- 出演者
- 田中瞳 後藤達也 古旗笑佳
オープニング映像が一部しか流れず、キャスターがお詫びした。
日銀が政策金利を1%程度で据え置くことを決めた先月の決定会合で、金融政策を議論する複数の委員が早期の利上げに前向きな姿勢を示していたことが今日明らかになった。委員からは「一定の利上げペースにとらわれず、機動的対応や利上げ幅の議論が必要となる新たな局面に転換した。」「金融緩和度合いの調整をペースアップする必要がある。」「物価の上振れリスクには、これまで以上に配慮する必要がある。」「利上げのペースが市場の想定より早まることも考えられる。」といった、物価の上振れリスクを警戒し利上げのペースを加速する必要があるとの意見が相次いでいた。日銀ウォッチャーで東短リサーチの加藤出さんは「物価の上振れリスクに注目している委員が増えてきたなという印象を受けた。インフレの水準が目指している2%に近づいてきている。そういう時に上振れリスクが出てくると全体が上がりすぎてしまうため、利上げのペースを縮める方がいいというロジックになっている。」と解説した。
7月の会合で利上げを提案したのは9人の政策委員のうち高田委員1人だったが、実際には複数の委員が利上げに前向きだったことが分かり、市場では次の9月の会合で日銀が利上げに踏み切るとの観測が強まっている。東短リサーチによると市場が予想する9月会合での利上げの確率は66%。10月会合までに利上げするとの予想は96%に上りほぼ確実とみられている。7月末、日米が強調して為替介入を実施し、円安の原因の一つとされる日米の金利差を縮めるために日銀が早期に利上げを行うとの見方が広がっている。さらに年内にあと2回の追加利上げを予想する見方も40%を超えている。加藤さんは「もしその日米協調介入というスタンスが当局から示されているにもかかわらず、円安が止まらないというようなことになると年内2回という可能性は出てくる。」と指摘。今日決算説明会を開いた住宅大手、住友林業の光吉敏郎社長は「駆け込みの起こるリスク、特に一次取得者層への影響というのは懸念材料である。」。さらにタイヤ大手、横浜ゴムの山石昌孝社長は「もし為替が大きく円高に振れた場合、我々は売上の7割が海外なので若干影響がある。」とコメントした。
きょう発表された日銀の7月の決定会合の主な意見について後藤達也は「この会合では高田委員は1人利上げを提案していたが、残り8人の人は現状維持を提案していたわけだから、他のメンバーからもこれほど利上げを急ぐようなコメントがあるのかというのは市場も意外に受け止めていて、マーケットも反応した。」とコメント。背景には為替が最近少し円高になってるとはいえ、春以降円安が続いており、イラン情勢の影響で企業間のいろんな仕入れ価格が上がっていて、波及する形で秋頃から消費者の物価にも波及してくるという見方が増えてきているということと、日本でもAI投資が急増から製造業の景況感が上がり、メモリーの価格の上昇とかでパソコンとか携帯電話の値上げも影響する可能性があること、さらに東短リサーチの加藤さんが指摘した通り政府が利上げを容認する可能性もあるというところをあげた。後藤は「日米で協調介入したし、ベッセント財務長官が日銀に利上げを促すような発言もしているので、ここで政府が日銀に利上げをするなというようなことをしてしまうとアメリカとの関係がギクシャクしてしまうリスクもある。」と指摘した。こうした環境の中、日銀がいつ追加利上げに踏み切るかのタイミングについては2年もの国債の利回りの上昇を手がかりに「来年には場合によっては1.75とか2.0%にまで上がっていくというような見方がある。9月に利上げがあるかどうかはマーケットの状況とかにもよるのでまだはっきりはわからないが、8月27日に氷見野副総裁の講演があるので、仮に日銀内で9月利上げの意識がかなり高まっているようであれば、それを地ならしするような発言も入ってくるかと思うのでそこに注目したい。」とコメントした。
「”AI脅威”日本はどう対処」など主なニュースを紹介。
