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大谷翔平はことしWBCで世界一の称号を掴むと、シーズンでは日本人として初めてMLBのホームラン王を獲得した。そこでWBCのチームメイトやMLBのスーパースターなどから証言を聞いて大谷のルーツや素顔を徹底分析する。またこの歴史的快挙を受けて世界のホームラン王の王貞治とWBC優勝監督の栗山英樹が緊急対談を行い、大谷の打撃について語り尽くす。一方9月には肘の手術やオフに迫られた選択など苦悩とも戦った。
オープニング映像。
今回は日本人として初めてMLBでホームラン王を獲得した大谷の今季を振り返る。今季大谷は本塁打44本でホームラン王を獲得しているが、古田は25試合以上を欠場しながらもホームラン王を獲得したことはすごいと思うなどと話した。一方投手としては8月が最後の登板となったが2年連続での2桁勝利を達成している。五十嵐はけがさえなければサイ・ヤング賞の可能性もあったのではないかと思うなどと話した。
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大谷の2023年シーズンは投手兼3番DHとしてスタートし、初ホームランが生まれたのは開幕から3試合目だった。4月9日には高校の先輩でもある菊池雄星から第3号を放ち、兜セレブレーションを初披露した。ヤンキース戦ではジャッジの頭上を超える一発を放ち、5月のオリオールズ戦では苦手とする外角高めをホームランにするなど打撃がさらに進化した。6月に入るとホームランペースが加速した。
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ロッキーズのフリーランドからはボール球をホームランにした大谷。改めてフリーランドに映像を見てもらうと、狙い通りのボールを投げたが不本意な結果となり感心するしかなかったなどと話した。一方投手大谷はスイーパーというスライダーよりも曲がりが大きく球速の速いボールで注目を集めた。登板2試合目のマリナーズ戦で今季初勝利をあげると、次の登板では92球中51球でスイーパーを投じ、2勝目をあげた。5月3日のカージナルス戦では5回13奪三振でベーブ・ルース以来2人目となるメジャー通算100本塁打&500奪三振を達成した。
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栗山は大谷の打撃について2021年から打球速度を上げる取り組みを継続的に行ってきた成果を感じたなどと話した。6月最後の試合では今季メジャー最長飛距離となる150m弾を放った。古田は印象に残ったホームランとして35号ホームランをあげ、プレーオフ進出争いをしていたヤンキース戦でホームランを打ちチームを勝利に導くなど大事なところで打つことが大切だとわかっているなどと話した。7月27日のダブルヘッダーでは1試合目に先発しメジャー初完封を達成すると、約40分後に行われた2試合目では2本のホームランを放った。さらに翌日のブルージェイズ戦では前日から続く3打席連続ホームランを放った。五十嵐は登板後に体力が残っていることが信じられないなどと話した。
8月3日のマリナーズ戦で先発マウンドに上がった大谷だったが右手中指の痙攣で緊急降板を強いられた。しかし打者としては出場を続けホームランを放ち、2021年以来2度目となる40号に到達した。緊急降板から中5日で登板したジャイアンツ戦で10勝目をあげ、メジャー史上初となる2年連続での2桁勝利&2桁本塁打を達成した。8月23日のレッズとのダブルヘッダーでは1試合目に二刀流で出場しホームランを放つも直後に緊急降板となり、右ひじ靭帯の損傷が発覚した。そして9月3日を最後に残りの試合を欠場した。しかし約1ヶ月欠場しても誰にも抜かれることはなく、日本人初のホームラン王に輝いた。
大谷は今季バットを1インチ(2.54cm)伸ばしたそう。古田によると遠心力を使えるので飛距離が出るが扱いが難しいというデメリットがあるそうで、1cm伸ばすのも覚悟を持ってやるので2.5cm長くするなど考えられないなどと話した。また過去2年間1本もホームランがなかった外角高めを今季は4本ホームランにしていて、五十嵐は穴がないためホームランでなければいいという配球になると思うなどと話した。また投手としては魔球「スイーパー」を生み出した。五十嵐によるとスイーパーは大谷のスライダーが凄いが故に新たに登録された変化球で、本来のスライダーは横に曲がりながら沈むが大谷の場合は速く大きく曲がるため沈みにくいとのこと。
岩手県奥州市で大谷が少年時代に所属した水沢リトルリーグを訪ねた。監督の佐々木さんによると大谷は勝ちたい気持ちを全面に出す子どもで、WBCの最後に見せたグローブや帽子を放り投げる姿が本来の姿とのこと。当時の打撃については運動能力が高く簡単にホームランを打っていたなどと話した。高校生の時から大谷に注目していた日本ハム・元GMの山田正雄は春の選抜大会で放ったサードライナーを見た時に普通じゃないなと思ったと話した。少年時代に培われたレフト方向へのバッティングはプロ野球のスカウトたちにも強烈な印象を残した。ソフトバンクの近藤健介はWBCの中国戦の後に上半身のウエイトトレーニングをしていたと話した。近藤健介が最も気になった大谷の変化は打撃フォーム。日本ハム時代の大谷は足を上げて打っていたが、メジャーリーグではノーステップに変わっていた。打撃フォームについて大谷に聞いた近藤健介はバントに近い形、究極はバントでホームランと言っていたと話した。ノーステップ打法は動きを最小限にしたバッティングだという。近藤健介は日本時代の5倍はすごくなっていたと話した。
