2025年12月10日放送 22:00 - 22:58 テレビ東京

ワールドビジネスサテライト
WBS

出演者
豊島晋作 竹崎由佳 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

(ニュース)
冬のボーナス 物価高と人手不足で変化?

今日12月10日は多くの民間企業や公務員にとって冬のボーナスの支給日にあたる。民間企業の平均では前の年から2%以上の増加が見込まれている。今年のボーナス事情を取材すると長引く物価の高騰や人手不足を受けた変化が見えてきた。東京・新橋で街行く人の冬のボーナス事情を聞いてみると「借金返済」や「年末年始に美味しいものを食べたい」「子どもの学費やローン」などという意見があった。今年の冬のボーナスの見通しは民間企業の平均でおよそ42万円。1年前と比べて2.3%伸び5年連続の増加が見込まれている。一方、国家公務員は政府が今の国会に提出している給与法改正案が成立すれば74万6000円が支給される。帝国データバンクの調べではこの冬、全体の8割以上の企業がボーナスを支給する予定と回答。ただ、支給額を増やす企業はおよそ2割にとどまっている。支給額を増やすという回答が業界別で最も多かったのは運輸倉庫業。ドライバーの人手不足が深刻で33.6%に達した。また金融業も支給額を増やすと回答した企業が3年連続で増加。株高や金利の上昇で銀行や証券会社の利益が拡大していることが要因とみられる。

今年大きな問題となったコメ不足もボーナスに影響。価格の高騰などに伴い農林水産業は32.5%が支給額の増加を見込んでいる。そうした企業の一つが埼玉県のブランド米、彩のきずなを作っている行田市のあらい農産。雇用する従業員は全部で3名。今年のボーナスは異例だった。この会社では生産するコメのほとんどを直売していて今年は米の収穫量が多く販売価格の上昇もあったことから利益は例年の1.5倍の予想に。これまで10年以上も、冬のボーナスは給与の1.5か月分の支給だったが今年は2か月分の支給に踏み切った。ただコメ価格の推移が読めない今後については「来夏は上がると思うけど、冬はわからない。農業は自然が相手なので何があるかわからない」と話していた。

大企業ではあえてボーナスを減額する動きも出ている。大手ゲームメーカーのセガは来年4月からボーナスを月給に振り分けて国内社員の基本給を平均でおよそ10%引き上げる。ボーナスも含めた年間の収入としても4%上昇する仕組みになっている。セガは海外での自社のキャラクターなど知的財産を活用したIP事業の強化に伴い優秀な人材の獲得を進めている。月給が増える今回の制度改正が役立つとにらんでいる。こうしたボーナスを月給に振り分ける動きは、大企業を中心に広がっており、2022年度に導入したバンダイはボーナスの回数を年2回から1回に変更。ソニーグループ本体や大和ハウス工業は今年度から制度を改定している。一方、この制度では一度、月給に振り分けてしまうと簡単には減額ができないため、企業側のデメリットになりうると指摘する声もあり、こうした動きは今後も広がるかについて「実質賃金を上げるとなれば、物価上昇を超える給料の引き上げがなければならないので、今後もボーナスの給与化は進んでいくのではないか」と指摘している。

中継 まもなく結果発表 FOMC利下げ決定か

さて、アメリカの中央銀行にあたるFRBは金融政策を決める、FOMCを開いていて日本時間の明日午前4時に結果が公表される。今回の会議では0.25%の利下げが、ほぼ確実視されている。金融市場は89.6%という高い数字で3会合連続での利下げを見込んでいる。FRB本部の改修工事が現在も行われていることから今回のFOMCは隣のビルで行われているが、あと6時間ほどあとに政策の決定内容が公表される。利下げが確実視されるきっかけは常に金融政策の決定に投票権を持つ重要ポストNY連銀のウィリアムズ総裁の発言。先月、雇用の下振れリスクが高まる一方インフレのリスクは和らいでいると指摘していた。先週発表された11月の民間の雇用指標では実際に雇用者数は市場予想に反し3万2000人減少しており、今回の利下げが確実と見られている。