先月ニチレイがサイバー攻撃を受けた問題で、ロシア系のハッカー集団「ランサムハウス」が日霊から盗んだとする個人情報などのデータを匿名性の高いインターネット空間「ダークウェブ」で公開したことが明らかになった。 ウェブサイトには海外の銀行や地方自治体とみられる、攻撃対象となっている企業や団体の一覧が記載され、その一番上にニチレイの名前があった。取引先の連絡先や従業員の通勤費用、それに勤務票など、ニチレイのものとみられるデータおよそ27万件が公開された。S&Jの三輪信雄社長は「27万はランサムウェアグループが公開するファイル数としては多い部類だ。」と指摘。ニチレイはこれまで個人情報が漏洩した可能性があると発表しているが、詳細は明らかにしていない。今回の件についても「本件について把握しているが、コメントは差し控える。」と述べている。先月13日、サイバー攻撃によるシステム障害が発生したニチレイは出荷業務が停止したことなどで、売上高を50億円押し下げる事態となった。21日にはランサムハウスが犯行声明を公開。「機密データの流出を望まないならば連絡するように。」と求めていた。三輪さんは「ニチレイが交渉に応じなかったため、ハッカー集団が公開に踏み切った。」と見ている。こうした日本の大手企業に対して相次ぐサイバー攻撃の背景について「今はAIもあるので言葉の壁がなくなって今まで敬遠していた日本が割と手つかずの企業が多いので攻撃グループが目を向いている。」と警鐘を鳴らした。今ちょうどお盆休みの時期だが、サイバー攻撃は休日の深夜を狙って攻撃してくることが多く、人がいないうちに暗号化し朝になって気づくケースがあることから、24時間体制で監視する環境を整えることが大事だという。
アメリカのウォール・ストリート・ジャーナルは、トランプ大統領がイランとの戦闘を巡り、エネルギー輸送の要衝、ホルムズ海峡が完全に開放されれば核問題が解決しなくても勝利宣言する考えを示していたと報じた。トランプ氏は昨年6月の攻撃でイランの主要な核施設を破壊したとして、自身の大統領任期中にイランが核開発を再開することはおそらく不可能だとしている。ただ、この出口戦略は、イラン側がホルムズ海峡の開放の条件として戦闘で生じた被害の補償など6つの条件を新たに突き付けたことで困難になっているという。
楽天グループが発表した1月から6月までの決算は、本業のもうけを示す営業損益が504億円の黒字に転換した。中間期の黒字は2019年以来、7年ぶりとなる。金融事業やインターネットサービスが好調で、携帯電話事業の赤字を補った。
台湾の半導体大手TSMCが発表した先月の売上高は、1年前と比べて44.7%増加した。拡大するAI需要に加え、最先端となる2ナノメートルの半導体の量産が本格化し、2カ月連続で単月として過去最高を更新した。
財務省が発表した今年上半期の国際収支速報によると、海外とのモノやサービスなどの取引状況を示す経常収支の黒字額は17兆4292億円で、1年前に比べ22.5%増加した。比較可能な1985年以降で、上半期として最大の黒字額となった。海外投資による配当金の拡大や、電子部品の輸出が伸びたことなどが要因だという。
東京商工リサーチによると、先月の企業倒産は1年前より6.9%増えた1028件だった。2カ月連続で1000件を超え、7月としては13年ぶりの高水準となった。人手不足による倒産が1カ月当たりの最多件数を更新したほか、物価高による倒産は8カ月連続で1年前を上回った。
いまや社会を大きく変え始めているAI。しかしアメリカのオープンAIは最新モデル「アストラ」がサイバー攻撃に関する能力が非常に高いため、開発を一時停止すると発表。4月にはアンソロピックが手掛けるクロード・ミュトスの脅威が表面化した。我々はAIとどう向き合うべきなのか、日本のAI産業の進むべき道に迫る。
日本のAI政策のキーパーソンである自民党の塩崎彰久衆議院議員がスタジオ生出演。自身のAI活用法について「地元でいろんなイベント情報を集めたりとか、例えばお悔やみ情報を集めたり、こういったものはAIに自動的に探してもらってお知らせしてもらえるようになっているし。例えば議員立法で国会答弁に立つ時なんていうのも、質問通告してから自分でAIを使って想定問答の叩き台を作ったりしている。」と説明した。塩崎議員はアンソロピックのアモデイCEO、オープンAIのアルトマンCEOとの親交も深く、日本の国会議員の中でもかなりのAI通と見られているが、最近取り沙汰される「AIの脅威」について聞かれると「我々自民党で今年の4月にAIホワイトペーパーを出させていただいてから数ヶ月間の間にAIの脅威の質が本質的に変わったと思っている。4月の段階ではミュトスと呼ばれる非常に強力なAIを悪い人間が使うと社会に悪いことが起きるのではないか、脅威をどう防ぐかの話をしていたわけだが、新しいアストラというオープンAIのモデルは人間が介在しないでAI自体が人間の想定を超えた行動をして害を及ぼしてしまうのではないか、こうした新しい脅威にどう我々は立ち向かっていくのかが今問われていると感じている。」とコメントした。こうしたAIの対処について「政府としてどのように安全性をリリース前にチェックをしていくのか、使う側がどういうリテラシーを持っていくのか、こういったところを組み合わせながら社会としてこの強力なAIをどう信頼できる空間環境を作っていくのかが非常に大きな問題だと思っている。」とコメントした。
