2023年12月31日放送 4:20 - 5:50 テレビ朝日

テレメンタリー2023
スペシャル「再始動 〜記憶を記録に〜」

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(オープニング)
オープニング

オープニング映像。新型コロナから再始動した2023年を振り返る。

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SARSコロナウイルス2
再始動 ~記憶を記録に~
消えたゲン …揺れる平和

「はだしのゲン」の原画は原爆資料館に寄贈され保管されている。作者・中沢啓治さんの妻ミサヨさん(80)は夫のアシスタントを務め、一緒にゲンを描いてきた。8月6日に広島では平和学習が行われる。平和ノートを使った授業は「復興と人々の願い」がテーマ。川又忍さんは「はだしのゲン」を通じて、(被爆者の)おじいちゃんと向葵(11歳の娘)の会話ができていったらいいな。世界の平和について考えていってくれたらいいなと語った。11月に再び川又さん一家を取材すると、向葵さんは原爆投下直後を描いた2巻を読み始めていた。ゲンは広島市の全ての小学校に置かれ、子どもたちに読み継がれている。G7広島サミットから半年が経った今も被爆者たちは命の尊さを伝え続けている。生前の中沢啓治さんは「どんなことを言われたって戦争だけは反対しろよ」と戦争や核兵器の恐ろしさを語り続けていた。

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彷徨い続ける同胞

フィリピンのリナパカン島は首都マニラからプロペラ機とボートで5時間ほどの場所にある小さな島。道路は整備されておらず、電気もほとんど通っていない。この島に住むウエハラ・パムフィラさん(85)は日本人の父とフィリピン人の母の間に生まれた。妹・トミコさん(83)&トヨコさん(79)と一緒に暮らしている。戦前のフィリピンには多くの日本人が移住し、最盛期には3万人が暮らしていた。日本軍がアメリカの統治下にあったフィリピンに侵攻したことで在留日本人はフィリピン人からも恨まれることになったという。ウエムラさんの父はトラックに連れて行かれ、戻って来なかった。戦後も激しい反日感情が続き、ウエハラさん姉妹は小学校しか通えず貧困に苦しんだ。当時のフィリピンは子どもは父の国籍に属すると決まっており、ウエハラさん姉妹は無国籍の残留日本人となってしまった。NPO法人「フィリピン日系人リーガルサポートセンター」は無国籍となってしまった残留日本人を調査している。無国籍の残留日本人2世モリネ・リディアさん(80)は迫害を逃れるために日本人であることを隠して生きてきたという。父は「カマタ モリネ」で沖縄出身だというので調査したところ、沖縄の「盛根蒲太」という男性の渡航記録が見つかったが、親子関係を証明できるものが必要だという。

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フィリピン・ダバオで日系人の総会が開かれ、無国籍の2世も6人が参加した。カナシロ・ロサ(日本名マサコ)さん(80)は理髪師だった父が日本軍に徴用され戻らなかったという。NPOの調査開始から20年が経ち、308人が日本国籍を回復した。日系2世の寺岡カルロスさん(93)は戦争で家族5人を失った。母・弟・妹は米軍機の爆撃で死亡。次兄はフィリピンゲリラに殺害され、長兄は日本軍にスパイ疑惑で銃殺された。寺岡さんは無国籍の日本人たちを一括で救ってほしいと日本政府に訴えてきた。コロナ禍で調査が困難になり、4年前に1069人だった「無国籍」2世は最新の調査で493人に減少した。NPOは無国籍の2人を日本に招いて親族探しをしてもうらためクラウドファンディングを実施。1人は先ほど登場したカナシロさん。もう1人はアカヒジ・サムエルさん。沖縄のアカヒジ(赤比地)姓をルーツに持つ人たちが集まり調査に協力してくれた。カナシロさんの調査にも進展が見られ、2人は12月に来日した。カナシロさんの父とみられる幸正さんの親族、アカヒジさんの父とみられる勲さんの親族が空港で出迎えた。2人は父親の身元を証明する記録を集め、日本国籍回復を目指す。

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体が動かなくなった葉月ちゃん

北海道旭川市の特別支援学校に通っている渡邊葉月ちゃん(11)は今年4月に6年生になった。クラスメイトがいない1人の授業にも慣れた。活発な女の子だったが、8歳の時に毛様細胞性星細胞腫を発症して動けなくなった。10万人に2~3人が発症する希少がん。手術では腫瘍を全て除去できず、人工呼吸器をつけたので声を失った。現在の医療では元通りには回復できないという。両親は共働きのまま、葉月ちゃんの介護もすると決めた。葉月ちゃんは寝ている間もたんの吸引が必要なため、母・千香子さんが付き添っている。葉月ちゃんは千香子さんに頼んでSNSを始め、楽しかったことを発信している。SNSがきっかけでアーティスト・Satolyさんとの交流も始まり、札幌で開かれた個展には2人が一緒に描いた作品も展示された。今年5月、葉月ちゃんは人工呼吸器と気管を繋ぐ「カニューレ」を声が出せるタイプに交換した。

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現在の葉月ちゃんは体調が良い日は朝起きてから夜寝るまで人工呼吸器を外して声が出せるようになった。自宅近くの小学校を訪れて同学年の子どもたちと交流した。いつもと違う賑やかな教室に最初は緊張していたが、仲間と一緒に授業を楽しむことができた。みんなと同じ中学校へ進学することが目標になっている。

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旭川市立知新小学校旭川市(北海道)毛様細胞性星細胞腫
いつか、旦過で

ことし12月8日、小倉昭和館は1年4カ月ぶりに客を迎え入れた。大正時代から100年以上続く「旦過市場」の隣にある。2022年4月19日に旦過市場で火災が発生し、42店舗が被災した。被災を免れた小倉昭和館は市民の集いの場となったが、8月10日に再び火災が発生し、小倉昭和館も焼けてしまった。1939年に創業した小倉昭和館は昔ながらの2本立てでフィルム上映を続けてきた。館主の樋口智巳さんは父・昭正さんから引き継ぎ、2012年に3代目館主となった。2016年には故・大杉漣さんのトークショーを行うなど著名人にも親しまれてきた。年間パスポートの払い戻しの際には多くの温かい声に励まされ、火災から3カ月後には北九州市内のホテルを借りて上映会を開催した。その後も月に1度「出張昭和館イベント」を開催した。全国から1万7000筆の再開を望む署名と4000万円を超える支援が集まった。12月8日のプレオープンには樋口さんの父で2代目の昭正さんも駆けつけた。上映作品は「ニュー・シネマ・パラダイス」。火災で焼けていく劇場、人々の思いで再建される劇場というストーリーが重なったという。

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(エンディング)
エンディング

エンディング映像。

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