- 出演者
- 笑福亭鶴瓶
オープニング映像。
雨漏りやビリビリになったカーテン、水漏れが起きている建物は和歌山県にある高校で今も生徒がいる。わずか数年前までスポーツの強豪校だった。異変にみんなが気づき始めたのは3年前のことだった。2022年4月、酒井珀くんが入学。バスケットボールのため愛知から和歌山の学校に入学。和歌山南稜高校は2015年に経営不振だった学校を再建する形で開校した。学校が打ち出したのは生徒を呼び込むため運動部を強化。その中でもバスケットボール部は創部2年目で全国大会に出場し和歌山で強豪校になり他県から優秀な選手が入学しバスケットボール部だけでも46人を抱える大所帯。そんな強豪校に入学した酒井くん。幼い頃にバスケットボールを始め中学時代に愛知県のクラブチームで活躍していた。そして全国のコートで活躍したいという夢を抱き入学。2022年の新入部員は14人もいた。その中には海外からの留学生のアリュウ・イドリス・アブバカくん、通称イディくん。ナイジェリア出身。2022年の全校生徒は167人。男女共学で文武両道を目指していた。多くの部活生は校舎横の寮で共同生活。絆は日に日に強まっていた。その中、異変が起きたのは入学式から約1か月後の2022年5月11日、朝のホームルーム。副校長を含む数人の職員が授業のストライキを提案したのだ。そのワケは経営陣のずさんな学校運営。
前身の学校が経営難で閉校し引き継ぐ形で開校した和歌山南稜高校。経営者は教育と関係ない事業を営んでいた男性。理事長と校長を兼任しスタート。県内外から優秀な生徒を集め、どの部活も県内で上位の成績を残していた。だが少子化を背景に大幅な定員割れが続き経営が難しくなり、教職員の住民税と所得税を給料から天引きしていたが国や市町村へ納付していなかった。さらに修学旅行を海外から国内に変更したのだが、差額も返金されなかった。学生寮でもガス料金を滞納し止められた。そして給料が振り込まれなくなった。不透明な金の流れがあるのではと職員は考え抗議すると解雇すると言われた。このような事態に職員たちから授業をストライキする意見が出たのだ。生徒のことを考え反対する職員もいたがストライキは行われた。この事態はすぐに保護者にも伝わった。子どもを預ける保護者にとって耳を疑うような事態。すぐにマスコミが殺到し全国で報道された。不信感は募ったが経営陣が不透明な金の流れを説明することを約束したことで翌日に授業は再開された。保護者には担任の先生から電話が。だがその後、信じられない事が起こり始める。
ストライキもすぐに解除されバスケ部も大会に向け練習をしていた。バスケ部を率いるのは和中裕輔監督。学校で体育を教える教師。全国大会出場を目指しレベルの高い練習をこなす。ストライキから1ヶ月後の2022年6月、食堂にはご飯がなく朝食は菓子パン1個。食堂の運営は外部に発注していたのだが、度重なる料金遅延に加え物価高に合わせ値上げを訴えたが学校経営陣が応じず。夕食もかなり質素に。酒井くんはこのとき母親にLINEを送っている。食費はしっかり支払っているのにと保護者からクレームが殺到。監督も寮長や食堂の人と話し合ったが解決せず。この間にも授業は行われ激しい練習も。改善されず2週間が経った日、応急処置として保護者会が炊飯器と米を送る事態に。次に彼らを襲ったのが水道管が老朽化し、水漏れし始めた。経営難を理由に築30年以上の校舎を点検・修繕工事を行っていないツケが回ったのだ。そしてトイレの天井が抜け大量の水が。屋上に貯水タンクがあるのだが老朽化によりメーターが誤作動を起こし水が止まらなくなりタンクから溢れ出した。先生たちは業者を入れず出来る範囲で校舎の修繕を行った。どうしても出来ないところは修繕を願い出ていたが経営陣からは拒否された。しかしバスケ部の生徒たちは全国大会出場という同じ夢に向かって前向きに頑張っていた。酒井くんが入学して3か月後、部員たちに変化が起こる。保護者たちは我が子のために転校先を探し始めていた。3年生・2年生はなんとか踏ん張っていたが、14人いた1年生は次々に転向していった。
夏休みになり部活も1週間の休み。酒井くんも久しぶりに実家に帰省。母は在籍していたクラブチームのコーチを訪ね相談していた。いつ学校がなくなってもおかしくない状態だが、全国大会出場を誓い合い頑張ってきた酒井くん。休みが終わり学校に戻ると同級生が少なくなっていた。ねんと14人いた1年生部員は7人になっていた。休みの間、親と話し合い多くの生徒が転校したのだ。