自民党の塩崎彰久衆議院議員がスタジオ生出演。日本のAI産業について塩崎議員は4月、自民党内の有志と104項目の提言案「AIホワイトペーパー」を発表している。塩崎議員は「AIモデルの国産化至上主義ではなく、戦略的自立性を確保する。」という方針について「例えば今回ホルムズで中東危機が起きて石油が入ってこないと困ったとなってしまう。同じようにAIを止められてしまうということになると、これから社会全体が止まってしまうリスクがある。AIを止められないためにモデルを自前で全部作るということにこだわるよりは、モデルは自前でも作るし、外国製のものも使う。でもAIのモデルだけではなくて、それを裏付けるようなデータセンターとか、また計算資源や電力など様々なサプライチェーン全体を見て、日本がいないとAIが使えない、日本のAIが止められたら困るという状況をしっかりと日本として作っていくことが、我々が守るべき自主性ではないか。」と意図を説明した。さらにAI全体を動かすためのサプライチェーンの中で「半導体製造装置やシリコンウェハーを作る技術、フォトレジストリを焼き付ける技術は日本の技術を全世界で使っており、戦略的不可欠性をしっかり育てていくことによって、日本が常にAIサプライチェーンの重要なプレイヤーとして、一緒に育てていく大事な役割を担っていくことができるのではないかと思っている。」と訴えた。塩崎議員は「AIの国際競争はまだ始まったばかり。日本製のモデルもこれから優れたものが出てくる可能性はあるが、いろんなシナリオに備えて日本が安心してAIを使い続けられる環境を整えていくことが政策サイドから見た責任ではないかなと思っている。」とコメントした。一方で、AIができないことは何だろうというぐらいAIが進化していくと、やはり人間にしかできないものをしっかり考えていく必要があるとして、「AIを社会実装していく競争が世界で広がっていく中で、人間の価値というものを再認識して、それに伴うコストを個人に合わせるのではなくて社会全体で背負っていくことがとても大事なのではないかと思っている。」とコメントした。
日本予選も開かれている世界規模のピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ」。このイベントを主催するシリコンバレーの投資家・ペガサステックベンチャーズのアニス・ウッザマン氏はアメリカのスペースXに上場前に7回投資した実績もあり、オープンAIやアンソロピックにもすでに投資するなど、AIに精通している。そんなウッザマン氏が産業の課題としているのが「データセンター不足」だ。AIデータセンターには大量の電力が必要で、IEA(国際エネルギー機関)の試算によると、世界のデータセンターによる電力消費量は、2030年にはおよそ1兆kWhと数年間で倍以上に増えると予測されている。電力不足による危機を乗り越えるためウッザマン氏が期待するのが宇宙空間で太陽光発電などを活用する軌道上のデータセンターだスペースXなどが構想する一大プロジェクトで「宇宙に持っていけば、今のAI時代の一番大きな問題が解決され、一番みんなハッピーではないかなと思っている。」とコメントしていた。
先週、秋田市で日本最大級のAI向けデータセンターの建設計画が明らかになった。整備費用はおよそ2兆円と試算されている。他にもソフトバンクは北海道を苫小牧市に今年度。大阪・堺市に来年度稼働させる予定。NTTデータグループは千葉県と栃木県に、台湾の投資会社なども鹿児島県に建設を計画している。日本政府はデータセンターを成長戦略の主軸として、蓄電池も含めて2035年度までに32.7兆円を官民で投じるとしている。自民党・塩崎彰久議員は「データセンターには雇用自体はそんなに生み出さないかもしれないが、地方自治体にとっては非常に固定資産税が生まれたり地域経済の活性化という意味では意味があると思っている。」とコメント。あとは機微なデータを日本国内で置いておくこと、推論用の計算資源をいざという時にしっかり日本の国内に持っておくことというのはAI主権という考え方からもとても大事な意義があると思っている。」とコメントした。ただ、アニス・ウッザマン氏が「一番のボトルネックは電力。」と語っており、日本は電力は島国なんで輸入することができないため、10年単位とかで計画をしていかなくてはいけないと指摘した。海外ではデータセンターの建設に対する反対運動もある中、塩崎議員は「単に電力が値上がりするという心配を超え、AIがどんどん普及していくと経済全体のパイは大きくなっていくかもしれないが、多くの市民にとっては、搾取されるだけに終わるのではないか、格差が広がっていくのではないか。この心配がデータセンターに対する懸念として現れているのではないかと思っている。むしろこの格差という問題について、しっかり我々政治の方が答えを出して考えていくということが大事なのではないか。」と指摘した。