大谷はメジャー4年目の2021年、メジャーで初の投打二刀流で出場。初戦、162キロを記録。初球ではHR。計155試合に出場し、打者として46HR・投手として9勝の活躍でア・リーグMVPなど11冠に。エンゼルスのジョー・マドン元監督によると、シーズン開幕前に「制限を設けない」と決めていたそう。同年MLBオールスターゲームでは、メジャー史上初めて二刀流で出場した他、「大谷ルール」と称されるルール変更も。これまでは投手として降板後は試合出場不可も、指名打者としての出場が可能に。22年からはレギュラーシーズンでも同ルールが適用。米テレビ局で大谷を紹介するだけの番組を手掛けるベン・バーランダーは、マイナーリーグの元選手。2021年にスポーツ番組の1コーナーとして始まり、SNSでの反響を得て独立した番組として大人気に。バーランダーは大谷の存在を、野球に興味のない人にも知らしめたいという。エンゼルスで大谷とチームメイトであるネト、エステベスなどからも大谷を称賛する声が。
「バントを打つようにホームランを打ちたい」と語っている大谷。栗山いわく、大谷は朝10時からのウェイトトレーニングを欠かさない。休むよう助言しても、「今じゃない」「将来できなくなる」などと話し、ビジョンを持ってトレーニングするそう。MLBオールスター2023でも、ファンやメディアから大谷が一番人気だったそう。現地に取材に行った古田には、挨拶できなかった代わりにサインボールが贈られたそう。
王貞治と栗山英樹が対談。共にWBCで日本代表を優勝させた監督。王は大谷の「憧れるのをやめましょう」という言葉を称賛。王は巨人にて、長嶋茂雄とのONコンビで9年連続日本一に貢献。通算868本塁打は世界記録。MLBでHR王の大谷については、米国のほうが日本よりも打ちづらいとしたうえ、「中身がすごかった」「技術だけじゃなく、相手と勝負した」などと称賛。HRを打つ極意を聞かれると、「バットを振れる体」「ストライクゾーンの見極め力」「頭の位置を変えないこと」「ボールの芯をバットの芯で打つこと」などを挙げた。
打撃フォームにおいて共通点も多い大谷と王だが、大谷の「ノーステップ打法」と王の「一本足打法」には大きな違いが。王が見るに大谷のステップは早め。これが準備時間につながり、好打撃に繋がっていると分析。王の一本足打法にもこの要素はあるそう。大谷は自己最長となる150mの特大HRを今年達成。その映像を見た王いわく、「飛んでいっちゃう打ち方」をしているそう。今季自己最速188.4キロのHRを打ったことも踏まえ、イチローや長嶋茂雄、落合博満、内川聖一などとも共通して「インパクトがしっかりしている」と評価。王自身もそれを意識していたそうで、若手選手にもこれを教えているという。世界記録である868本塁打を打った王。当時については「余韻を楽しめない」とし、次へ向かう意識が強かったと明かした。この点、大谷にも共通点を感じているそう。今後の大谷には「挑む大谷翔平であってほしい」とコメント。
MLB選手らに大谷翔平について聞く。フィリーズのシュワバーは昨季HR王。大谷のスイングを「興味深い」とし、インコースのボールを左中間などに打てる手腕を絶賛。今季、大谷がセンターからレフト方向に放ったHRは全体の半分以上である26本。19年HR王のアロンソは「バットの芯でボールを打っている」と大谷を称賛。昨季、ア・リーグ新記録の62HRを放つなど大谷のライバルでも有るA.ジャッジは、大谷の「toe-tap」打法を称賛。動きが小さい分、体のブレは減るものの、反動が使われないためボールを遠くに飛ばすには高い技術力が必要とされる。
先月19日、大谷翔平は自身2度めとなる右肘手術の成功をSNSで報告。1回目は5年前、靭帯再建手術「トミー・ジョン手術」を実施。損傷した肘の靭帯を切除し、他の部位の腱を移植して靭帯を再建するもの。06年に手術した五十嵐は、今も傷口が残っている。当時は1年間のリハビリが必要で、投げることも叶わず。大谷は2回目の手術には慎重で、治療法には検討を重ねてきた。同じ手術を2度受けたカブスのJ.タイヨンは、21年に復帰し、去年はチームトップの14勝をあげるなど活躍。30日、大谷は試合後に「打者としてリハビリから頑張っていきます」などとコメントしている。
肘の手術を終えた大谷翔平。今後1年間はリハビリとして投げることが不可能とされるが、トレーニングを積むことで手術前よりも球が速くなるような事例も。大谷は今季、FAで他球団に移籍するのかも注目されている。移籍額は1000万円ともいわれる。現地で大谷の獲得が噂されるのは8球団。
7月にシアトルで行われたMLBオールスターゲームでは、大谷が打席に入ると観客から「シアトルに来て」との大合唱が。番組が各球団の本拠地で聞き込みを行うと、それぞれファンから大谷を求める声が。エンゼルスからも残留を願う声が上がる一方、「流れに任せるしかない」と諦めるファンも。
大谷翔平の地元・岩手県奥州市では、同じ岩手出身の菊池雄星と同じブルージェイズへの移籍を願う声や、楽天への移籍を願う声など。市民からは大谷への称賛の声も。大谷が所属した水沢リトルリーグからも応援の声。タモリも大谷の功績を称賛。
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