2025年12月8日放送 22:00 - 22:58 テレビ東京

ワールドビジネスサテライト
WBS【補正予算案 経済対策を徹底分析!】

出演者
山川龍雄 田中瞳 長部稀 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

(ニュース)
総額18兆円超 補正予算案審議入り “副作用”は…

きょう午後開かれた衆参両院の本会議で審議入りした今年度の補正予算案。立憲民主党の安住幹事長は「はっきり言って遅すぎる。党内政局に時間を使い、苦しみを放置した自民党の責任は重い」と追及した。これに対し高市総理は「新内閣発足まで時間を要したことをお詫びする」と答えた。さらに疑問を呈したのが補正予算案の規模について。今回提出された補正予算案は、一般会計の総額がおよそ18兆3000億円と昨年度から3割増加。このうち半分近いおよそ9兆円を物価高対策などの生活支援策に、さらに6兆円余りを高市総理肝いりの経済安全保障強化など危機管理投資に充てる巨額の予算案となっている。質問を終えた安住幹事長は「放漫財政と言われても反論できない規模と額だ」と指摘した。

政府の生活支援策のうち足元の物価高への対応としてはおよそ3兆円を計上。電気ガス料金の支援のほか、地方自治体を通じておこめ券などを配布し食料品高騰対策に充てる交付金などが盛り込まれている。特に注目されるおこめ券について、今日の国会でも公明党の角田秀穂議員が疑問を呈すなど、議論が取り上げられた。こうした政府の動きをビジネスチャンスと捉える企業も。東京・中野区のホームセンター「島忠」は今月1日から全店舗でおこめ券の取り扱いを開始。政府の政策が明らかになる前の夏から準備していたが、結果的にタイミングが合致した形となった。おこめ券は新米、もち米、パックごはんなどコメ関連商品に使える。取り扱い開始から約1週間、コメを販売する50店舗で既におよそ200枚が利用され、想定以上の反響で来店客の増加にも期待している。一方、おこめ券に慎重な姿勢を示す自治体も。大阪府交野市の山本市長はSNSで「おこめ券は配らない」と明言。福岡市なども発行の時期が読めないことなどから配布しない方針を示している。八王子市でも農水省の説明会で「使用期限が設けられる」と知り、市民が十分に活用できない可能性を懸念。地域独自のデジタル通貨や現金給付などを検討する方針だ。

今回の補正予算案の財源を見ると、税収の上振れ分などで賄えるのは全体の4割以下。不足する約11兆6000億円は国債の追加発行で補われる。日本経済を長く見てきたみずほリサーチ&テクノロジーズの酒井才介氏は「来年度のGDPを0.5%押し上げる効果がある」としつつも国債増発頼みの財政運営には警鐘を鳴らした。高市政権の財政運営への懸念などからマーケットでは円安基調が続き、ドル円相場は1ドル=155円台で推移。10年債利回りは一時1.970%と18年半ぶりの水準となるなど債券安も続く。市場がさらに反応すれば物価高対策がかえって物価高を招く恐れもあると指摘されている。

解説 18兆円超 補正予算案を審議 財政拡張懸念も…評価は?

自治体によって判断がわかれるおこめ券について山川龍雄は「これはもう明らかに愚策。税金というのは集めるのも配るのもコストや手数料がかかるわけでねそれでも減税すればいい。どうしても政治家がね、税金を集めて配りたいのがそれは特定の支持基盤にアピールしたいっていうところがあるわけで、このおこめ券っていうのはもう分かりやすい事例。これで恩恵があるのは結局農業団体とか流通政策関係者。消費者からすれば、これは一旦払った税金がディスカウントされて、おこめ券として返ってくるだけだ」と批判。そのうえで「私はギリギリ責任ある積極財政の公約を守ったと思ってる。確かにエコノミストの方の指摘は分かるですけどもただ高市政権というのはそもそも積極財政を掲げて総理総裁になったから、ここで石破政権のときよりも補正予算の規模が小さかったら期待は剥落して景気だとか株価も下がると思うし、それがひいては税収の伸びを抑えると思う」とコメント。ただ気になるのが長期金利。10年債利回りが18年半ぶりの水準まで上昇している「全体としては、まだ騒ぐほどの水準じゃないと思う。もうデフレからインフレに変わってる中でね、金利が上昇するのはある程度当然ですし、ゼロ、いわゆるインフレ全くゼロ金利という状態がおかしかったんだと思う。いずれにせよ高市政権の経済政策というのはこの金利のところと、為替、円安のところがサーキットブレーカーになる。ただ私はまだブレーカーが落ちる状況ではないと思っている」とコメントした。