ボロボロの学校、転校し減っていくバスケ部員。みんなとバスケがしたい、みんなと全国に行きたいことだけを考え練習に取り組んでいた10月。入学してすぐに練習に参加できなくなっていた紺野くんが練習に参加する嬉しいサプライズ。一方で学校には新たな問題が発生する。なんと県から新規生徒の募集停止を命じられた。つまり後輩が入ってこないということ。ストライキ後、理事長・校長を兼任していた男性が退任したが、県からの再三の行政指導にも応じず教育の質が保証できないと判断された結果だった。この事態が影響したのか2年生に上がる時にさらに1人が転校し、バスケ部2年生は6人に。1年後の2024年、酒井くんたちが3年生に進級するとき、新入生募集の許可はおりず強豪バスケ部は6人になってしまった。それでも全国大会出場の夢は諦めなかった。学校生徒数も18人に。バスケ部6人、野球部10人、吹奏楽部男女1人ずつ。西菊乃さんは学校唯一の女子生徒。野球部もバスケ部も誰かが怪我をすると出場が難しくなる。強豪が揃う和歌山県大会で和歌山南稜高校野球部は2回戦を突破し3回戦で智弁和歌山に敗れたが6人のバスケ部と2人の吹奏楽部がスタンドから応援。2人の吹奏楽部は主にソロで演奏ステージに参加。大編成のときは地元の中学生やプロ演奏員と合同でコンサートを開催した。こんな状況でも生徒たちは明るかった。全校生徒が18人になったことで絆はより強まった。さらに保護者にも固い絆が。試合となればみんな遠方から応援に駆けつけた。一方で1人の男性が動き出していた。そして救世主となってみんなの前に現れる。新年度を迎え新たな理事長が就任した。正直、なんの期待もしていなかった。新理事長に就任したのは甲斐三樹彦さん。実は甲斐さんは以前、学校の営業部長だった。直談判して解雇された。そんな甲斐さんは解雇後、大分でコンサルタント会社を経営しながらスポンサーを募っていた。ようやく全経営陣から数億円で学校事業を引き継いだ。つまり旧経営陣はもういない。そうして学校の立て直しに取り組んだのだが、学校の帳簿をみると負債額約5億円にもなっていた。さらに支払いで毎月1500万円の赤字が続いている状態だった。
ボロボロの学校、生徒たちが転校していくなか新理事長・甲斐さんは本業のコンサルタント業を使い応援してもらう企業を募り全国を飛び回ったが、それでも足りないときは自分の貯金を持ち出すことも。自ら寮に泊まり込み雑用も率先して行った。ようやく信頼できる人が来てくれた、この人なら学校を変えてくれると生徒たちの顔に生気が戻った。そしてバスケ部の保護者たちも部活の活動費を集めるためクラウドファンディングを開始した。集まった支援総額は763万4000円。全国から多くのコメントが寄せられた。あとは自分たちがコートで大暴れするだけ。練習にも熱が入る。ただ現実問題、6人での試合は大変。みんなで全国への夢は変わっていなかった。
和歌山県予選で優勝し、みんなで全国への夢が実現。全国から強豪53校が参加するインターハイ。1回戦の相手は延岡学園。前半は同点。後半、イディくんの顔に相手の肘が直撃し目尻を負傷してしまった。1人かければ交代要員はいなくなるため応急処置だけ済ませ再びコートへ。6人で必死にプレーし、75-67で和歌山南稜高校が勝利。わずか6人で強豪校を撃破。この快挙に世間は騒然とした。残念ながら2回戦で敗退したが、6人だけの戦いは多くの人の心に刻まれた。残すは高校生活最後の大会ウインターカップ。
ウインターカップ県予選開幕目前の2024年10月24日。イディくんが母校に帰ると言い出した。実は大学進学準備のため、すぐに帰国するよう両親から連絡が入ったのだ。
「カズレーザーと学ぶ。」の番組宣伝。
「上田と女が吠える夜」の番組宣伝。
「BEAT AX VOL.5」は2月1日・2日に有明アリーナで開催。
山崎賢人とNEXZのSO GEONがサッカーでのトラウマを告白した。
6人しかいないバスケ部で留学生のイディくんが帰国するという。この事態にみんなで深夜まで話し合った。結局、ウインターカップ県予選には出場するが、その後すぐに帰国することに。そして迎えたウインターカップ和歌山県予選大会。和歌山南稜高校は順調に勝ち進み決勝戦へ。それはまさに集大成のような試合だった。みごと和歌山県予選を突破。決勝戦の数日後、全国大会に一緒に出るため両親を説得するとイディくんは言った。結局、両親を説得できず日本には戻ってこなかった。2024年12月23日、ウインターカップ1回戦。相手は部員約50人の県立長崎工業。一方、和歌山南稜高校は5人で交代要員はいない。5つ目のファウルで紺野くんが退場し4人でプレー。みんなここまでフル出場、体力は限界を迎えていた。試合終了し、彼らにとって高校最後の試合が終わった。5人で臨んだ全国大会。彼らの勇姿は後輩たちに語り継がれていく。というのも生徒募集停止の措置命令が解除された。つまり新入生が入ってくること。運営に必要な資金が確保されたことが理由だという。
映画「アンダーニンジャ」2025年1月24日(金)全国公開。
- キーワード
- アンダーニンジャ
次回予告。
仰天チェンジした方を男女問わず大募集。
- キーワード
- ザ!世界仰天ニュースホームページ