FOMCの次の焦点は来年も利下げを続けるのかどうか。「雇用の下支えのために利下げを続ける」「目標の2%を上回り続けるインフレの抑制を重視し利下げを一旦停止する」という2つの見方がはっきりと分かれている。FOMCに2014年から10年間参加したクリーブランド連銀のメスター前総裁はテレビ東京のインタビューに対し今回の利下げを容認する一方、インフレを警戒し来年は利下げを停止すべきと主張している。今回のFOMCでも利下げの停止を主張して最大4人程度が反対を投じる可能性が取り沙汰されている。一方でトランプ大統領に指名されたミラン理事が、0.5%の大幅な利下げを求める可能性があり、FOMC内部の意見対立が露呈するだけで来年の金利の方向感は見えないかもしれない。一方、来年5月にパウエル議長は任期を終える。トランプ大統領は自らに近い国家経済会議のハセット委員長を議長に送り込んで利下げの継続を求めていくと言われているが、トランプ大統領の思惑どおりにはいかないのではないかという見方も最近出てきている。ただ9日のアメリカメディアのインタビューでトランプ大統領は「利下げを支持することが次期議長候補のリトマス紙、試金石となるか」と問われ「YES」と即答している。また有力候補のハセット氏も9日イベントで利下げの余地は十分にあると改めて主張していたという。

解説 “パウエル発言”次第で波乱も 年末ラリーで株高の可能性は

日本経済新聞コメンテーターの梶原誠は「雇用のデータが良くないので利下げするんじゃないかと思う。特にレイオフが目立っていて、ハイテクとかコンサルの間でもやっているので、下げてくるだろうと思う」と予測。一方「インフレ懸念が和らいだという指摘もあったけれども決して、そんなわけではない」と指摘。 理由として関税の影響や株が上がっていることで物価の上昇圧力になるっていうシナリオも来年を通じて、くすぶるという。FRBのパウエル議長としては、さらに利下げを示唆すればこれ景気と株価にはプラスでいいけれどもそれでインフレを加速させてしまうかもしれないと考えており、相当難しい判断に今後なっていくが梶原は「それは議長の仕事で、過去にはそれをうまく乗り切った議長もいた」として90年代にFRB議長を務めたアラン・グリーンスパン氏の例を挙げた。そのうえで「AIで生産性が高まって物価上昇の芽をつむっていうシナリオもあれば、AIは人の雇用を奪うという指摘もある。どっちを取るかっていうのは今後のパウエルさんも次の議長も大きな課題となってくるだろう」と指摘した。梶原は以前出演した歳「株価が堅調で年末ラリーがあるのではないか」と以前指摘していたが「これまでの利下げ、それから景気対策の効果が出てくるのはこれから」として年末ラリーの可能性を改めて指摘した。

レーダー照射問題 日中が反論応酬で…緊張高まる

中国軍機による日本の自衛隊機へのレーダー照射問題で日中の主張が真っ向から対立している。今日午前、臨時の会見を開いた小泉防衛大臣。発端となったのが中国軍が自衛隊側に訓練を事前通知したとして公開した音声データ。中国側は、これを反論の余地がない証拠と主張。国営メディアは中国軍が複数回の通知を行い自衛隊側からも返答があったとしたほか中国軍機が自衛隊機のレーダーを感知したと説明した。これに対し小泉防衛大臣は中国側から訓練を開始するとの連絡があったことを認めたうえで「訓練を行う場所の緯度経度を示す航空情報もなく、船舶などに示す高校情報も事前に通報されていない」と主張。こうした日本側の反応に対して中国外務省は「前後が矛盾し誤魔化している」と反論している。一方、アメリカ国務省は日本へのアメリカの責務は揺るぎないと強い支持を示した。日中双方の主張が真っ向から食い違う中焦点の一つとなっているのが中国側が公開した音声データそのものの信憑性。音声解析の専門機関「日本音響研究所」に中国軍が公表した音声の分析を依頼すると。。AIで生成された音声に特有の不自然さが確認できなかったことから音声そのものは、本物の可能性が高いと指摘する。ただ、この音声が使われた動画については意図的な編集がされている可能性が五分五分と指摘した。。その根拠として挙げたのが、2つの違和感。通常、音声には僅かな背景音が模様のように重なって声紋として現れる。しかし、今回の音声には、その特徴が確認できなかったという、さらに発言者の息継ぎも確認できなかったとしている。また、この音声公開という情報戦ともいえる動きには、中国側の意図を読み解く必要もある。自衛隊の元統合幕僚長の河野広俊さんは中国側は訓練を事前に告知していたと主張しているが公開された音声はあくまでも一部のやり取りに過ぎず、日本側が求めている説明とは食い違っていると指摘する。

WBS Quick
補正予算 今国会で成立へ 国民民主も賛成表明

国民民主党の玉木代表は政府の経済対策の裏付けとなる今年度の補正予算案について採決で賛成する方針を表明した。これにより補正予算案は与党が過半数に達していない参議院でも可決することが可能となり今月17日までの今の国会で成立する見通しが立った。与党側はあすの衆議院本会議で採決し参議院に送りたい考えで、採決では公明党も賛成する方向で調整している。