日中関係さらに深刻に… “レーダー照射問題” 主張は平行線

今日、木原官房長官が危険な行為と指摘したのはおととい6日に起きた中国軍機によるレーダー照射について。防衛省によると、沖縄本島の南東の公海上で中国海軍の空母「遼寧」から飛び立ったJ15戦闘機が日本の航空自衛隊のF15戦闘機に対しレーダー照射をした。このレーダー照射は、すぐにでもミサイルを発射できる状態にする行為で、この事態を受け、小泉防衛大臣は昨日午前2時に急きょ会見を開いた。「遼寧」とミサイル駆逐艦3隻は6日に沖縄本島と宮古島の間を通過。中国海軍のJ15戦闘機によるレーダー照射は午後4時32分頃からと午後6時37分頃からの2回にわたり断続的に実施された。その後「遼寧」などは鹿児島県喜界島の東の海域を航行しているのが確認されている。防衛大臣経験者である自民党の小野寺五典安保調査会長からも懸念の声があがった。一方、中国側はこうした非難に対し、日本が正常な訓練に深刻な影響を与えたと反発の姿勢を見せている。今日の中国外務省の会見でも中国軍機のレーダー照射については各国が安全な飛行のために取る通常の動作だと強調。日本の主張とは平行線をたどっている。台湾有事に関する高市総理の発言などをめぐり日中関係が悪化する中、起きた今回の事態に北京市民からは「軍事的な摩擦が交流に影響しないことを望んでいる」などという声があがっていた。

中継 レーダー照射で日中が駆け引き 問題は「長期化」の見方広がる

中国政府はレーダー照射を正当化しているけれども、日本政府としては、冷静かつきぜんと対応していく考えだ。ある外務省幹部は「慎重に事実確認を積み重ねているため、自分たちの説明には自信を持っている」と話している。自民党内からも「国際世論戦を勝ち抜くため、エビデンスを時系列で確認し各国の言語で発表するべきだ」との意見も出ている。実際に昨日、小泉防衛大臣と会談したオーストラリアのマールズ国防大臣が中国の動きを大変憂慮すると発言するなど国際的な世論作りは始まっている。官邸幹部は「日本を支援する発言が出たのは良かった」と話していた。一方、中国がそもそもレーダー照射をした背景には台湾有事をめぐる高市総理の発言などを受けて日本への渡航自粛など人的交流の面で圧力を強めてきていて、新たに軍事的なカードを切ってきたと言える。中国政府は経済的なカードの効果は薄いとみて軍事的なカードに切り換えてきた。例えば日本企業を狙い撃ちにしてレアアースの輸出規制などの経済的なカードを切ることができれば韓国や欧米など外資系企業の中国への投資マインドも冷え込んでしまいかねない。中国は今、経済の立て直しに非常に苦心しているので、これはなんとか避けたいところだ。今回のように軍事力を誇示することで国内の結束を図りたいという意図も見え隠れしている。問題の収束までの見通しについて、日本政府は過去の例に照らして長期化は避けられないという見方をしており、海上自衛隊の哨戒機が韓国軍の艦艇からレーダー照射を受けた問題では両国が主張を曲げず平行線のまま協議が打ち切られ関係改善に長い時間を要した。今回の問題でも日本側としては主張を撤回することは考えていないので政府与党内では、当時の韓国との協議のように長期化するだろうとの見方が広がっている。

NTTが日比谷拠点に “IOWNシティ構想”とは

NTTは今月1日に着工し。2031年に竣工予定のNTT日比谷タワーに本社を移転すると発表した。高さ230mの高層複合ビルには次世代情報通信基盤の技術IOWNが全面的に実装される。今日報道陣に公開された新たなビルの構想は地上48階、地下6階と複合施設として国内最大級となる。この日比谷タワーに実装されるのが次世代情報通信基盤の技術、IOWN。新しい光ファイバーを使った大容量伝送やデータを圧縮せずに届ける仕組みを備えた新しい通信技術だ。世界の会場とつないだ臨場感あるスポーツ観戦や巨大なデータを扱う立体的なバーチャル映像も楽しめるようになる。また11階から42階はオフィスフロアの予定で、IOWNの活用で将来的には消費電力を現在の100分の1にまで抑えられる。IOWNが実装されたタワーでは世界中の企業とほぼ遅延なく、リアルタイムで同じデータを扱うことができ国境を越えた共創が当たり前になる。

