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ニュージーランドの南島の内陸から海岸に至る広大なエリアがテ・ワヒポウナム。先住民マオリの言葉で「緑の宝石のある場所」を意味する。この一帯には数百もの氷河がある。マウント・クック北部、内陸にあるマウント・クック国立公園の中心にそびえるのがニュージーランドの最高峰マウント・クック。国内最長のタスマン氷河の中流に降りた。気温が上昇すると氷河の表面が溶け、水が流れる。水は氷河の中にも流れ通り道が生まれる。それが徐々に大きくなり洞窟になる。山に降り積もった大量の雪は自らの重みで押しつぶされ下は氷となる。その氷が斜面を流れ下り氷河となる。速い場所では年間で250mも流れるという。海に目を向けると、ペンギンの姿が。
テ・ワヒポウナムの高い山では雪が氷河を生み出すが、標高の低い場所では年間1万mmもの雨が降り森を育む。フィヨルドランドペンギンはここフィヨルドランドが主な繁殖地。ヒナに餌を与えるため、親鳥たちは山を登る。親鳥は海で飲み込んだイカや小魚を吐き出してヒナに与える。カモメなどの天敵に見つからないよう、森で子育てするようになったと考えられている。テ・ワヒポウナムは独特な生態系が見られるうえに、絶滅危惧種の生息地でもある。絶滅危惧種の一つが飛べない鳥タカヘ。絶滅したと考えられていたが、1948年に再発見された。
タスマン氷河の先端は氷河が黒い。氷河を覆っているのは岩屑。岩屑は両側にある岸壁が氷河に削られたものだという。氷河の崩落の瞬間を撮影した。湖に流れ出た塊は氷山となる。湖の先では積もった土砂に水が流れ、網目のような美しい模様を描いている。さらに氷河を下ると青く輝くプカキ湖があった。氷河が削った細かな岩の粒子が流れ込み、太陽光を反射して鮮やかなブルーを生み出している。
テ・ワヒポウナムの内陸に入り組んだ海フィヨルドにもはるか昔、氷河があった。氷河期、ここに氷河がたくさんあった。約1万年前、氷河期が終わると海水面が上昇、氷河が削った谷に海水が流れ込んだ。氷河が削った谷は深さ数百mまで続くという。
「世界遺産」の次回予告。
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