豪 16歳未満はSNS禁止 世界初 最大50億円の罰金

オーストラリアで16歳未満の子供がSNSを利用することを禁止する法律が施行された。国レベルでの禁止措置は世界で初めてとなる。Xやインスタグラム、YouTubeなど10のSNSを対象に16歳未満が接続できなくするよう義務付けるもので、SNSを介したいじめや性的搾取を防ぐとともに長時間の利用による依存の解消を目的としている。違反した場合は、運営事業者に日本円で最大およそ50億円の罰金が科される。アルバニージー首相は「子供は子供らしく過ごし親は安心感を持てるようになってほしい」と語った。

泊原発再稼働 知事が同意 2027年の再稼働目指す

北海道の鈴木直道知事は今日、道議会で北海道電力の泊原発3号機の再稼働に同意すると正式に表明した。再稼働により電気料金の引き下げが見込まれることや経済団体から要望があったことを同意の理由としている。泊原発3号機は福島第一原発で事故が起きたあとの2012年から停止しているが7月に原子力規制委員会の審査に合格していた。北海道電力は2027年の早い時期に再稼働することを目指している。

アサヒビール 売上高2割減 落ち込み幅拡大

アサヒビールは今日先月の売上高が概算で1年前に比べおよそ2割減少したと発表した。10月に比べて落ち込み幅が拡大した。9月下旬にアサヒグループホールディングスでサイバー攻撃によるシステム障害が発生し歳暮などギフト商品の出荷を制限したことに加え10月に受注を再開した際に注文が多く入った反動が出たものとみられる。出荷についてアサヒビールは、来年2月までに正常化することを目指している。

スペースX 上場を検討か 2026年にも 4.7兆円調達目指す

アメリカの実業家イーロン・マスク氏が率いる宇宙開発企業スペースXが新規株式公開の準備を進めていることをブルームバーグ通信が伝えた。

(ニュース)
新宿駅周辺で訓練 都独自の“避難システム”

おととい青森県で震度6強が観測された地震を受け昨日は5つの道県で、小中学校などおよそ300校が休校していたが今日から、八戸市の学校を含め一部を除き、授業を再開した。ただ、巨大地震の可能性が平時より高まっているとする北海道三陸沖後発地震注意情報が発表されていて後発地震への備えも必要。そうした中、東京都新宿区で行われたのは震度6弱の地震が発生したことを想定した訓練。訓練が行われたビルは東京都が一時滞在施設に指定していて帰宅困難者をどう受け入れるかを確認した。この訓練は新宿区や住友不動産などが合同で実施したもので区の職員やビルのテナントの従業員などおよそ100人が参加した。この訓練は通算6回目になるが今回の訓練で初めて活用されたのが「キタコンDX」というシステム。東京都が開発した帰宅困難者対策のシステムでLINEの公式アカウントを友達登録しておくと災害発生直後に自分の周辺で開設している一時滞在施設を紹介。また、あらかじめ自分の氏名や住所などを登録しておくことで滞在する施設に入館するための手続きを従来よりも簡略化できる。さらに再び地震が発生したときの最新情報を係員がシステム端末を使ってメッセージを入力。送信すると帰宅困難者のスマホにもメッセージが届いた。このキタコンDXは道路の状況や鉄道の運行状況などもリアルタイムで表示することができるため帰宅困難者に最新の情報を届けられるシステムになっている。首都直下地震で453万人の帰宅困難者が出ると想定されていて東京都と連携して、オフィスビルを一時滞在施設として開放している住友不動産の担当者は「帰宅困難者になるべく早く建物内で滞在して欲しい。キタコンDXで業務が完結するとスムーズに受け入れられるのではないか」と話していた。