既にIOWNの実装に動き始めている企業がある。世界184か所に拠点を持つヨーロッパ最大級のソフトウェア企業ダッソーシステムズは製造現場で使われる3Dの設計ツールを開発する企業では双方が同じ3Dモデルを見てリアルタイムに調整する場面を想定している。実はこの2つの画面大手町からおよそ20km離れた武蔵野市のデータセンターをIOWNで接続し動かしているもの。往復40km離れた場所での同時作業を再現した実証実験。IOWNがなければ、データを開くだけでも数時間かかる遠隔での同時編集は事実上不可能だった。しかし、IOWNを使うとわずかな遅れは残るものの遠隔地からのリアルタイム同時操作に世界で初めて成功した。今後の事業展開で番組が注目したのは、島田社長の「光の街」という言葉だ。IOWNを軸にしたオフィスづくりや都市開発を海外にも広げるのか、島田社長に直撃すると「IOWNシティのような概念ができたら」と青写真を描いていた。一方、今回IOWNの課題についても聞いたところ、IOWNの技術を利用するには、やはり通信する双方がIOWNの技術を導入する必要があるので、今後IOWNの導入場所を増やしていくことが必要になってくるということだった。

WBS Quick
定数削減法案 審議入り拒否

議員定数の削減法案について、野党側が審議入りを拒否した。自民党と立憲民主党の国対委員長が国会内で会談し、自民党側は衆議院の議員定数を削減する法案について、審議入りさせるよう求めた。これに対し立憲側は、先に提出された企業・団体献金の扱いをめぐる法案を優先すべきとの考えを示し、折り合えなかった。引き続き協議する見通し。

7-9月期GDP 下方修正

内閣府が発表した今年7月~9月までのGDP(国内総生産)の改定値は、物価変動の影響を除いた実質で前の3か月に比べ0.6%の減少だった。年率に換算すると2.3%のマイナスとなった。11月に発表した速報値のマイナス1.8%から下方修正された。アメリカのトランプ関税の影響で輸出を下押ししたことが打撃となり、1年半ぶりのマイナス成長となった。

10月実質賃金↓0.7%

厚生労働省が公表した10月の毎月勤労統計調査によると、物価変動を考慮した一人当たりの実質賃金は1年前と比べて0.7パーセント減り、10カ月連続のマイナスとなった。名目賃金にあたる現金給与総額は1年前と比べ2.6パーセント増え、46カ月連続のプラスとなった。食品などの物価高騰に賃上げペースが追いついていない状況が続いている。

11月対米輸出 ↓28.6%

中国政府が発表した11月の貿易統計によると、アメリカ向けの輸出は1年前に比べ28.6パーセント減った338億ドルだった。アメリカとの貿易摩擦は落ち着きつつあるものの8カ月連続のマイナスで、減少率は前の月から拡大している。一方、アメリカからの輸入は19.1パーセントマイナスの101億ドルで、前の月と比べてマイナス幅が縮小した。米中両国は11月に関税をそれぞれ引き下げたため、市場では12月は中国の対米輸出は好転するとの見方が出ている。

WBS X 経済のゲンバ
日本企業が注目「F1」

テーマは今、日本企業も注目するF1。先月、東急プラザ渋谷でF1レースのパブリックビューイングが行われ、F1 ラスベガスGPが中継された。F1のファン数は2025年、8億2700万人に拡大。F1日本グランプリ観客動員数もここ数年増えている。F1ファン層の42パーセントが35歳以下。2019年からネットフリックスでF1のドキュメンタリーを配信。若い世代のファン獲得につながった。イギリスのオックスフォードでハースF1チームを取材。F1は全10チームで争うがトップチームはフェラーリなどの自動車メーカーやレッドブルなど世界的な飲料メーカーといった大企業が支援。ハースはアメリカのチームで、10チームの中で最小規模。小松礼雄代表は高校卒業後に単身渡英。下積み時代を経て2024年にハース代表就任。前年最下位だったが2024年は7位、2025年は8位。小松は資金が必要などとコメント。F1チームは車体を自分たちで開発するため、年間200億円以上の資金が必要。小松代表は資金集めのため日本企業に目を向け、先週、東京の丸の内を訪れた。日経人財グロース&コンサルティング 特別セッションでは、多くの企業が小松の話に興味を持っていた。国内で発電事業などを手がけるJパワーのイノベーション推進部、井手一久は、F1の観戦を通じて若手を引きつける取り組みがあり得るなどとコメント。

