始すべきだと反対意見を述べた。夏休みなどを費やして膨大な事件の記録のすべてに目を通す宇賀さん。袴田さんの事件では科学的な争点について知識を得るため何冊もの専門書を読み納得できるまで考え抜いた。こうした中で出す反対意見。宇賀さんの判事としての姿勢について袴田さんの弁護士は。直ちに再審開始決定をすべきだと意見を書いた。宇賀さんは現在自身の意見に込めた思いなどを講演の場で語り始めている。根底にあるのは判事としての説明責任を果たすという考え。6年間、不屈の姿勢を貫いた宇賀さんが考える最高裁判事の役割は「最後の頼みの綱は司法・1件1件について真摯に審査することが重要」と述べた。

デジボリ
台風予測 AIで?世界で広がる 日本は

今週、世界各国の台風研究者約200人が横浜に集まった。最新の研究成果の中には、AI(人工知能)の活用も。今AIを用いた台風の進路予測の精度が飛躍的に向上し、注目を集めている。今月発生した台風22号の進路予測では、気象庁の予測よりもAIの予測の方が実際の進路に近かった。また気象庁の予報は5日先までだが、AIは最大15日先まで予測できるという。気象庁が使っている従来の予測方法は、気温や気圧などの数値予報のデータなどを使用しスーパーコンピューターを使って進路をシミュレーションしている。一方でAIは、過去の台風の進路や強さなどの情報を大量に読み込ませて予測している。昨今AI技術が急速に進化したことによって、従来の予測より精度が上回ってきた。韓国の気象庁では、1年前からAIの予測をテスト運用しているという。AIを使った台風予測を研究している気象庁気象研究所の山口宗彦主任研究官は、ヨーロッパ中期予報センターに注目しているという。独自のAI気象モデルを2月に実用化し、各国に情報提供している。そのウェブサイトでは、エヌビディアやマイクロソフトなど世界の巨大企業が開発するAIの予測を誰でも見ることができる。AIの精度の高さは研究でも明らかになっており、台風の進路予測誤差では従来のモデルよりもAI気象モデルの方が誤差が少なくなっている。グーグルAI開発部門のリサーチサイエンティストのフェラン・アレットは「最新モデルは新しいAI技術の導入で数十・数百通りの未来が高速に予測できる」などと語った。気象庁は現在AIによる気象モデルの導入をしていないが、「今後は業務全般にAIを活用し防災気象情報の高精度化につなげたい」としている。将来的には独自の「AI気象モデル」を開発したいという。横浜国立大学の筆保弘徳教授は「台風情報の形式は40年くらいほとんど変わっていない。日本は台風発生の24時間前になってから発表していたが、もっと前から情報があれば助かる」などとコメントした。一方でAI導入には課題もある。台風の強さの予測については、海外の研究でも“精度に課題がある”とされている。また気象庁はデータの根拠をもとに説明することができるが、AIの予測は大きく外れた場合でもなぜこのような結果になったのか明確に説明できない場合がある。専門家は「従来の手法とAIの手法を組み合わせることで、さらに正確な予報が出ればその方がよい。どう共存できるのかアプローチも必要」などとしている。

(ニュース)
“キム総書記が会いたいなら用意ある”

トランプ大統領はアジア訪問に向けて、日本時間きょう正午すぎにアメリカを出発した。機内で記者団から「韓国と北朝鮮の間の非武装地帯でキム・ジョンウン総書記と会う予定があるか」と問われたのに対し、「彼が連絡をくれたら会うだろう」などとコメントした。キム総書記との首脳会談については、米政府の高官が「トランプ大統領は将来会談を行うことに意欲を示しているが、今回の訪問の予定には入っていない」と述べている。

(気象情報)
気象情報

東京・渋谷の中継映像を背景に、全国の天気予報を伝えた。

(スポーツニュース)
ワールドシリーズ開幕 大谷翔平は初の…

ワールドシリーズ第1戦が行われ、カナダ・トロントでドジャースとブルージェイズが対戦した。大谷翔平は1番で先発し、第1打席は空振り三振に倒れた。試合が動いたのは2回、ドジャースがキケ・ヘルナンデスのタイムリーヒットで先制した。ドジャースは3回にも1点を追加したが、課題のリリーフ陣が試合を作れず6回に9失点。大谷は7回にワールドシリーズ初となるホームランを打ち一矢報いたが、ドジャースは短期決戦の大事な第1戦を落とした。明日行われる第2戦では、ドジャースは山本由伸が先発する予定。

ラグビー日本代表 強豪オーストラリアと対戦

ラグビー日本代表は、世界ランキング7位の強豪・オーストラリア代表とのテストマッチに臨んだ。来年のワールドカップに向けて強化を図る日本は前半2つのトライを奪われ、11点差で折り返した。後半は日本が追い上げ、2つのトライを決め4点差まで詰め寄った。日本は強豪相手に善戦したが、競り負けた。

J1優勝争い 3位京都×首位鹿島

サッカーJ1第35節、京都・亀岡で京都サンガと鹿島アントラーズが対戦した。9シーズンぶりの優勝を目指すアントラーズは、ここ2試合で得点がなく引き分けが続いている。直接対決に勝って逆転優勝につなげたいサンガは、前半36分に先制点を奪った。後半アントラーズが攻め込むも得点できないまま、試合はアディショナルタイムへ。終了間際に土壇場で鈴木優磨がゴールを決め、アントラーズが貴重な勝ち点1を得た。

J1優勝争い 首位を追う2位柏は

J1第35節、千葉・柏で柏レイソルと横浜FCが対戦した。2位の柏レイソルは14シーズンぶりの優勝を目指している。後半27分、山田雄士のロングシュートでレイソルが先制した。さらにその4分後にシュートのこぼれ球を仲間隼斗がゴールに流し込み、レイソルが快勝。アントラーズとの勝ち点の差を1に縮めた。このほか横浜FMが勝ってJ1残留に前進、一方で試合がなかったアルビレックス新潟のJ2降格が決まった。

全日本距離別選手権 女子100m 高木美帆選手 9連覇

スピードスケートの全日本距離別選手権が行われ、女子1000mで高木美帆が9連覇を果たした。高木は気を緩めることなく、今シーズン最大のターゲットとなる五輪を見据えていた。

フォルティウス 最終予選へ カナダで調整重ねる

カナダ・カムループスのカーリング場では、女子日本代表のフォルティウスが五輪最終予選の本番に近いアイスリンクで調整を続けていた。ポイントはストーンの曲がり方に影響するため、「時間とともに変化する氷の状態」を確かめること。この日はカナダのチームと対戦して大差で勝利し、順調な調整ぶりを見せた。

八村塁 23得点の活躍 今シーズン初勝利

今週開幕したNBA、アメリカプロバスケットボール。今季初勝利を目指すレイカーズは、ロサンゼルスでティンバーウルブズと対戦。レイカーズの八村塁が先発出場し、序盤から好調で23得点をあげる活躍を見せた。NBAを代表するスター・ルカ・ドンチッチは両チーム最多の49得点をあげ、レイカーズが今季初勝利をあげた。

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