WBS X NEXTテック
“燃やさずに”生ごみが炭になる

腐ってしまうためこれまで燃やして炭にしていた生ごみだが、その処理方法が一気に変わっていくかもしれない。名古屋大学の研究室で実験されていたものがキャベツ。一旦炒めを作っているようにも見えるが、小林敬幸准教授らが起業し展開している炭化技術。特殊なプロトン触媒というものと生ごみを180度の環境でかき混ぜる。この実験室では、天ぷら油で180度を保っている。そして30分ほどかき混ぜると燃やさずにキャベツが炭になった。通常、生ゴミを燃やして炭にする場合CO2など温室効果ガスが大量に発生する。一方、この技術の肝「プロトン触媒」は熱を加えて起きる化学反応では排出されるのは有機物の中の水分だけ。CO2などを出さずに燃やすのと同じように生ごみを炭に変える。燃やさない焼却場のモデルケースが同じ愛知県内にある。愛知・小牧市にある「SUISO no MORI hub」には先ほどの燃やさずに炭にする設備を大きくした環境設備がある。食品の産業廃棄物は肥料や飼料に転用するなど再利用も進められているが年間176万トンが焼却処理されている。こうした焼却炉などを、この燃やさないプラントに置き換えればCO2の排出量を減らせる。さらにこの炭を使う可能性があるのが大手ゼネコンの大成建設。大成建設は階段、柱、歩道などに使うコンクリートでCO2排出が多いセメントを使わない製品の利用を広げている。そこで実験室ではセメントの代わりとなる材料を研究中。その候補として燃やさずに作った炭をコンクリートに混ぜる実験を重ねている。実験していたのは、きのこ栽培の菌床を炭にしたもの。コンクリートの材料に混ぜて固めれば少し黒みがかったコンクリートが完成する。技術開発を主導する名古屋大の小林准教授はさらなる炭の活用先として半導体に使うカーボンの紗良や電子基板への活用を見据えている。

WBS Quick
旅客船で自動運航商用化 世界初 2025年度中にも

日本財団は今日、岡山市と香川県小豆島を結ぶ定期旅客船「おりんぴあどりーむせと」が自動運航機能を活用した商用運航を今年度中にも開始すると発表した。特定の条件下で完全自動運転が可能でセンサーで前方の船を検知し航路を決定するデモンストレーションが公開された。日本財団によると国から自動運航の認証を受けて定期船として商用運航されるのは世界で初めてで船員不足の解消などを目指す。

ノーベル賞授賞式まもなく 坂口教授「楽しみたい」

ノーベル賞の授賞式がスウェーデンでまもなく開かれ、れ生理学医学賞の坂口志文大阪大学特任教授と化学賞の北川進京都大学特別教授に最高の栄誉を示すメダルが授与される。坂口教授は会場に向かう前に記者団に対し「授賞式を楽しみたい」と話していた。

放送・広告128社に指導 公取委 フリーランス法を巡り

公正取引委員会は今日、企業に属さず仕事をする人を守るためのフリーランス保護法に違反したか、違反のおそれがあったとして放送業と広告業の合わせて128社に対し是正を求める指導を行ったと明らかにした。去年11月に法律が施行されてから1年間、個人事業主との取引が多い放送業や広告業を対象に集中して調査を行った結果で指導を受けたのは放送業54社と広告業の74社。業務委託をする際、取引条件を明示していなかったことや支払期日より、あとに報酬を支払っていたことなどの事例があった。

(経済情報)
マーケット最新情報

アメリカの株式先物、ドル円、10年国債、NY金、NY石油の速報値を伝えた。

解説 “悪い金利上昇”をどう防ぐ?成長のビジョンが重要に

長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りは今日、1.955%で取引を終えている。長期金利の上昇傾向が最近気になるけれども今後、この悪いシナリオというのをどう回避していくのか。特に2022年にイギリス政府が大規模減税を打ち出していわゆる金利が急騰して市場が混乱した「トラスショック」というものを高市総理は絶対に避けたいと考えていると思われる。日本経済新聞コメンテーター・梶原誠は解決策について「日本が成長するんだというビジョンを明確に示すことがもうそれしか答えがない」と断言した。例えばアメリカで今、株式市場でピカピカの銘柄の中にパランティアテクノロジーズというビッグデータの解析で急成長した会社がある。これは2003年に創業したときにはアメリカの大手のベンチャーキャピタルもお金出せなかったが、CIAが乗り出してきて軍事に使えるということで、お金を出して今の姿がある。いまこそ成長シナリオ示し、て納得してもらうところまで詰めなきゃいけないという。かつてのアメリカのようにまず成長への意志というのを債券の投資家に見せ、アメリカ国債を買ってもらうことで、長期金利を下げないといけない。高市政権は補正予算が大体20兆円規模とこれ人によってはもうこれあたかも経済危機が起こったような状況の予算じゃないかという批判もあるわけだが、梶原は木になる点として日本国債のデフォルト確率が反映されるCDSの保証料率が韓国より上に行ってると指摘。バラマキや徴税不足がマーケットに見透かされた2009年のヨーロッパ債務危機の再燃が起きないよう神経を使わないといけないと指摘した。

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