F1人気 企業も注目

トヨタ自動車の豊田章男会長は、トヨタはついに本気で動き出したなどとコメント。ハースの皆さんと共にモータースポーツの文化とチームを創る挑戦を本気で進めていくとした。F1チームのハースで代表を務める小松礼雄が、チーム強化に向けた資金を集めるために目を向けたのが日本企業。先週、豊田会長と面談。トヨタは人材育成や車両開発の分野でハースと業務提携を結んでいた。関係を強化し、2026年からハースのタイトルスポンサーになることを発表。チーム名はTGRハースF1チームとなる。小松代表はパートナーと一緒に成長しながら世界チャンピオンをとれたら、これ以上素晴らしいことはないなどとコメント。

解説 若者や富裕層 F1人気高まる 米メディア企業参入が転機

テレビ東京解説委員の山川龍雄が解説。2017年、ヨーロッパのファンドが持っていたF1事業をアメリカのメディア企業リバティが買収したのが転機となり、世界的F1人気が高まった。リバティメディアのF1事業の業績は年々拡大。特に営業利益が増えている。リバティは若者や女性ファンを取り込んだ。ネットフリックスに制作を依頼してドキュメンタリー番組を作り、世界的にヒット。他にも富裕層を取り込む施策が功を奏した。接待や社交の場としての使用を見込んだ戦略。F1はアメリカのスポーツビジネスの手法を取り込むことで復活。ホンダが来年再参戦。トヨタも関わりを深めようとしているが、現時点では参戦を考えていない。ハースと連携を深めることでF1文化を側面支援。

WBS Quick
SBI新生銀行 1株1450円

SBIホールディングス傘下のSBI新生銀行は東証プライム市場への上場に伴う株式の売り出し価格を1株当たり1450円に決めたと発表。上場時の想定時価総額は約1兆2980億円となり今年最大のIPO新規株式公開となる見込み。投融資などの分野で業務提携した農林中央金庫やアメリカの投資ファンドKKRも出資。上場は17日の予定。

グリコ「ポッキー」など自主回収

江崎グリコは今日、ポッキーなどチョコレート菓子の20品目約600万個を自主回収すると発表。本来の風味と異なる商品が流通した為で原因は物流倉庫の改修工事に伴い、暫定的に主原料のカカオ豆と香辛料を同じ倉庫で保管したことで香辛料の香りがカカオ豆に移ったという。江崎グリコは安全性に問題はないとした上で再発防止のため、倉庫保管ルールや検査体制の見直し品質管理の徹底を図るとしている。

NHK会長に井上氏昇格

NHKは来年1月に任期満了を迎える稲葉延雄会長の公認に井上樹彦副会長を昇格させると発表。元日銀理事の稲葉氏を含め外部から会長を6人登用し続けていたが、井上氏は18年ぶりの生え抜きで政治部長や編成局長、理事などを歴任。会長を任命するNHK経営委員会の古賀信行委員長は、受信料収入の減少やネット配信などの課題を踏まえNHKの現状を理解している人ということで選任したとしている。

(ニュース)
スシロー 上海初出店14時間待ち 日中関係悪化の中で…株価も↑

日本の回転寿司店スシローが中国上海市で2店舗オープン。上海への進出は初めて。店の前には長蛇の列。開業当日の6日と7日はいずれも開店時点で約700組が並び、最大14時間待ちとなった。運営元のFOOD&LIFE COMPANIESは開業2日間の来店客数について想定を大きく上回ったとしている。中国本土のスシローの店舗数は71となった。来年9月時点でスシローなどの海外店舗を300以上に増やす計画で内7割程度を中華圏で展開するとしている。運用元の株価は一時4.3%上昇、きょうの終値は1.4%高い7714円だった。

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