- 出演者
- タモリ 安藤萌々 高藪縁 立花義裕
今年世界各地で異常気象が猛威を振るった。地球温暖化解明のカギとされているのが北極と南極。気候変動の負の連鎖に迫る。
オープニング映像。
今夜のテーマは「気候変動」。1880年から約140年間の気温の変化を示した映像を紹介。約140年間で世界の平均気温は1℃以上上昇している。世界の平均気温が産業革命以降1.5℃と2℃の上昇ではリスクが大きく違うことが科学者によって示されている。
今年、大規模な山火事が世界各地で発生。8月、スペイン・テネリフェ島の山火事では東京23区の4分の1と同じ広さの森や住宅が焼失。7月、イタリア・シチリア島では東京ドーム210個分もの土地が焼失。ギリシャ・ロードス島では島の15%を焼失。大規模な山火事の発生は地球温暖化と深くつながっている。カナダでは今年約7000件の山火事が発生し1850万ヘクタール以上を焼失した。
8月、カナダ・ウェストケロウナ市で発生した山火事は24時間で100倍以上に拡大。わずか4日間で北部一帯が焼失した。火の回りが早かった理由として、専門家は温暖化の影響を受け森が異常な乾燥状態にあったのではないかと推察する。また山火事の原因と思われる異常な気象現象も起きていた。ケロウナ市在住の女性は雨が降らない雷を目にしたと話す。ドライライトニングは温暖化が進む中増えているとみられ、多くの山火事を引き起こしている原因とも言われている。ケロウナ地域の火災では湖の対岸に飛び火したことが謎とされていた。
専門家は火災積乱雲の中に火の粉が舞い上がっているのではないかと推測する。風に乗った火災積乱雲から火の粉が落ちることで火災が驚くほど拡大した可能性がある。火災生態学者は今後も大規模な火災が多発することが予想されると警鐘を鳴らしている。
山火事で出るすすが北極まで飛んでいき氷の上に落ちると、太陽光を吸収して北極の温暖化が促進される危険がある。永久凍土が解けると氷河時代の微生物が現れ新たな感染症のリスクもある。またメタンが大気中に放出されると温暖化をさらに加速させる恐れがある。
8月8日、ハワイ・マウイ島で火災が発生。街は火の海に飲まれ2200棟が焼失し100人が死亡。多くの住民が住む場所を失った。ラハイナ浄土院は寺の建物は全焼し大仏だけが残された。
火災の原因は送電線が切れたことによる小さな火事と言われている。出火場所から炎は山の斜面をつたい住宅街に広く被害を与えた。火災前には屋根が飛ぶほどの強風が起きていたという。
専門家はマウイ島の火災発生当時、台風並みの強い風が吹いていた可能性を指摘する。また火を大きくした原因としてフェーン現象も報道されている。一方、専門家は温暖化がハワイの乾燥に拍車をかけた可能性を指摘。当時ハワイ州ではレッドフラッグ警報も出されていた。
ハリケーンを実験で可視化した。暖かい海面上で雲が沸き上がると空気が暖められ中心気圧が下がり勢力が強くなる。ハリケーンが巨大化した理由は、今年はエルニーニョの影響で海面水温が上昇。長い時間暖かい海の上を通過し発達したのが要因の1つ。
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世界最大の氷山「A23a」が約30年ぶりに動き出した。国連・グテーレス事務総長は危機感を顕にした。COP28の会合ではチャールズ国王が演説で温暖化対策の必要性を訴えた。今年世界の平均気温は観測史上最高を記録。旧石器時代並みの高温となっている。
アマゾン川が深刻な干ばつに見舞われている。ブラジル・マナウスでは市民生活を支えてきた大動脈が干からび船が出航できなくなっている。水上住宅に住む人は家から出ることもできないという。一方、記録的な大雨に見舞われた地域もある。大雨でパラグアイでは洪水も発生した。今年4年ぶりに発生したエルニーニョによって乾燥した空気がブラジルに下降。海水温の高さが強烈な干ばつを引き起こした。
10月、史上最強のハリケーンがメキシコを襲った。甚大な被害をもたらした要因は、想定外の発達速度。海水温の高さによる豪雨は9月、ニューヨークにも襲いかかった。非常事態宣言が出されるなど100年に1度とも言われる豪雨だった。ヨーロッパでは世界平均の2倍の速さで温暖化が進んでいるという言われる。スペインなどが猛暑に襲われるなか、ドイツでは真夏にもかかわらず雹が降り積もった。スロベニアでは大雨で洪水が発生し国土の3分の2が被害を受けた。二極化する異常気象の原因の一つとして考えられているのは偏西風の蛇行。リビアでは一日で年間降水量を超える雨が降り、死者は4300人を超え、行方不明者は8000人以上に上っている。
近年偏西風が大きく蛇行することが増えている。偏西風の蛇行がなぜ起こるのかを実験で可視化した。偏西風の蛇行は北極と熱帯の間の温度差で起きる現象。温暖化で北極と赤道付近の温度差が小さくなると偏西風は蛇行しやすくなる。
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日本列島は記録的な猛暑に見舞われた。さらに6・7月に記録的な豪雨が続いた一方で秋以降は少雨で深刻な水不足となっている。各位で生態系にも異変が起きている。アーバンベアが増加しており、新潟県はクマ出没特別警報を来年1月末まで延長を発表。暖冬でクマの出没が続く可能性があるという。今年はクマによる人身被害が最悪となっている。
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- イセエビイノシシクマサケシイラブリ三重県大洲市(愛媛)富山県岩手県島根県広島県新潟大学新潟県新潟県庁東京都熱海市(静岡)環境省白糠町(北海道)益城町(熊本)石巻市(宮城)秋田県箕口秀夫青森県鹿野川ダム
岩手・岩泉町ではキノコ採りを楽しむ男性がクマに襲われ、秋田・北秋田市では市街地のガレージで男性がクマに襲われた。岩手・雫石町の農場では牛のエサを目当てに毎日のようにクマがやって来るという。クマが人里に出てくる背景には、今年は木の実の不作や猛暑と秋の少雨が影響が指摘されている。またツキノワグマの分布域と数が増えていることも背景にある。
ヒグマは北海道にのみ生息しており国内では最も大きな陸上動物。ツキノワグマは本州と四国の33道府県に恒常的に生息している。暖冬だった2020年1月にはクマの出没件数は例年の約2倍となった。今後の日本の冬は寒気が流れると爆弾低気圧による大雪などが発生する一方、冬なのに暖かい日が続き二極化するとされる。日本近海の海域の平均海面水温の上昇率は世界に比べて遥かに高い。