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本日の世界遺産は「アグテレク・カルストとスロバキア・カルストの洞窟群」。
スロバキアの地下には網目のように洞窟が広がっている。ゴンバセツカ洞窟の奥には屈指の美しさを誇る鍾乳石が存在する。ストローとよばれる鍾乳石があり中は空洞で石灰分を含んだ水が流れる事で成長する。空洞が塞がると表面から水が流れるようになり、太い氷柱の形に変化する。
ハンガリー側の洞窟は山奥にあり、トンネルの奥にある通路は人一人が通れるのがやっとくらいとなっている。天井も壁も鍾乳石でびっしりと埋まっており、そこに変わった形の鍾乳石が存在する。鍾乳石は波打ちながら落ちてくるような独特な形でその形状から「カーテン」と呼ばれる。さらに奥進むとオレンジの滝と呼ばれる鍾乳石の絶景が見ることが出来る。この洞窟の特徴は鉄分が含まれていることで酸化してオレンジ色になっている。
この地にある洞窟の外側には石灰岩が存在する。石灰岩は雨水に溶けやすく地中に染み込んだ雨水で長い時間をあっけて空洞・洞窟ができ、カルスト地帯がハンガリーとスロバキアに広がっている。
ハンガリー・アグテレク村にある建物の多くの壁には石灰岩が使用されている。スロバキアとの国境近くにある「バラドラ・ドミツァ洞窟」が国境をまたぐ洞窟。洞窟内の気温は10℃ほど。洞窟には「石筍」などの鍾乳石がみられる。バラドラ・ドミツァ洞窟は全長26kmありヨーロッパ最大の鍾乳洞となっている。奥へ進むと「巨人の間」と呼ばれる広い空間に出る。天井までは30mの高さがある。鍾乳石に大量の水が流れ込むと崩れ、広い空間を作ることもある。地底湖も存在しそこのはヨコエビなどの生き物が確認された。
ヨーロッパ最大級の鍾乳洞「バラドラ・ドミツァ洞窟」。こんどはスロバキア側から進む。こちら側は地下水が豊富で船で進むことが出来る。鍾乳石と一体化した土器も見られる。洞窟内では土器が見つかっておりその数4000あまり、中には動物の骨を使って繊細な模様が描かれているものも存在した。この土器制作は洞窟内で行われたと考えられている。住んでいた人たちの集落は地上にもあったが儀式を行うときなどに一時的にここで暮らしたと考えられている。
石灰質の土壌は様々な事に利用されている。フェルテー湖付近では古くからブドウ栽培が行われてきて、このブドウから作られるのがワイン。石灰に含まれるミネラルが程よい酸味が加わるという。
夏気温は28度ほどになるが「ドブシンスカ氷穴」では気温0℃ほどで壁は氷に覆われる。ドブシンスカ氷穴は40万年前に出来た洞窟で、外気が流れ込みやすく、留まりやすい1年中0度の気温が保たれる。1905年にはスケート場として利用されたこともある。「オクチンスカ・アラゴナイト洞窟」はひときわ古い石灰岩が存在し注目すべきはその天井で白い筋のように見えるのが鍾乳石で「アラゴナイト」と呼ばれるものだが、この形になるかは不明で、ここまで大きいアラゴナイトがある鍾乳洞は世界でもここだけだという。
世界遺産の次回予告。
ベスコングルメの番組宣伝。