アメリカ軍がベネズエラやイランでの作戦で生成AIを活用したということは話題になった。自民党・塩崎彰久衆議院議員は「デモ映像を見て衝撃的だった。大事なことは、AIが変えたのは武器の能力を強くしたということではなくて判断の速度を飛躍的に速めたということだ。この時の作戦では24時間で1000以上のターゲットを標的にしたということだが、今まで標的情報の統合に半日ぐらいかかっていたものが1分足らずでそういったことが処理できるようになった。ここが非常に革命的なのではないかと思う。」と指摘した。
自民党・塩崎彰久議員へのインタビューの延長戦ライブをこのあと「テレ東BIZ」で配信する。
資源からAI、食品まで幅広い商材をグローバルで扱う総合商社、三井物産の堀健一社長に話を聞いた。先週4日に発表した今年4~6月の決算について「非常に強い滑り出し、出だしだったなと思う。」と述べた。 純利益は前の年から53%増となる2940億円とこの期間としては過去最高となったその要因の一つは意外なことに緊張が続く中東情勢だという。堀社長は「ボラティリティーの高い経営環境の中で代替輸送調達の第2、第3の方法を考えてくれというような依頼を受けている。」と述べた。原料などの調達で存在感を示す三井物産は1876年に誕生。当初は綿花や宝石機械の輸入で礎を築いた。現在は食料からモビリティ、IT、医療、金属やエネルギー資源に至るまでを手掛ける総合商社となっている。その中でも特に強みとするのが資源分野だ。鉄鉱石の検疫量は日本企業でトップ、近年はLNG事業の拡大も目立っている。その象徴が三井物産が出資し2020年に運転を開始した福島県沿岸のガス発電所。燃料となるLNGも自社で12隻の長期契約している船を使いこちらの巨大なタンクまで運び発電している。資源を軸に様々な事業を展開する三井物産だが、次の稼ぎ頭について堀社長に聞くと「エネルギーとその先」「組み合わせによる産業解」「ウェルネスの事業群」の3つをあげた。エネルギー事業は発電にとどまらずその先のデータセンターなどでの利用も見据えてサプライチェーンをさらに強化する。さらに「組み合わせによる産業解」について、堀社長は「例えば私どもは鉱山の事業が相当多いが、AIを使って鉱山運営そのものの効率を上げて複数の部門を横断するプロジェクトを創出する。」と述べた。実際、社内では次を見据える連携が始まっている。
三井物産の堀社長が掲げる3つの稼ぎ頭の一つが総合商社の幅広い事業領域を生かした複数部署の掛け合わせだ。社内の一角で実証実験をしているのはフードサービスの現場で使うことを想定するAIロボット。人手不足の中、盛り付けなどの細かい作業の自動化を目指している。このプロジェクトで手を組むのはフードサービスを手掛ける事業本部とAI戦略の本部。社内に広い共有スペースを設けることでコーヒー休憩の時間などで連携が生まれやすい土壌を整えたという。堀社長は2030年に純利益を現在の1.6倍以上にするという野心的な目標を掲げている。また去年およそ8000億円と過去最大の出資をしたオーストラリアの鉄鉱石事業などが大きな利益を生むと見込んでいる。さらに早期に利益につながるような分野への投資も行っており、フードサイエンスの分野への投資やモロッコでは養鶏事業を展開。人口の急増によって需要が増すタンパク質事業の構築などに力を注ぎたい考えだ。一方、事業全体に占める資源の割合が大きいことから業績は資源価格の変動に左右される部分もある。堀社長は「資源の仕事も実はインフラ部分が相当多い。必ずしも市況一本だけでなくて様々なビジネスモデルが組み合わさった状態で行っている。ポートフォリオの効果とというものを大切に意識してやっている。」と話していた。堀社長は、地政学的リスクの高まりで投資可能な国が狭まることについて、新型コロナの時のようにその国で付き合ってきたパートナーと状況が改善するまで準備を進めるとも語っていた。
