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ここは神戸の街角にあるお好み焼き屋さん。香ばしいソースの香りに誘われて1日中多くの人たちが訪れる。阪神淡路大震災から復興を歩んできたこの街の片隅。小さなお好み焼き屋さんに3日間、カメラを据えた。
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- 神戸(兵庫)
港町・神戸の下町、長田区の商店街の一角にあるお好み焼き屋さんが今回の舞台。撮影開始直後、母娘で訪れているお客さんがいた。娘さんが小さい頃から、30年以上通っているという。創業40年のお店で、豚玉、イカ玉、すじ玉の3種類のお好み焼きがある。今度は男性の一人客。お好み焼きはここでしか買わないという。商店街の直ぐそばの公園には復興のシンボルだという鉄人28号の巨大モニュメントがある。男性はこの公園で、購入したお好み焼き(豚玉)を食した。男性は73歳、この近所で一人暮らしをしており、よくここでテイクアウトした昼ごはんを食べるという。続いて若い男性客が訪れた。店員さんとずいぶん仲がいい。就職の報告も兼ねて母親と立ち寄った高校3年生だった。別の若いお客さんが。トリッキングというスポーツをしているという19歳の男性は、お店とは生まれた時からの付き合いとのことで、顔なじみの店員さんから無料で大判焼きを手渡されていた。続いて高齢の女性。大判焼きが大好物という女性は生まれも育ちも長田区。銀行に行き、図書館に行き、お腹がすいたので立ち寄ったのだという。続いてちょっと遅めのお昼ごはんを買いに来た女性のお客さんがいた。阪神淡路大震災で父親を亡くしたという女性は、その経験を話してくれた。商店街は全壊し、10年以上かけて再建されたのだという。お昼すぎ、テーブルに座る二人組の女性がいた。ご近所同士でどちらも子どもが独立し一人暮らしということで、よく一緒に来るのだという。夕方5時過ぎ、2人組の少年がいた。1個100円の大判焼き。外で遊んでお腹が空くとよくここに食べに来るという。食べながら恋バナをするとのこと。夜8時、閉店時間を迎えた。
撮影2日目。朝9時、仕込みが始まっていた。店主の坂元さんの休みは月に2日だけで、あとはずっと営業しているらしい。30歳の時に脱サラしてお店を始めた。「おいしかった」が一番の励ましになるとのこと。10時、開店時間を迎えた。買い物かごを持った小さな子どもが一人で訪れた。同じ商店街にある八百屋さんの息子さん。昼ごはんのおつかいでよく買いに来るという。今度は女性の一人客が。美味しいし安いので、何十年も通っているという地元出身の女性。番組スタッフさんに大判焼きをおごってくれた。震災の経験も話してくれた。街は整備されたが、長田区の人口は減り続けているという。夕方、きのう出会ったの男の子がお母さんと一緒に来ていた。お母さんによると、やんちゃだけど優しい子だという。この近くで生まれ育ったというお母さん、ご主人とは訳あって2年前に離婚したが、育ち盛りの3人の子どもたちのため日々働いているという。
撮影3日目。大判焼きを買う男女がいた。子どもには内緒でデートに来たというご夫婦だった。夫はスポーツトレーナーをしている。結婚を機に妻の実家のあるこの街に移り住んだという。夜、1人の女性客がいた。新長田発祥のアイドルグループKOBerrieSのメンバーだという。KOBerrieSは神戸の希望のシンボルとして震災の10年後から始まったアイドルグループ。女性はもともとアナウンサーを目指していたが叶わず、挫折感をバネに歌にダンスにがむしゃらに頑張る毎日を送っている。落ち込むこともあるが、お店の人とのふれあいに元気づけられ助けられることも多いという。どれだけ時代がめぐっても、この街に残る人情に温められて、人は明日を生きていく。
撮影4日目。女性の一人客がいた。大工の夫に合わせた朝型生活を数十年送っているという。続いて男性の一人客。20年間通い続ける81歳の元教師、カステラよりも大判焼きが好きだという。
ドキュメント72時間の次回予告。